店舗運営応援コラム
脱プラスチックが必要な理由は? 日本の現状と取り組み事例などをご紹介
2020年7月1日から全国的にレジ袋の有料化が開始。続く2022年4月1日から「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行され、ますます注目を浴びている「脱プラスチック」の考え方。このページでは、なぜ今「脱プラスチック」が必要なのかを、日本の現状を踏まえてご紹介します。
1脱プラスチックが必要な理由
私たちの身の回りには、さまざまなプラスチック製品が溢れています。しかし、そもそもプラスチックとは一体どのようなものなのでしょうか?
プラスチックとは、簡単にいえば、合成樹脂でつくられた素材の総称です。そのため、実はポリエステルやナイロン、アクリルもプラスチックに分類されます。
プラスチックは軽くて丈夫な上、熱や圧力によって容易に変形することからあらゆる場面で重宝されてきました。しかし近年では、そんなプラスチックを「なるべく使わないようにしよう」という考え方が広まりはじめています。その理由をみていきましょう。
1-1.海洋プラスチック問題
世界中から「毎年約800万トン」という途方もない量のプラスチックごみが海に流出していると推定されていることをご存知でしょうか?
これが1つの原因となり、クジラが死んだ事例もあるほどで、2050年には、海に流出したプラスチックごみの量が魚の量を上回るかもしれないとの試算もあるほどなのです。
また、海に流れたプラスチックごみは紫外線を浴びることで劣化し、波の力によって5mm以下にまで小さく砕かれた「マイクロプラスチック」になりやすい特徴があります。そしてプラスチックは、海中の有害な物質をくっつける力が強いという厄介な性質をもっているのです。
これを魚がエサと間違えて食べ、その魚を私たちが食べ…といった食物連鎖によって、人体に何らかの影響が出る可能性も否定できません。
実際にWWF(世界自然保護基金)の委託を受けてオーストラリアのニューキャッスル大学が行なった調査によると、人々は1週間当たり平均5gのプラスチックを摂取している可能性があるそうです。これはクレジットカード1枚分に相当します。
出典:死んだクジラ、胃に40キロ分のプラスチック|BBC
出典:令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書|環境省
出典:PLASTIC INGESTION BY PEOPLE COULD BE EQUATING TO A CREDIT CARD A WEEK|WWFオーストラリア
このように海洋プラスチック問題は海の生き物はもちろん、私たちの健康を害するおそれもあります。そのため、世界的に「脱プラスチック」の動きが加速しているのです。
1-2.燃やす際に二酸化炭素(CO2)が発生する
海洋プラスチック問題だけにフォーカスすると、海に流出しないように焼却すればよいのでは? と考える人もいるかもしれません。しかしプラスチックのほとんどは石油からつくられています。そのため、燃やす際に二酸化炭素(CO2)が発生します。
二酸化炭素(CO2)は「温室効果ガス」の1つです。本来は地球を暖かく保ち、生物が住みやすい環境をつくる役割を果たします。その一方で増えすぎると気温が上昇したり、気候が変動したりする「地球温暖化」を招きます。
そのため海に流出するものも含め、プラスチックごみの量を減らすことが大切になるのです。
出典:地球温暖化とは?温暖化の原因と仕組みを解説|WWFジャパン
2日本の現状
大きくいえば環境保全の点から、世界的に広がりはじめた「脱プラスチック」の考え方ですが、一方で、国内でも具体的な取り組みが行われています。ここからは日本の現状についてみていきましょう。
2-1.実は日本は「プラスチックごみ大国」だった
UNEP(国連環境計画)が2018年に発表した報告書『SINGLE-USE PLASTICS A Roadmap for Sustainability』によると、なんと日本の人口1人当たりのプラスチック包装容器の廃棄量は、アメリカに次いで多いことがわかっています。
アメリカの人口は約3億3千人、日本の人口は約1億2千人ということから考えると、日本は隠れたプラスチックごみ大国だったといえそうです。
また日本は、国内で回収したプラスチックごみを海外に輸出し処理してきました。輸出先は、かつては中国、現在はマレーシアや台湾、ベトナムなどの東南アジア諸国です。
しかし、これらの国に輸出されたプラスチックごみの一部は適切に処理されず、環境に負荷をかけているとの指摘があり、2019年にバーゼル条約(有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約)が改定されました。それにより、2021年1月1日からは、プラスチックの廃棄物を輸出する際に、あらかじめ輸入国の同意を得なければならなくなりました。
プラスチックごみの輸出が全面的に禁止になったわけではありませんが、日本全体として、プラスチックごみの排出量を減らすことが求められています。
出典:SINGLE-USE PLASTICS A Roadmap for Sustainability|UNEP
出典:2019年の日本の廃プラ輸出量は90万トン、100万トン割れは2004年以来|JETRO
出典:バーゼル条約・バーゼル法|経済産業省
2-2.これからは「プラスチックの資源循環」を目指す
そこで日本政府は海洋プラスチック問題や気候変動問題、諸外国の廃棄物の輸入規制強化などの課題に対応するために、2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定しました。
そして2022年4月1日より「3R+Renewable」を基本原則とした「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されました。
「3R+Renewable」とはReduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)にRenewable(リニューアブル)を加えたもの。再生利用可能なバイオマスプラスチックを導入しプラスチックの資源循環を加速させるとともに、循環型社会への移行を目指しています。
出典:「プラスチック資源循環戦略」について|環境省
出典:プラスチック資源循環|環境省
3脱プラスチックに向けた取り組み事例
では、国内外で大きな広がりをみせている「脱プラスチック」に向けて、小売店や飲食店を営む方々は、どのような取り組みを行えばよいのでしょうか?
すぐに取り組めることのひとつが、商品の包装の見直しです。例えば飲食店では、テイクアウトメニューを提供するときにプラスチック容器や、プラスチックストローを使わないことが挙げられます。
また個人単位では、マイボトルを持ち歩くことも有効です。ペットボトルを購入する回数を減らせるので、結果としてプラスチックごみの削減に貢献できます。もちろんレジ袋の代わりに、エコバックを使用することも大切です。
なお、環境省では、プラスチックと賢く付き合っていくために「プラスチック・スマート」なるキャンペーンを行なっています。これは団体・個人でできる「脱プラスチック」に向けた取り組みを推進するもの。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
出典:プラスチック・スマート|環境省
4まとめ
このページでは「脱プラスチック」が必要な理由を、海洋プラスチック問題や気候変動問題、日本の現状から解説してきました。
海洋プラスチック問題や気候変動問題ときくと、スケールが大きくて分からない……と思われるかもしれません。が、実際は私たち1人ひとりのちょっとした心がけが、プラスチックごみの削減につながるはずです。
これをきっかけに、あなたのお店のレジ袋や包装、テイクアウト容器などを見直してみてはいかがでしょうか。
2023年5月
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