店舗運営応援コラム
売上管理の方法を解説!管理する数値とポイントとは
売上管理をしっかり行うことで、売上目標の達成を阻害している要因や課題を明確にできます。
売上管理は目標達成において重要な業務の1つですが、具体的に何を管理すべきか端的に答えられる人は少ないのではないでしょうか。
今回は、目標達成のための正しい売上管理方法や売上管理表を作成するうえでのポイントについて解説していきます。
1売上管理は何を管理するのか
売上管理とは、売上目標を達成するための記録・分析業務です。日々の売上を記録することで、利益向上にも役立てることができます。
日々の売上を計算して記録ことで、売上が少ない日や多い日の確認はできますが、それだけでは売上が落ち込んでいる時期の根本的な原因を探ることは難しいでしょう。
例えば、6月の売上が芳しくない場合、梅雨や目玉商品が悪いなど、さまざまな要因を推測でき、課題点を絞ることは難しいのではないでしょうか。
そのため、商品ごとの売上や広告費、原価など、さまざまなデータを残していきます。
売上管理は時間と手間がかかる作業ですが、売上目標を達成するためには欠かせない業務になります。
2実際にはどんな数字を管理するのか
課題を明確にし、改善策を考察するためには、どのようなデータを記録すると、良いのでしょうか。
ここでは、売上管理で必要な主なデータを4つご紹介します。
・売上目標の達成進捗
まずは、目標としている売上に対して、今の進捗状況を記載していきます。月、四半期、年単位で立てた目標に対し、どの程度達成しているかが一目でわかるようにすると良いでしょう。
また、売上目標に無理な数字を設定してしまうと、現実との乖離が大きくなり、管理する意味がなくなってしまうことも少なくありません。
大きな乖離が生じた場合は、そもそも売上目標が適正なものであるか?という視点から、見直しを図ることをおすすめします。
・前月/前年比売上
次に、前月と前年と比べた売上状況を記録します。
前月と前年の売上に対して、当月の増減を知ることで、取り組んでいる施策の効果を把握することができます。
前月・前年比売上の計算式はそれぞれ、「(今月度売上)÷(前月度売上)」「(今年度売上)÷(昨年度売上)」というシンプルなものです。
また、前月と前年の売上との比較は、目標金額の妥当性を知るためにも有効になります。
・原価
一見、売上とは関係ない、商品の仕入れ値も売上管理表に記録するようにします。
原価を記載することで、人件費といった固定費を除いた粗利が分かり、固定費を把握している店長やオーナーが確認すれば、今の経営状況をざっくりと知ることができます。
また、仕入れ値は取引先との契約や政治・天候などの外部要因で変動することがあるため、市況を整理する上でも役立ちます。
・予算や経費の消化状況(広告費、採用費、材料費など)
最後に、予算がどれほど使われたかも記録します。
予算には、売上予算・原価予算・経費予算・利益予算などがありますが、普段使用している予算は全て消化状況を記録していきましょう。
予算消化率と売上達成率は、比例していることが望ましいですが、数ヶ月ずれてしまうことも少なくありません。四半期、半年、1年など経営状況によって期間は異なりますが、ある程度大きなスパンで確認していくと、マーケティングや運営費の妥当性を評価できます。
3売上管理表を作成する際のポイント
重要項目を余すとこなく記録し、記入時の時短を実現することが、売上管理表の作成では求められます。
ここでは、それらを満たすためのおすすめの方法をご紹介します。
3-1.効率化のために雛型を作成・整理する
使いやすい雛形を作成しておくことが、売上管理表の作成に欠かせません。 まずは目的に沿った雛形を作成します。
3-1-1.誰が書いても同じデータになるようにする
売上管理表は常に同じスタッフが記入するとは限らないため、数人のスタッフが書くことを前提に作成する必要があります。
そして、記載する際のルールを入力するスタッフ全員に共有し、守るように徹底します。
どの箇所をどのような形式で記載するのか、表計算ソフトを利用する場合は、数式を崩さないようにする、など周知しましょう。
そうすることで、誰が記載しても同じデータを残すことができます。
また、メニューや営業時間の変更、市況の変化などにより雛形が古くなることも多いため、常に雛形を見直し、誰でも効果的な売上管理表を作れる状況を目指しましょう。
3-1-2.売上管理表を作成するツールも選定する
なるべくコストをかけずに売上管理表を作成する場合は、表計算ソフトがおすすめです。
表計算ソフトを使うと、売上推移や目標達成の進捗率などの数値を自動で計算でき、グラフに反映することも容易です。売上や利益率、原価といった数値が視覚的に把握しやすく、重要なデータもいち早く抽出できるでしょう。
また、CSVファイルで出力すれば、会計ソフトのようなツールと連携し、より細かい分析も可能です。
3-2.目標達成のための対策を練られるようにする
売上管理表では、売上や原価などの数値だけではなく、曜日(祝日)や天候など売上に影響を与える項目も記述すると、より具体的な課題を探ることができるためおすすめです。
売上管理表を作成するときは、その後の分析作業、対策の立案作業まで視野を入れることが重要です。どうやったら売上目標に対する課題を見つけやすくなるのかを考えて、売上管理表を作成しましょう。
売上管理表は数字のようなデータを管理するだけではなく、目標と実績を管理するためのツールです。いま抱えている課題をいち早く見つけ出し、解決に導けるよう、売上目標と実績の乖離を客観的に捉えられるようにしましょう。
4まとめ
売上管理は、売上目標を達成するためのものです。原価、売上目標の達成進捗、前月/前年比売上などさまざまなデータを記録し、売上目標の達成を阻害している課題やその解決策を導き出します。
しかし、売上管理表の作成は手間と時間を要する作業であるうえ、毎日記録する必要があり、従業員やお店の負担になりかねません。あらかじめ売上管理表の雛形を作り、効率化・同質化を図る必要があります。
また、CASIO ECR+ Premium のようなクラウドサービスを用いて、目標管理、材料費や売上の入力を自動化して、手間を削減する方法もよいでしょう。
2019年9月
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