弊社は、飲料や食料品、資材の卸売業を営む会社です。業務用のお酒やお米、調味料などのほか、割り箸や包装材などを取り扱っております。商品数は約5,800点にのぼり、商品ラインナップが豊富です。北海道全域を対象として約330件の得意先との取り引きがありますが、主に飲食店が中心で、中でもラーメン屋さん向けの食材に強い会社です。
どの業者を選ぶか検討していただく際に、「KAヤマシタにしよう」と選ばれる会社だと自負しています。弊社は商品数が多いため、お客様のご要望にも対応しやすく、たとえばラーメン屋さんの場合、「こういったメンマが欲しいのですが…」と相談されれば、豊富な種類の中から、お客様がこだわりたいポイントを押さえた最適な商品をご提案しています。
330件の得意先のうち、290件は電話、留守電、FAXによるアナログ発注で、残り40件ほどが他社EDIを使っての発注となっております。実質的には、24時間注文を受け付けています。飲食店の場合、営業終了後の夜中に次の日の分の注文がFAXや留守電で入ってくるケースが多いです。早朝担当のパートさんが1名いるので、その方が夜中の2時半に出社してそれまでに入っている留守電の聞き起こしや、FAXの注文を楽一(カシオの販売管理システム)に打ち込むという作業を、朝6時までに行っています。日中は事務員3名で電話、FAX、留守電での注文に対応しています。一日のFAX受信枚数としては50枚以上で、電話と留守電の件数も30~40件ほどありますので、忙しいときは受注の対応に追われ他の業務が何も進まない、という日もありました。
注文を受け付けた後は、楽一で納品書を作成し、そこから荷出し表を作り、その伝票をもとに荷物をトラックに積み込んで配送が出発します。配送は朝7時からスタートしますので、それまでに事務作業の準備が整っている必要があり、朝の時間帯はすごくバタバタします。
1番は、受注処理の効率を上げたいという点でした。特に負担となっていたのは、FAXや電話、留守電で受けた注文内容を、納品書・請求書を発行する楽一へ手入力する作業でした。FAXの注文用紙や電話で聞いたメモを見ながら手入力していくのですが、たとえばFAXですといろんな商品がずらっと並んでいる中で、その商品ではない、もう一つ下の商品を打ってしまうなどの入力ミスが発生し、それが商品の誤発送につながりお客様に迷惑かけてしまうこともありました。
電話で注文を受ける際に困っていたのは、お客様がそれぞれの言葉で注文してくるので、商品の特定に時間がかかっていたことです。たとえば「合成酒」を人によっては「料理酒」と言われたりすることがあります。そうすると慣れている従業員なら理解できますが、慣れていない人が電話を受けた場合、「このお客様が言う料理酒って何だろう」というところから、過去に注文された履歴を遡って「料理酒」を探す必要があるので、とても時間がかかってしまいます。さらに料理酒が2種類あった場合には、どっちだろうということでまた手が止まってしまう。そういう場合は、また過去履歴から探すのですが、結局わからなければ確認の電話を入れることになり、余計な作業が発生してしまっていました。
また、注文書の作成に手間やコストがかかっていた部分も課題でした。注文書は得意先ごとに楽一で作成して、得意先から用紙がなくなったと言われれば30枚くらいコピーを用意して納品の際に封筒に入れてお届けしていましたので、紙や封筒代などのコストが発生していました。さらに新しい商品の追加や古くなった商品の削除などが発生した場合は、作り直してまたコピーするという手間がかかります。注文用紙はいつも最新の状態が理想ですが、改訂が間に合わない場合は仕方なく古いままでお届けすることも。そういう場合は、商品が切り替わったことを覚えていて、FAXで注文が届いた段階で「この商品はこの商品に替わったから」と新しい型番に打ち直す必要がありました。そのため、知識や経験のある人でないと対応ができないという悩みもありました。
BC受発注を知るきっかけは、楽一の販売店さんからの案内でした。特に早朝担当のパートさんの負担が大きく、その方がお休みの日は困るなどの課題を抱えていたので、少しでも受注処理の負担が減るなら、とお話を聞いてみようと思いました。すでに導入していた他社のEDIもありましたが、楽一との接続性を考えて、BC受発注の導入を決めました。
日ごろから注文数が多く、ぜひBC受発注に切り替えてほしい得意先をピックアップして、営業が納品に行った際に「WEBでの受注をはじめました」とチラシを配って案内しました。その結果、導入開始から4か月で、約半数にあたる160件の得意先に発注方法を電話やFAXからBC受発注に切り替えていただいております。中には新しい発注方法に躊躇する方もいらっしゃいましたが、大抵の方はチラシを見てすぐに導入していただけて、特に問題なくスムーズに使っていただけました。ご自身のスマートフォンを使って発注しているケースが多いようです。
BC受発注を通して入ってきた注文データを取り込むのと同時に納品伝票をおこせるので、伝票の入力作業は断然ラクになりました。これまでFAXで来た注文10枚分を打つのに1時間~1時間半かかっていたところ、BC受発注で受け取れば10分~15分で終わるので4分の1の時短になっていると思います。また受けた注文データを取り込むだけなので、以前起こっていた入力間違いは、このシステムを使っている得意先に対しては0になりました。
注文の24時間対応は今も変わりませんが、BC受発注に切り替えたことで留守電の数は半分くらいに、電話の数やFAXの受信量も3分の1に減っています。またFAXでわからなかった部分を別途電話で確認するなど、そういう時間も減っていますので、浮いた時間を別の作業に充てられるようになったのは嬉しい変化です。手間取っていた商品の特定についても、システムを使うとあいまいな表現はなく、ズバリこの商品という形でお客様が選択してオーダーが入ってくるので、とても明確になりました。
注文書の作成に関しては、BC受発注の得意先ごとの注文画面がそのまま注文書の役割を果たしてくれているので、以前ように注文用紙を印刷して配るといった必要はなくなり、印刷代や紙代、封筒代のコストが削減できています。
お客様としてもWEB上で発注が完結できたり、発注の履歴が確認できたり、FAXを流したか流していないかわからなくなるといったトラブルが減ったり・・・と、様々なメリットを魅力に感じていただけているからこそ、BC受発注に切り替えていただけたのだと思います。また弊社の営業も、事務作業には直接かかわっていないにもかかわらず、お客様の反応が良いのでBC受発注の得意先を増やそうと積極的に動いてくれています。BC受発注に切り替えたことで本当に作業がラクになったので、今後も少しずつBC受発注への移行を進めて、将来的には電話やFAXでの受注を0にしていきたいですね。