店舗運営応援コラム
カフェ・喫茶店にキャッシュレス決済を導入するメリットとは?
ここ数年で、キャッシュレス決済の利用率がアップしています。2009年からの10年で利用率は倍以上になり、まもなく3割に達する見込みです。政府が掲げる2025年の目標である利用率40%に向けて、今後より多くの人がキャッシュレス決済を利用するものと思われます。
飲食店は元々キャッシュレス決済の導入率が比較的高い業種でしたが、客単価が低いお店ではやや導入が遅れています。客単価が比較的低いカフェや喫茶店にとって、キャッシュレス決済の導入はどのようなメリットをもたらすのでしょうか?
このコラムでは、カフェ・喫茶店のキャッシュレス決済を取り巻く環境や、キャッシュレス決済を導入することでのお店側のメリットについて、詳しく解説していきます。
1カフェ・喫茶店を取り巻くキャッシュレス決済の現状
キャッシュレス後進国といわれている日本ですが、ここ数年で利用者は飛躍的に増加しています。まずは、飲食店でのキャッシュレス決済の現状を解説します。
1-1.多くの飲食店でキャッシュレス決済を導入済
経済産業省が2021年に行った「キャッシュレス決済 実態調査アンケート」によれば、飲食店の85.4%がキャッシュレス決済を導入しています。これは、小売業の88.3%、観光業の86.7%に次ぐ高い割合です。
【飲食店へのキャッシュレス決済導入状況】
- クレジットカード 58.3%
- 交通系電子マネー 33.2%
- 非交通系電子マネー 32.8%
- コード決済 68.4%
キャッシュレス決済方法別に見ると、コード決済の導入率がもっとも高くなっています。コード決済は少額決済に使われることが多く、カフェとの相性も良好です。
客単価別に導入率を見てみると、客単価が1000円未満の店舗への導入率は70%ほど、1000円以上3000円未満の店舗への導入率は84%ほどで、カフェのような客単価の店舗においても、多くがキャッシュレス決済を導入していることになります。
出典:キャッシュレス決済 実態調査アンケート|経済産業省
1-2.少額でもキャッシュレス決済を利用したい人は多い
実際に飲食店に訪れる人たちも、キャッシュレス決済を利用したいと考えているようです。
2019年に日本政策金融公庫が行った調査によれば、51.9%の人が飲食店でキャッシュレス決済を利用したいと考えています。また、2021年に行われた別の調査では、キャッシュレス決済の利用が増えている価格帯として、500円超~5,000円以下が非常に多くなっています。
ひと口にカフェといってもいろいろなお店がありますが、500円~5,000円という価格帯は、カフェにとっての中心価格帯です。こういったデータから、カフェとキャッシュレス決済の親和性は基本的に高いものと考えられ、今後利用者がさらに増えていくものと考えられます。
出典:外食に関する消費者調査結果|日本政策金融公庫
出典:コロナ禍での生活者のキャッシュレス意識に関する調査|電通
2カフェ・喫茶店がキャッシュレス決済を導入する4つのメリット
カフェ・喫茶店がキャッシュレス決済を導入することで、お店側にとってどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
2-1.お会計がスピーディになってトラブルも減る
キャッシュレス決済のお会計は、現金の受け渡し作業がなくなるためスピーディです。釣り銭の間違いも起こらなくなるので、お会計のトラブルでお客様の信頼を損なってしまう可能性も少なくなります。
現金決済が減れば、釣り銭用の現金を用意するために銀行に出向く回数が少なくなりますし、営業終了後に行うレジ締め作業もスムーズになります。少人数で切り盛りしていることの多いカフェでは、こうしたメリットによる恩恵は大きいはずです。
2-2.キャッシュレス決済派のお客様も来店してくれる
キャッシュレス決済が利用できるお店なら、キャッシュレス決済が利用できないことを理由に、お店選びの対象から外されてしまうことがなくなります。キャッシュレス決済派のお客様から歓迎されますし、キャッシュレス決済の利用率が高い外国人観光客も利用しやすくなります。
また、朝、出勤前にコーヒーをテイクアウトするお客様が多いお店が電子マネー決済(IC決済)を導入すれば、コンビニのコーヒーではなく、カフェのコーヒーを選ぶお客様も増えるかもしれません。
また、キャッシュレス決済を導入したら、利用できる決済方法を店頭に掲示するのも重要です。キャッシュレス決済が利用できることがわかれば、現金をあまり持ち歩かない人でも、フラッと立ち寄りやすくなります。
2-3.現金に触れずに衛生的にお会計ができる
現金は多くの人の手に触れて流通するため、カフェなどの飲食店では衛生面に注意を払う必要がありますが、キャッシュレス決済を導入することで現金に触れる機会が少なくなり、衛生面のリスクを減らせます。
さらに、電子マネー決済(IC決済)や、コード決済(QRコード・バーコード)では、お客様のカードやスマートフォンと、お店の決済用端末が接触せずにお会計が可能です。たくさんのお客様が訪れるカフェほど、得られるメリットは大きくなります。
2-4.お店に置いておく現金が少なくなり防犯対策になる
キャッシュレス決済の利用者が増えると、現金の取扱量が少なくなります。お店に保管しておく売上金も、銀行に入金するために持ち出す額も少なくなりますから、防犯対策としても有効です。
多額の売上金を店舗に保管している場合、空き巣など盗難に遭った際の被害が大きくなります。そういった面でも、現金を減らせるキャッシュレス決済にはメリットがあるのです。
3カフェ・喫茶店にはどのキャッシュレス決済を導入するとよい?
キャッシュレス決済には、大きく分けて「クレジットカード決済」「電子マネー決済(IC決済)」「コード決済(QRコード・バーコード)」の3つの決済方法があります。
どれを導入するかは、お店の価格帯(客単価)や、客層によって変わりますが、カフェでもっとも多いであろう、500円~5000円前後の支払いでは、電子マネー決済(IC決済)やコード決済(QRコード・バーコード)が多く使われます。
そして、元々保有率の高いクレジットカードも無視できません。コンビニなどを中心に少額決済でクレジットカードを利用するケースは増えていますし、外国人観光客もクレジットカードを利用します。
まず、保有率の高いクレジットカードに対応した上で、交通系電子マネーかコード決済(QRコード・バーコード)を導入すれば、多くのお客様のキャッシュレス決済需要に対応できるものと考えられます。
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