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飲食業界のDXとは?コロナ禍で注目された理由と未来の展望

新型コロナウイルスの流行により、人々の生活は大きく変わりました。飲食業界では、酒類の提供の制限や、営業時間の短縮が必要になり、店舗に足を運ぶお客様が減りましたが、その中で、新たなサービスやビジネスモデルも生まれ始めています。

この記事では、「DXとは何か」といった基本や、コロナ禍で飲食業界のDXに注目が集まった理由、さらに、飲食業界におけるDX推進によって起こることを具体的に解説していきます。

1DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、デジタル技術によって、ビジネスそのもののあり方を変革させようとする概念を指します。日本では、経済産業省が以下のように定義づけています。

DXの定義(経済産業省)

企業がビジネス環境の激しい変化に対し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

出典:「DX 推進指標」とそのガイダンス|経済産業省

ここで気をつけたいのは、「DX推進」と「業務のデジタル化」は似て非なるものであることです。例えば、今まで紙で管理していたものをパソコンで管理するのは、業務のデジタル化です。DXを推進する中で、様々な業務をデジタル化する必要があるのは確かですが、DX推進の目的はビジネスモデルの変革にあり、デジタル化そのものが目的ではありません。

2コロナ禍の飲食業界で注目を集めた2つのDX

コロナ禍でDXが注目された理由はどのようなものだったのでしょうか。ここでは、代表的な2つの例をご紹介します。

2-1.感染症対策として非接触決済・非接触オーダーが浸透した

新型コロナウイルス感染症対策として、非接触決済、つまり「キャッシュレス決済」に注目が集まりました。現金は多くの人の手に触れながら流通しますが、キャッシュレス決済であれば、ICカードや個人の所有するスマートフォンで決済ができ、感染症のリスクを低減できます。また、レジ前でお客様と店員が向き合う時間を減らせるため、より安全と判断されたのです。

また、お客様と店員の接触を減らす試みとして、お客様のスマートフォンを利用したオーダーシステムの普及も進みました。店舗が用意したタブレット端末によるオーダーシステムは大手チェーン店を中心に導入例がありましたが、お客様のスマートフォンを利用したオーダーシステムは、新型コロナウイルス感染症が流行する以前では、ほとんど使われていませんでした。

これらのシステムの中には、導入コストや、毎月の維持コストがリーズナブルなものも登場しており、個人店での導入も現実的になっています。お客様のスマートフォン上でお会計できるものも登場しているので、レジ業務の省人化というメリットも飲食店にもたらします。

2-2.客足減少への対策としてフードデリバリーサービスが浸透した

新型コロナウイルス感染症が流行する以前から、出前館やUberEatsといったフードデリバリーサービスは徐々に浸透していましたが、ウィズコロナの時代となり、一気に利用者と加盟店が増えました。

フードデリバリーサービスは、それまで自店舗のスタッフが出前を行っていた仕組みを転換し、「お店」と「配達する人」を完全に分け、注文を受付けるためのシステムも請け負いました。

これらの仕組みにより、お店は出前のためのスタッフを雇う必要がなくなり、ウェブで注文を受けるためのシステムを自前で用意する必要もなくなりました。出前の注文が入ったときだけ手数料を払えばよくなり、低コスト・低リスクでデリバリーにチャレンジできるようになったのです。

その結果、飲食業界に新たなビジネスモデルが生まれました。代表的な例として、ひとつの厨房でいくつもの店舗の看板を掲げる「ゴーストレストラン」があります。これらは、デジタル技術なくしては実現しなかったことといえ、飲食業界におけるDXのわかりやすい事例といえるでしょう。

3飲食業界のDX推進で可能になることとは

飲食業界でDXを推進すると、具体的にどのようなことができるのでしょうか。ここでは5つの具体的な可能性を挙げて解説していきます。

3-1.AIによる来客予測でフードロスを大幅削減、仕入れも無駄なくできる

AI(人工知能)を利用した来客予測を行うことで、フードロスを減らすことができます。すでに利用されているシステムでは、過去の売上データや、気象状況、曜日、近隣の宿泊施設の予約情報など、来客人数と相関性の高い12項目のデータを元に来客人数を予測し、約9割の的中率があるといいます。

三重県のある食堂で使用した例では、このシステムの導入によりフードロスを実に8割も削減できたといいます。今まで、仕入れの勘と経験、そして度胸に頼らざるを得なかった部分ですが、こうしたシステムを利用することで、客観的なデータで経営できるようになるため、食材の仕入れにも無駄なお金を使わずに済みます。

このシステムは、まだ個人店舗に導入するには高額な価格設定となっていますが、今後普及が進むことで、低価格や類似サービスの登場も考えられます。小規模店舗が気軽に導入できる日もそう遠くないかもしれません。

3-2.AIでの来客予測を活かした人員配置の最適化、従業員の満足度向上

AIによる来客予測システムは、適切な人員配置にも役立ちます。曜日やイベントなどを鑑みた来客人数の予測を立てることで、人手が足りずにお客様に迷惑をかけたり、人手が多すぎて暇を持て余したりすることがなくなります。また、時間帯別の来客予測を行えば、空いている時間に配るためのチラシを事前に用意することもできるでしょう。

また、人員配置の最適化は、従業員の待遇改善にも繋がります。総務省の調査によれば、飲食業界で働く人の収入は、他の業種に比べて低い状況が続いています。来客予測AIをフル活用すれば、無駄な食材や無駄な人件費にコストを割く必要がなくなるため、経営の効率化が可能になり、従業員の待遇を改善できる可能性があります。早い段階で待遇を改善できれば、今後起こると考えられている飲食業界の人員不足の中でも、働き手を確保できるはずです。

出典: 産業別常用労働者1人平均月間現金給与額|総務省

3-3.映像解析によりすべての来客者の年齢や性別をデータ化できる

POS(販売時点情報管理)システムを搭載したレジがあれば、会計時にお客様の年齢や性別を入力して一定のデータを収集することができますが、全員のデータは収集できません。しかし、カメラで撮影した映像をAIで解析すれば、お客様全員の年齢や性別をデータ化できます。

POSレジでは、年齢や性別を複数入力することができないため、もっとも近い年齢・性別を入力することになりますが、映像解析であれば、4人グループや10人グループでも、カメラに写った全員の年齢や性別をデータ化できます。そのため、実態に限りなく近いデータを収集できるようになり、商品開発にも役立ちます。

3-4.オーダーと決済をスマートフォンで完結、フロア業務を削減できる

ウィズコロナの時代において、すでに導入され始めているのが、お客様のスマートフォンを使ったオーダーシステムです。お客様が座席番号に紐付いたQRコードを読み込むことで、お店のメニューが掲載された専用サイトへアクセスでき、そこからオーダーができます。

導入のきっかけはお客様と店員の接触を減らしてウイルス感染を抑えるためでしたが、店員がオーダーを取りに行く業務が必要なくなるため、業務の効率化にも役立ちします。また、こうしたシステムの多くは、そのままスマートフォン上で決済できるものが多いため、レジ業務が削減できる可能性があり、フロア業務を大幅に単純化できます。

お客様も、テーブルごとの会計ではなく、個人での会計が可能になるため、レジで別会計を申し出たり、後から割り勘の計算をしたりする手間が省けます。テーブルでまとめて会計したいときは、会計をする人のスマートフォンからオーダーすればよいだけなので、あまり不便には感じないはずです。

これらのシステムは、飲食店側が専用のタブレット端末やオーダーシステムを用意する必要がなく、アプリなどで手軽に導入できます。導入のハードルが非常に低いため、個人店でも導入しやすくなっています。

3-5.メニューのデジタル化でダイナミックプライシングが可能になる

ダイナミックプライシング(Dynamic Pricing)とは、商品やサービスの価格を需要と供給の状況に応じて変動させることで、「変動料金制」とも呼ばれます。

例えば、居酒屋は金曜日の夜が特に混雑します。一方で、週の前半や、比較的早い時間帯は比較的空いています。そんなときに、空いている曜日や時間帯の価格を安くして、混雑している時間帯は通常価格にするダイナミックプライシングを行えば、曜日や時間帯による混雑具合の差をコントロールできるようになります。過度な混雑は、料理の提供スピードの低下や、フロアスタッフのサービス低下に繋がり、お客様、店員の双方にとって負担になりますから、非常に有用な試みになるはずです。

ダイナミックプライシングは、印刷されたメニューではなく、完全にデジタル化されたメニューを導入することで実現できます。この仕組みと会員制度を紐付けることができれば、常連客に対して割引を行うなど、価格のパーソナライズや、来客回数に応じた裏メニューの提供も可能になるため、新たなビジネスチャンスもありそうです。

4小規模店舗におけるDXへの道のり

DXの推進は、飲食店の経営そのものを変革させる可能性を秘めています。ただ、システムとしてパッケージで販売されているものはまだ少なく、新規に開発したり、コストと手間暇をかけて最適化したりしなくてはいけないケースが多いのも実情です。

そんなときに、まず手始めとして導入をおすすめしたいのは、キャッシュレス決済と、売上傾向を掴めるデータ収集機能を備えたレジです。

4-1.ステップ1:キャッシュレス決済の導入

DX推進の最初の一歩としておすすめしたいのが、キャッシュレス決済の導入です。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などの利用者が増えるほど、現金を手で数えなくても売上をデータ化できるようになります。また、収集したデータは、いずれ本格的にDXを導入したときに役立ちます。

カシオが提供するキャッシュレス決済端末は、カシオのレジ本体と連動できるので、金額の2度打ちの必要がありません。また、主要な決済方法をフルカバーしているので、お客様のニーズに応じて柔軟な対応を行えます。365日(9時から22時)対応のコールセンターもご用意しているため、万が一営業中にトラブルが起こっても、すぐに対応できます。

4-2.ステップ2:店舗売上の数値化と、データ分析による売上・粗利の管理

キャッシュレス決済を導入する際、同時に、売上分析が可能な高機能なレジ端末を導入することをおすすめします。どのメニューが、いつ、どのくらい注文されたかをデータとして可視化できるようになり、人気メニューの把握や注文数の予測を立てられるようになります。

カシオの「ブルレジ」では、レジとスマートフォンをBluetoothで接続し、「CASIO ECR+」(無料アプリ)による売上データの管理が可能です。売上は、週次・月次・年次単位でグラフ化でき、直感的に人気メニューなどの傾向がわかります。

さらに、「CASIO ECR+Premium」(有料サービス)を使えば、以下のような、より高度な売上管理・粗利管理も可能になります。

  • 人気/不人気メニューの把握により、メニュー見直しの参考に
  • 時間帯、曜日別などの傾向把握による、販促施策や従業員のシフトの検討
  • 売上と仕入れの自動集計による、粗利状況の確認

データを収集し、多角的に分析することは、売上をアップさせるために有効なばかりでなく、蓄積したデータはお店の財産にもなります。

キャッシュレス決済による売上集計の省力化や、高機能なレジによるデータ分析は、DXへの入口ともいえるものです。データを収集しておけば、いずれ本格的なDXを導入したときにも役立ちますから、早い段階での導入をおすすめします。

2021年10月

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