当社は、刺身用の「つま」をメインに扱う青果加工販売の会社です。主な得意先は熊本県内外の食品スーパーや九州各地の鮮魚卸売市場、食品小売事業者などで、件数は100件ほどあります。当社は、鮮度や安全性でどこにも負けない「つま」にこだわって生産をしております。「つま」の原料である大根は、全国の農家さんと契約をして、その時期に最も旬のものを仕入れるようにしています。仕入れた大根は自社の工場内にて、完全無菌室状態で加工します。熊本のきれいな水で洗浄し、完全無添加で製造しております。なるべく価格を変えずにお客様にご提供できるよう、値段設定を変えない努力も続けてきました。このように他社では手に入らない「最良のつま」をご提供するため、これまで企業努力を続けてきたことが当社の特徴であり強みだと思っております。
100件の得意先のうち、90件が電話、残り10件がFAXでの受注です。「つま」の注文は基本毎日ですので、毎日夕方に90件の得意先に対してこちらから電話を掛け、明日の分の注文をいただいております。夕方の電話に間に合わないスーパーなどは、閉店後の夜にFAXや留守電で注文を入れていただくことが多いです。その後、翌日の午前2時半から朝9時にかけての出荷までに、前日に電話で受けた注文のメモやFAX用紙を見ながら楽一に入力して納品書を作成します。約100件分を入力するのはかなり労力がかかる作業ですので、専任の事務員以外にも他の従業員2名も協力して作業に当たっています。
一番の負担となっていたのが、やはり90件余りの得意先に電話をかける作業です。先ほどもお伝えした通り、当社は得意先にこちらから電話を掛けて注文を受けるスタイルですが、その作業に毎日2時間以上を費やしています。電話ですと、「相手の声がよく聞き取れない」、「言った、言わないのすれ違い」などの問題が発生するほか、「担当者が不在で連絡がつかないと掛け直す必要がある」など、とにかく時間がかかっていました。また、日々の取引量が多いため、受けた注文を楽一に手入力していると、どうしてもデータの打ち間違いが発生してしまうことも課題でした。
BC受発注を知るきっかけは、楽一の販売店さんからの紹介でした。毎日の電話での受注業務が大変で、そこをなんとか改善していきたいという気持ちがあったので、少しでも楽になるならと思い、話を聞いてみようと思いました。そうしていざ提案を受けてみると、BC受発注は先方が注文内容を入力してくれるので、電話をかけたり注文内容を確認したりといった手間が一切かからず、注文データをそのまま楽一に移行できるので、伝票作成における負担も解消できそうだと期待して、導入を決めました。
まず、全ての得意先に対して「BC受発注導入に関する事前アンケート」を請求書に同封して送り、導入の意思を確認しました。そのアンケートで「利用したい」との回答をいただけた得意先に対して、専用のログインIDとパスワードを記載したBC受発注の案内チラシをお渡しした形です。
現在、BC受発注をご利用いただいている主な先としては、チェーン展開をしているスーパーマーケットの得意先になります。スーパーは若い担当の方が多く、受け入れてもらいやすいと感じたことと、日ごろ電話での注文量が多いため、BC受発注の導入効果が見込めると思い、まずはスーパーのお客様から始めてみることにしました。
はい。BC受発注をご案内した得意先からは、「早くこういうのにして欲しかった」というポジティブな意見をいただけています。普段スマホの操作に慣れているので、電話で話すよりも早くてカンタンだと感じていただけているようです。最初は質問や問合せも少しありましたが、1回説明をしたら皆さんすぐに使いこなしていただけました。
BC受発注に切り替えた得意先については、電話して注文を聞き、伝票を入力するまでの一連の作業時間が大幅に短縮されました。これまでは1件あたり、電話対応に5分、入力作業に5分で合計10分はかかっていたところ、BC受発注にかえてからは電話の5分が丸々削減され、伝票入力作業も(先方が入力してきてくれたものを取り込むだけなので)2分短縮された結果、合計3分で完了できるようになりました。
またBC受発注の導入で、電話をかけた際の「お互いの意図が伝わらない」といったトラブルを防げますし、そもそも注文が自動で入るから転記ミスがなくなるという安心感も得られて、作業効率以外にも心理的なメリットを感じています。BC受発注のおかげで、「お客様が求める商品を正確に出荷できる」、「お客様にご迷惑をかけない」ということがなにより心強いです。
受注があった際に楽一やPCの画面上にお知らせが出る機能が便利で、注文が入った目印として活用しています。得意先の発注が完了すると同時に注文内容の確認メールも送信されるので、注文に間違いがないか、ダブルチェックできるのも便利です。
今後、BC受発注を利用していただく得意先が増えれば増えるほど、従業員の作業負担は大きく改善される見込みです。今は難しくても、世代交代や担当者が代わったタイミングなどに案内を進めて、少しずつ利用先を増やしていきたいと考えております。