店舗運営応援コラム
SDGsを意識した店舗運営とは?
2015年にニューヨークの国連本部で開催された国連サミットで採択され、さまざまな媒体で頻繁に取り上げられるようになった「SDGs」。しかし、そもそもSDGsって? どんなことをすればいいの? と悩まれている飲食店経営者の方もいらっしゃることでしょう。
そこで本コラムでは、SDGsを意識した店舗運営について詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
1そもそもSDGsって?
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2030年までに地球上の「誰一人取り残さない」、持続可能かつ、よりよい世界の実現を目指す国際的な目標のことです。
具体的には、次の17のゴールに向かって、貧困や飢餓、人権、環境といった種々の問題を「世界をあげて解決していこう!」と呼びかけています。
【SDGsの17のゴール】
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
2飲食業界におけるSDGsの取り組み状況
2022年の日本のSDGsの達成度は163か国中19位となっており、アジアではトップを誇っています。では業界ごとの達成度はどれくらいなのでしょうか?
株式会社帝国データバンクが行った調査によると、飲食店を含むサービス業界は半数以上がSDGsに「取り組んでいない」と回答しています。また、エヌエヌ生命保険株式会社が中小企業を対象に行った調査では、なんと56.5%もの飲食店が「SDGsに関する施策に取り組んでいない」理由として、「何をしていいかわからないから」と回答しています。
先ほどのとおり、日本全体としてはSDGsへの興味・関心が高いことがうかがえますが、その一方で、飲食店を経営されている方々の中には「どうすればSDGsに貢献できるの?」と悩まれている方も多い状況のようです。
出典:SDGs に関する企業の意識調査(2021年)|株式会社帝国データバンク
出典:【業種別】全国の中小企業におけるSDGsへの取り組みに関する調査|エヌエヌ生命保険株式会社
出典:Rankings|Sustainable Development Report
3飲食店が取り組めるSDGsの代表例
3-1.食べ残し(食品ロス)を減らす
食べ残し(食品ロス)を減らすことは、SDGsの17のゴールのうち「12.つくる責任つかう責任」に該当します。実は「12.つくる責任つかう責任」の中には1〜8およびa〜cの11のターゲットが定められているのですが、食べ残し(食品ロス)を減らすことはターゲット12-3の「一人当たりの食料の廃棄を半減させる」ことに当てはまります。
そもそも食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことを指します。農林水産省によれば、日本では1年間に約612万トンもの食品ロスが発生しているそう。これを国民1人当たりに換算すると、1日にお茶碗1杯ぶんの食べ物を捨てていることになります。
そして約612万トンもの食品ロスのうち、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの売れ残り、飲食店の食べ残しなどの事業系食品ロスは328万トンにのぼります。もちろん家庭系食品ロスも284万トンあるため、一概にはいえませんが、事業系食品ロスを減らせればSDGsに大きく貢献できるはずです。
出典:食品ロスの現状を知る|農林水産省
飲食店における食べ残しを減らすには、お客様の性別や年齢、嗜好に応じた工夫も必要です。例えば宴会など大量の食事を準備するときは、幹事さんに男女比を確認したり、メニューを相談したりするとよいでしょう。提供した食事をすべて食べられたらサービス券やクーポン券を配り、「食べきる」ことにインセンティブを持たせるのも1つの方法です。
それでも食べ残しが発生してしまいそうなときは、お客様に食中毒のリスクを十分に理解してもらった上で「持ち帰り」を許可してもよいかもしれません。ただし、加熱されていない刺身などは、お客様から要望があっても持ち帰りに応じないようにしましょう。
ちなみに環境省のホームページには、飲食店が食べ残し対策に取り組む際の留意事項が掲載されていますので、ぜひご一読ください。
出典:飲食店等における「食べ残し」対策に取り組むに当たっての留意事項について|環境省
3-2.プラスチックごみを減らす
プラスチックごみを減らすことは、「14.海の豊かさを守ろう」のターゲット14-1の「海洋ごみ」に代表される「人間の活動による汚染」を含む「あらゆる海の汚染を防ぎ、大きく減らす」ことに該当します。
1年間に世界中で捨てられるプラスチックごみの量は、なんと毎年約800万トンにも及びます。そして環境省の試算によれば、2050年には海に捨てられたプラスチックごみの量が魚の量を上回る可能性があるとされています。
出典:令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書|環境省
それなら陸上で燃やして処理してしまえばよいのでは? と思われる方もいるかもしれません。しかし、ほとんどのプラスチックは石油からつくられています。そのため、燃やすと二酸化炭素(CO2)が発生します。
ご存知のとおり二酸化炭素(CO2)は温室効果ガスの一種です。本来は地球を暖かく保ったり、生物が住みやすい環境をつくったりする役割がありますが、増えすぎると気温が上昇し、気候変動を招きかねません。
ちなみにSDGsの17のゴールには、「13.気候変動に具体的な対策を」もありますから、海と陸の両方で捨てられるプラスチックごみの量を減らすことは、SDGsに大きく寄与することになります。
もっとも簡単にはじめられる取り組みといえば、やはり紙やバイオマスプラスチックでつくられたテイクアウト容器やストローを採用することではないでしょうか? もちろんレジ袋を有料化することで、エコバックの利用を促すのも1つの手。また、プラスチックのカトラリーの提供を辞退されたお客様にポイントを還元するなど、「プラスチック製品の使用を控える」ことにメリットがあると印象づけるのもよいかもしれません。
3-3.フェアトレード食品を使う
フェアトレード食品を使うこともSDGsにつながります。
そもそもフェアトレードとは、主に発展途上国で生産された食品を適切な価格で買い取り、生産者や労働者の収入を安定させることで、「彼らの生活の改善を図ろう!」とする運動のことです。フェアトレード運動が起きる前は、いかに安く買い叩けるかに夢中になった仲買人たちが、生産者や労働者を搾取し、発展途上国の貧困に拍車をかけていた…という背景があります。
ですから私たちが意識的にフェアトレード食品を使うことは、SDGsの17のゴールのうち「1.貧困をなくそう」の役に立ちます。ちなみにフェアトレード食品とは、主に発展途上国で生産されたコーヒやチョコレート、はちみつやバナナ、スパイス類やドライフルーツ類などです。
なお、フェアトレード食品には基本的に「国際フェアトレード認証ラベル」や「フェアトレード団体(FTO)マーク」が掲げられています。フェアトレード食品の見分け方が分からない場合は、これらを参考にしてみてください。
3-4.地産地消のメニューを開発する
さらに、地産地消のメニューを開発することもSDGsの17のゴールのうち「12.つくる責任つかう責任」や「13.気候変動に具体的な対策を」に当てはまります。
地産地消とは読んで字のごとく、地元で生産された農林水産物を地元で消費すること。消費者にとっては身近なところから新鮮な肉や魚、野菜を仕入れられるというメリットがありますし、生産者にとっては出荷にかかるコストを抑えられるというメリットがあります。
また遠方へ出荷しなくてよいぶん、環境にやさしい側面も。例えば、輸送のために大型トラックが高速道路をひた走る…ということもないため、気候変動に多大な影響を与えかねない排気ガスの排出量の削減にも貢献できます。
4まとめ
以上が、飲食店が取り組めるSDGsの一例です。とはいえ、ひとくちに「食べ残し(食品ロス)を減らそう」とか、「プラスチックごみを減らそう」といわれても、ピンとこない方もいるはずです。
そんな方には農林水産省や消費者庁、東京都がまとめている取り組み事例をチェックされることをおすすめします。特に農林水産省のページでは、SDGsの17のゴールが食品産業とどのようにつながるかが詳しく説明されています。ぜひご一読ください。
2023年5月
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