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飲食店を開業するための「営業許可」とは?取得までの手順や必要な届出を徹底解説

飲食店を開業する際は、やるべきことがたくさんあります。物件探しや内装工事、スタッフの募集なども重要ですが、絶対に欠かせないのが「営業許可」の取得です。

営業許可の取得には、保健所への申請と検査の合格が必要です。開業予定日に間に合うよう、オープンの1ヶ月〜2ヶ月前には動き始める必要があります。

このコラムでは、営業許可取得に向けて知っておきたい基礎知識をまとめて紹介します。取得までの手順や必要な届出、かかる日数や費用についても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

1飲食店の開業には「営業許可」が必須

飲食店の開業には、保健所の営業許可が必須です。そしてこの営業許可の取得には、「食品衛生責任者の設置」「営業許可証の取得」が必要です。ひとつずつ詳しく解説していきます。

1-1.食品衛生責任者の設置

食品衛生責任者は、店舗の食品衛生管理を担う専門家のことです。日ごろから店舗の衛生に気を配り、法令違反がないか注意したり、従業員を教育したりします。食材の保管法や調理法の確認、従業員の健康管理や清掃のチェックなども食品衛生責任者も仕事の一部です。

衛生管理が不十分だと、食中毒が発生し、飲食店が営業停止に追い込まれることがあります。このような問題を未然に防ぐために、1店舗につき最低1人の食品衛生責任者の設置が義務付けられているのです。

食品衛生責任者は、基本的に店舗に常駐しているスタッフが担います。経営者が担う必要はありませんが、オーナーが食品衛生責任者を務めているケースもあります。飲食店の経営者であれば、持っておいて損はない資格です。

食品衛生責任者として認められるには、「食品衛生責任者養成講習会」の受講が必要です。1日がかりの講習で、料金は地域によって異なりますが、だいたい10,000円ほどです。各都道府県の食品衛生協会で実施しているので、日程や申し込み方法は最寄りの自治体のウェブサイトなどで確認しましょう。

講習では、衛生法規、公衆衛生学、食品衛生学を学び、最後にテストを行います。このテストに合格すれば、晴れて食品衛生責任者です。「食品衛生責任者手帳」が交付されますので、大切に保管しましょう。

なお、以下の資格を持っている方は食品衛生責任者養成講習が免除されます。

  • 栄養士
  • 調理師
  • 製菓衛生師
  • 食鳥処理衛生管理者
  • 畜場法に規定する衛生管理責任者もしくは作業衛生責任者
  • 船舶料理士
  • 食品衛生管理者の有資格者(医師・獣医師・歯科医師・薬剤師または、学校教育法に基づく大学で、医学・歯学・薬学・獣医学・畜産学・水産学・農芸化学の課程を修めて卒業した者)

上記に当てはまる人は、保健所への申請だけで食品衛生責任者として認められます。

出典:食品衛生責任者について|一般社団法人東京都食品衛生協会

1-2.営業許可証の取得

もうひとつ重要なのが、「営業許可証の取得」です。店舗の業務形態や提供する料理の種類によって取得すべき営業許可が変わってくるので、どれに当てはまるかを、あらかじめ確認しましょう。

おもに飲食店経営に関わる営業許可を以下に記します。

・飲食店営業
食材を調理し、または設備を設けてお客様に飲食させる営業のこと。
例:一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフェー、バー、キャバレー、その他食品

・喫茶店営業
喫茶店、サロンその他設備を設けて、酒類以外の飲物または茶菓をお客様に飲食させる営業のこと。

・そうざい製造業
通常副食物として提供される料理を製造する営業のこと。ただし食肉製品製造業、魚肉ねり製品製造業、豆腐製造業は除外される。
例:煮物(つくだ煮を含む)、焼物、いため物、揚物、蒸し物、酢の物、あえ物

ほとんどの飲食店は「飲食店営業」に当てはまるはずです。ただ、テイクアウトを行う場合は「そうざい製造業」が必要になり、深夜0時〜6時にお酒を提供する場合は「深夜酒類提供飲食店営業開始届」が必要となります。

他にも、提供物によって別の営業許可が必要になることは十分あり得ます。不明な点がある場合は、保健所に確認しましょう。

営業許可書の取得には、保健所への申請と検査の合格が必要です。開業予定日に間に合うように、余裕をもった申請を心がけてください。

出典:営業許可種類一覧|東京都福祉保健局

2営業許可取得までの手順

次に、営業許可取得のための手順を解説します。

2-1.保健所に事前相談する

営業許可取得に向けて、まずは保健所に事前相談をします。自店舗が保健所の施設基準を満たしているか、基準を満たしていない場合はどのように改善すればよいかなどを教えてもらえるので、効率よく開業準備が進められます。

他にも、営業許可取得までの期間や、営業許可以外にも必要となる許可・資格なども教えてもらえます。相談の際は、物件の平面図や内装工事の設計図を持参すると話がスムーズに進むでしょう。

保健所への事前相談は、必ず店舗の工事が始まる前に行きましょう。もし工事が完了してから不備が発覚すると、工事をやり直さなければいけません。工事が始まる前なら、保健所の指摘に合わせて内装や設備を変更できます。店舗の設計図が完成し、内装が決まった頃に相談に行くことをおすすめします。

2-2.営業許可の申請を行う

事前相談を終え、検査合格の見通しがついたら、営業許可の申請を行います。必要な書類をそろえ、保健所で申請手続きをしましょう。必要な届出については後で詳しく紹介します。

申請時期は、その地域によって異なります。工事完了予定日の10日前までと指定している場所もあれば、検査希望日の2週間前、オープン予定日の2週間前というところもあります。目安がわからない場合は、管轄の保健所に確認しましょう。

2-3.保健所による施設検査

提出した書類に問題がなければ、次は施設検査にうつります。施設検査とは、保健所の担当者が店舗へ出向いて、設備や内装のチェックを行うことです。だいたい申請から数日~数週間後に実施されます。

施設検査では、店舗が保健所が定めた基準を満たしているかを細かくチェックされます。調理室の設備の置き方や食器棚の扉の有無、調理区画と客席区画の明確化などがよく指摘されているようです。他にも、冷蔵庫・冷凍庫の温度計の有無、照明の明るさやトイレの位置も注意すべきポイントです。

2-4.営業許可書の交付

無事検査に合格できれば、「営業許可証」が交付されます。交付方法は窓口での受け取りもしくは郵送がほとんどですが、その地域によって異なります。事前相談や検査の際に確認しておくとよいでしょう。

営業許可証が交付されたら、いよいよ飲食店を開業できます。営業許可証は店舗の見やすい場所に掲示する必要があります。入口近くやレジの壁など、お客様からよく見える場所に掲示しておきましょう。

2-5.営業許可証は更新が必要

営業許可証は定期的な更新が必要です。更新しないまま営業を続けるのは違法となるため、十分注意しましょう。

飲食店営業許可証の有効期限は、一般的に5〜8年ほどです。許可証の下に記載されている有効期間の10日前までに申請が必要です。更新手続きに時間がかかる場合もありますので、余裕をもって申請しましょう。

営業許可証の更新に必要なものは、現在の営業許可証と許可証申請手数料です。2つを持参し、管轄の保健所の窓口に提出します。食中毒警報が出る6〜11月ごろは、すぐに対応してもらえない可能性があるので、早めに申請しましょう。

3営業許可取得に必要な届出・日数・費用

営業許可を取得するためには、何種類かの書類を用意する必要があり、費用も発生します。また、許可が即日で下りることはなく、余裕を持った対応が必要になります。

3-1.営業許可取得に必要な届出

営業許可申請に必要な書類は以下の7つです。店舗によっては不要な書類もありますので、あらかじめ管轄の保健所に確認しておくと安心です。

①飲食店営業許可申請書
用紙は保健所の窓口やホームページから入手できます。記載されている書き方通りに、必要事項を記入しましょう。

②食品衛生責任者の資格を証明する書類
「食品衛生責任者手帳」が該当します。原本を用意しておきましょう。

③場所の見取り図
店舗の所在地の見取り図を作成します。だいたいの場所がわかれば大丈夫なので、最寄り駅や近隣の建物などをおおまかに記入します。

④営業設備の大要・配置図
記入方法に従って、店舗の設備などを詳しく記入しましょう。用紙は保健所の窓口やホームページから入手できます。

⑤内装の配置の平面図
内装(入り口、調理室、客席、トイレの配置など)を平面図で記入します。工事図面などを参考にしましょう。自力での作成が難しい場合は、内装業者への依頼も可能です。

⑥水質検査成績書(貯水槽・井戸水を利用する場合)
貯水槽の水や井戸水を利用する場合に必要な届出です。ビル内のテナントで店舗をオープンする場合は、ほとんどのケースでビル内共用の貯水槽の水を使用するため、届出が必要です。ビルの管理会社やオーナーに問い合わせて書類を入手しましょう。

⑦登記事項証明書(法人が申請する場合)
法人として事業を行う場合にのみ必要な届出です。個人事業主の場合は必要ありません。

登記事項証明書は、法務局や役所の窓口で入手できます。入手したら、目的の欄に「飲食店の経営」の記載があるかを確認してください。記載がなくても許可されることもありますが、別の事業から飲食業に事業内容を変更したときなどは注意が必要です。念のため保健所に相談しておくと安心でしょう。

3-2.営業許可取得にかかる日数

営業許可の申請から取得までは、2〜3週間ほどかかります。取得を早めたい場合は、ひとつひとつのステップを効率的にこなすことが大切です。

例えば、工事のやり直しや施設の改善をしなくてもすむように、事前に保健所で相談をしたり、書類を不備なく用意・作成できるように下調べをしておいたりしましょう。また、すぐ施設検査に来てもらえるように、早めに日程調整をしておくことも大切です。

3-3.営業許可取得にかかる費用

飲食店の営業許可取得には申請料がかかります。飲食店の業務形態や地域によって異なりますが、だいたい16,000〜19,000円ほどです。詳細な料金は管轄の保健所に確認しておきましょう。

4まとめ

飲食店を開業するには「食品衛生責任者の設置」「営業許可証の取得」が必要です。

食品衛生責任者の資格は、講習会を受ければ取得可能です。営業許可証の取得には、管轄の保健所への申請と検査の合格が必要です。地域によってローカルルールがあることも多いので、まずは保健所に事前相談に行きましょう。

営業許可の取得には様々な手順や届出が必要ですが、前もって知っておけば落ち着いて対処できますよ。ぜひこのコラムを参考にして、スムーズに飲食店を開業させましょう。

2022年9月

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