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飲食店・小売店も知っておきたい「小規模事業者持続化補助金」

補助金とは、国や自治体の政策目標に合致する取組みを事業者が行なう場合に、給付を受けることのできるお金です。うち、「小規模事業者持続化補助金」(以下、このコラム中ではこの補助金の一般的な略称である「持続化補助金」と記載します)は飲食店・小売店でもホームページ制作・広告等の認知拡大施策や、厨房機器や陳列棚といった設備の更新による生産性向上施策などに活用できる可能性があります。
そこでこのコラムでは、2020年3月時点で公表されている情報と過去の傾向を踏まえて、飲食店や小売店が持続化補助金の給付を受けるために概ね共通すると考えられる基本的なポイントを解説します(複数の小規模事業者等が連携して取り組む共同事業についての解説は記載していません)
なお、補助金の内容は拡充や縮小が行なわれる可能性がありますので、実際に検討をされる際はこのコラムの内容もベースに最新の公募要領を確認なさってください。

1補助対象者

2020年3月時点で公開されている公募要領では、補助対象者は以下のようになっています。

業種 人数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下

小売店の場合は、基本的に「商業・サービス業」の分類で対象になります。飲食店は一般的な産業大分類において、飲食業は「宿泊業・飲食サービス業」に属すこともあり、一見すると飲食業は対象外に感じられるかもしれませんが、従業員の数が5人以下であれば「商業・サービス業」の分類で対象になります。
また、従業員の数が5名以上の場合でも、お弁当、惣菜、お土産の製造販売を行なっている場合、事業に占める割合での判断となりますが「製造業その他」の分類で対象となる可能性があります。

なお、起業前の方でも、開業届を提出済みで、この補助金の申請日が開業届上の開業日より後の日付であれば、申請が採択されるかは別として、補助対象者になることはできます。
また、直近10ヶ月以内にこの補助金を利用していたり、別の補助金、交付金を受けていたりする場合は対象外となる可能性があります。該当する心配がある場合は、このあと解説する相談窓口に確認してください。

2相談窓口

相談窓口は、事業を営んでいる所在地を所管する商工会か、商工会議所になっています。
前者は商工会法に基づき主に「町・村」に設置されており、後者は商工会議所法に基づき「市・特別区」に設置されていて、基本的に管轄が重複することはありませんので、まずはご自身の会社が相談する窓口を確認してください。

なお、商工会・商工会議所の会員でなくても持続化補助金に申し込むことができますが、この補助金では申請書面について商工会または商工会議所の確認を受けることが要件になっています。申請書面には商工会または商工会議所側による事業支援計画書も含まれていて、その記入欄には補助事業終了後5年間の支援内容も記載することになっているので、事実上、持続化補助金を受けるためには入会が必要になると考えられます。年会費は事業規模に応じて年間1~10万円程度となっているようですが、詳細の条件については地域により異なると想定されるため確認が必要です。

3補助対象事業・補助対象経費

補助対象事業の要点は
● 商工会または商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること。
● 策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等(生産性向上)のための取組であること。あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組であること。
となっています。そして、補助対象経費は
● 交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費で、請求書や領収書など証拠書類が存在するもの
となります。

2020年3月時点で公開されている公募要領に記載されている採択・取組事例から、具体的には飲食店では以下のような取組みを行なうための経費予算を申請できると考えられます。

公募要領に記載されている販路開拓等の取組事例 想定利用イメージ 経費内容例
新商品を陳列するための棚の購入 ● 新商品やメニューを開発すると同時に店頭のディスプレイもより見栄えのするものに更新する 機械装置等費
新たな販促用チラシの作成、送付、ポスティング ● 新しいカタログ・メニューブックやチラシを作成し、そのチラシを配布する 広報費
新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告) ● お店のホームページを新規作成またはリニューアルする。
● グルメサイトなどで広告を実施する
広報費
新たな販促品の調達、配布 ● 新しいのぼりなどを作成する 広報費
新商品の開発。そのための書籍購入など ● 新商品や新メニューを開発する 開発費
資料購入費
ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言 ● 店舗の内外装や新メニュー開発にあたり専門のコンサルタントの支援を受ける 専門家謝金
専門家旅費

公募要領に記載されている業務効率化の取組事例 想定利用イメージ 経費内容例
業務改善の専門家からの指導、助言による長時間労働の削減 ●専門のコンサルタントの支援を受ける 委託費
従業員の作業導線の確保や整理スペースの導入のための店舗改装 ●左記実現のための内装変更 機械装置等費
新たに労務管理システムのソフトウェアを購入し、人事・給与管理業務を効率化する ●新たなタイムレコーダや給与システムの導入 機械装置等費
新たに POS レジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する ●新たなレジやそれに連携するクラウドサービスの導入 機械装置等費
新たに経理・会計ソフトウェアを購入し、決算業務を効率化する ●クラウド会計ソフトの利用料や、税理士などの顧問料 機械装置等費
専門家謝金
専門家旅費

4補助率等

2020年3月時点で公開されている公募要領に記載されている補助率は下記の通りです。

補助率 補助対象経費の2/3以内
補助上限額 50万円
○75万円以上の補助対象となる事業費に対し、50万円を補助します。
○75万円未満の場合は、その2/3の金額を補助します。

なお、ご自身が「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けた小規模事業者」である場合には補助上限額は100万円に引き上がりますが、別途詳細の要件が設定されていますので該当する場合は個別にご確認ください。

5申請手続・採択審査(新型コロナウイルス感染症加点)

公募要領に定められた所定の申請書を準備する必要があります。窓口が商工会となる場合と、商工会議所になる場合で、様式にあらかじめ記載されている提出先の宛名等が異なりますので、ご自身が申請する先から申請書の入手先の案内を受けると確実です。ただ、申請書に実際に記入する内容はほとんど共通しています。

以下、2020年3月時点で公開されている公募要領から、単独申請(複数の小規模事業者等が連携して取り組む共同事業ではない)場合の申請書様式と、そこに実際に記入する内容との関係をまとめましたのでご参考になさってください。

様式名 申請書名 記入する内容
様式1-1 申請書(単独) 自社の名称や所在地といった基本情報を記入します
様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①(単独) 自社の業種業態と売上高や従業員の人数など営業状況を記入します
様式3-1 補助事業計画書②(単独) 持続化補助金を活用して取り組みたい事業と、見積経費を記入します
様式4 事業支援計画書 様式1~3の申請内容を踏まえて商工会または商工会議所が作成する書類です
様式5 交付申請書 持続化補助金を活用して取り組む事業の実施期間などを記載します
参考様式1 賃上げ表明書(給与支給総額) 取り組む事業によって賃上げの実現を狙う場合に記入します
参考様式2 賃上げ表明書(事業場内最低賃金) 取り組む事業によって賃上げの実現を狙う場合に記入します

なお、上記の表で紹介した「賃上げ表明」以外にも、細かな加点材料がありますので、個別の加点可能性についてはご確認ください。 また、2020年3月時点で公開されている公募では新型コロナウイルス感染症で売上が減少していたり、従業員の罹患がある場合には加点されます。

そして採択審査は、申請書類を元に以下のポイントを重点に審査されることになります。

①自社の経営状況分析の妥当性
  ◇自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているか。
②経営方針・目標と今後のプランの適切性
  ◇経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
  ◇経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。
③補助事業計画の有効性
  ◇補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
  ◇地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
(共同申請の場合:補助事業計画が、全ての共同事業者における、それぞれの経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要か。)
  ◇補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
  ◇補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。
④積算の透明・適切性
  ◇事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか。
引用出所:2020年3月時点で公開されている公募要領から一部抜粋

なお、中小企業庁のホームページで、採択状況が公表されています。例として、平成30年度第二次補正予算「小規模事業者持続化補助金事業(商工会議所地区分)」では“申請のあった15,202件について外部有識者による厳正な審査を行った結果、13,099件の採択事業者を決定しました。”と公表していますので、きちんと申請を整えれば、採択可能性は高いと考えられます。

6公募時期・事業実施期間等と交付金の受取

2020年3月時点で公開されている公募要領に掲載されている公募の受付時期は以下の通りです。

公募開始: 2020年 3月10日(火)<公募要領公表>
申請受付開始 : 2020年 3月13日(金)
第1回受付締切: 2020年 3月31日(火)[郵送:締切日当日消印有効]
第2回受付締切: 2020年 6月 5日(金)[郵送:締切日当日消印有効]
第3回受付締切: 2020年10月 2日(金)[郵送:締切日当日消印有効]
第4回受付締切: 2021年 2月 5日(金)[郵送:締切日当日消印有効]
※第5回受付締切以降(2021年度以降)については、今後、改めてご案内します。
引用出所:2020年3月時点で公開されている公募要領から一部抜粋

受付締切が概ね3ヶ月に1回設定されており、早めに申請を準備でき採択されれば、比較的速やかに実施することができます。ただし補助金の一般的なルールとして採択され交付決定がされた後に取組を開始してください。交付決定前に取組みを開始すると、補助金の対象にならなくなりますのでくれぐれも注意してください。


第1回受付締切分
  事業実施期間:交付決定日から実施期限(2021年1月31日(日))まで
  補助事業実績報告書提出期限:2021年2月10日(水)
第2回受付締切分
  事業実施期間:交付決定日から実施期限(2021年3月31日(水))まで
  補助事業実績報告書提出期限:2021年4月10日(土)
第3回受付締切分
  事業実施期間:交付決定日から実施期限(2021年7月31日(土))まで
  補助事業実績報告書提出期限:2021年8月10日(火)
第4回受付締切分
  事業実施期間:交付決定日から実施期限(2021年11月30日(火))まで
  補助事業実績報告書提出期限:2021年12月10日(金)
引用出所:2020年3月時点で公開されている公募要領から一部抜粋

そして、受付締切時期毎に、事業の実施完了期限も定められています。期限までに施策の実施とそのための経費の支払いを完了し、期日までに報告書を提出しないと、やはり補助金を受領することができなくなる可能性があります。なお、補助金は事後精算のうえ交付となりますので、取組実施中は一旦自社で経費の支払いが発生します。
以下、2020年3月時点で公開されている公募要領に掲載分の受付におけるスケジュール例をまとめましたのでご参考になさってください

受付回 受付締切日 事業実施期限 実績報告書提出期限
第1回 2020年3月31日 2021年1月31日 2021年2月10日
第2回 2020年6月5日 2021年3月31日 2021年4月10日
第3回 2020年10月2日 2021年7月31日 2021年8月10日
第4回 2021年2月5日 2021年11月30日 2021年12月10日

7まとめ

以上、このコラムでは飲食店・小売店における「持続化補助金」の活用可能性についてまとめました。採択可能性は高いと考えられますので、地域の商工会または商工会議所と一緒に経営改善に取り組みたい場合には、ぜひ利用を検討されるとよいでしょう。

2020年4月

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