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子供に事業継承するときに気をつけたいこととは?利用できる税制や補助金も紹介

事業を次の経営者へ引継ぐことを事業継承といいます。従業員に継承する方法や、第三者に事業を継承する方法などがありますが、もっとも多いのは経営者の子供を含んだ親族内での継承です。

経営者の子供に事業を継承する場合、いくつかのメリットと無視できないデメリットがあります。また、事業継承後の円滑な経営を考えると、継承時に発生する贈与税や相続税に猶予を与える税制の利用や、設備投資などを対象とした補助金の活用もぜひ考えたいところです。

ここでは、事業継承とはどのようなものか、また子供へ事業を継承する場合のメリット・デメリットなどを解説します。さらに、事業継承に関する税制や補助金、無料で相談ができる公的支援も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1事業継承とは

事業継承とは、経営権や資産、負債などを含めた事業のすべてを、後継者となる次の経営者に引継ぐことをいいます。

事業継承には次の3つの分類があります。

  • 親族内継承(子供を含めた親族への継承)
  • 従業員継承(従業員への継承)
  • M&A(第三者への継承)

この中で、もっとも多く行われているのが親族内継承です。近年は減少傾向にあり、従業員継承と同程度になっていますが、2022年に行われた調査によれば約34%と依然として多くの割合を占めています。

後継者不在による中小企業の廃業は多く、この調査では後継者が「いない」または「未定」と答えた企業は57.2%となりました。それ以前に比べると減少傾向ではあるものの、半数以上の企業が後継者が不在という状況です。

こういった状況を鑑みて、最近では継承したい人とのマッチングサービスも登場しています。そんな中で、事業を引継ぐ子供がいることは幸せなことといえるのかもしれません。

出典:全国企業「後継者不在率」動向調査(2022)|帝国データバンク

2経営者が子供に事業を継承するメリット・デメリット

経営者が子供に事業継承をすることには、いくつかのメリットとデメリットがあります。ここではそれらについて説明し、子供への事業継承のために取り組みたいことも紹介します。

2-1.子供に事業を継承するメリット

経営者が自分の子供に事業を継承することのメリットは、後継者を育成する時間が十分に取れることと、取引先や従業員から理解を得られやすいことです。

子供は経営者である親の仕事をもっとも近くで見られることもあり、じっくり時間をかけた育成が可能です。これは第三者に事業継承するM&Aでは基本的にできないことであり、親族内継承の最大のメリットと考えられます。

すでに従業員の一員であれば、取引先や他の従業員からの理解も得やすいはずです。すでに業務に携わって他の従業員との人間関係ができている状態であれば、継承は比較的スムーズに進むはずです。また、子供が経営者であれば、継承後も事業の状況がわかりやすいといったメリットもあります。

2-2.子供に事業を継承するデメリット

一方、デメリットもあります。例えば、子供に経営者としての資質が不足している場合です。適正は継承する前に一定期間一緒に働き、その中で見極める必要があり、難しいと感じたときは潔く諦めることも必要でしょう。適正のない経営者に無理に引継ぐことで、取引先や従業員との軋轢(あつれき)が生まれ、業績不振になることも考えられます。

また、後継者に選ばれなかった親族とのトラブルもあり得ます。兄弟が何人かいたり、他にも血縁者が働いているケースは十分な注意が必要でしょう。しかし、これらの問題は、5年〜10年単位で後継者の育成を行う、財産の分与などについても早くから話し合いを持つなどすることで、一定解消できるものと考えられます。

2-3.子供に事業を継承する前に取り組みたいこと

子供に事業を継承する際に特に気をつけることは、前述の通り「後継者となる子供に経営者としての適性があるか」ということと、「(兄弟や親族がいる場合に)トラブルにならないか」ということです。

経営者としての適性については、少なくとも5年、できれば10年前から計画を立てて、一緒に働いて見抜くことが重要になるでしょう。そうすることで、取引先や従業員とどのように関係を築いていくかを間近で知れるはずです。また、今まで親がどのような姿勢で経営に取り組んできたかを見せることで、仕事の仕方はもちろんですが、重要な理念も引継げるかもしれません。

また、事業を継承する際は、経営者個人の名義で行っている借入や、株式の移転(株式会社の場合)についても計画的に処理する必要があります。さらに、子供への事業継承は、生前贈与による相続を利用して後継者に資産や株式を集中させることが一般的であることから、後継者となる子供以外の相続人から不満の声が出る場合もあります。相続におけるトラブルを回避するためには、十分な話し合いが必要と考えられ、そういった点でも5年や10年前からの計画と準備が大切になるでしょう。

3事業継承に関わる税制・補助金・公的支援

事業継承を促進するため、継承時の税金が猶予または免除される税制や、事業継承のタイミングで改装や設備投資を行うための補助金が用意されています。また、事業継承の相談ができる公的な支援もあるので紹介します。

3-1.個人版事業承継税制・法人版事業承継税制

事業継承税制とは、子供が親から事業を継承する際に発生する、贈与税や相続性の納税が猶予される税制です。事業形態により、個人版と法人版があります。

個人版では個人事業主の事業のために使われていた土地や建物、その他の減価償却資産などが対象となります。適用を受けるには、後継者が贈与を受ける日まで3年以上事業に従事していること、「経営承継円滑法」の認定を受けていることなど、いくつかの条件がありますが、子供への事業継承を考えているなら、まずは確認したい制度です。

法人版は、次の経営者に事業を継承してすぐに税金が免除されるわけではなく、将来的にその次の経営者にバトンタッチができたときに初めて免除されます。それまではあくまで、猶予が与えられている状態です。

法人版事業承継税制の対象になるためには、先代経営者、後継者ともに、満たす必要にある条件がいくつかあるため、中小企業庁のホームページなどで詳細な確認が必要ですが、会社の将来を考えるとメリットの大きい制度といえます。

出典:個人版事業継承税制の前提となる認定|中小企業庁
出典:事業継承税制(一般措置)の前提となる認定|中小企業庁

3-2.事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業庁が行う、事業継承を促進するための補助金制度です。経営者の高齢化により廃業する事業者が増えたことから、2017年に前進となる制度がスタートしました。

子供への事業継承を含む「親族内継承」に対応しているのは「経営革新事業」で、中小企業だけでなく、個人事業主も対象となります。具体的には、事業を継承するタイミングで、設備投資や店舗・事務所の改築などを行う費用の2/3または1/2が補助されるものとなっており、上限額は600万または800万円です。

経営者の代替わりをきっかけに、老朽化した設備を心機一転リニューアルしたり、デジタル化を進めたりといったケースにおいて、ぜひ活用したい制度です。

出典:事業承継・引継ぎ補助金事務局

3-3.事業承継・引継ぎ支援センター

事業継承に悩んださい、ぜひ活用したいのが事業継承・引継ぎ支援センターです。事業継承に関して悩んでいる経営者の相談を原則無料で受け付けています。

第三者への継承(M&A)だけでなく、親族内への事業継承の相談も受け付けており、この場合は外部専門家による支援を受けられます。実際に支援を受ける場合は費用がかかることもあるため、検討の際はまずは無料相談を行いましょう。

事業承継・引継ぎ支援センターは全国47都道府県にあるため、事業継承についてわからないことがあったら、まずは相談してみるのもひとつの方法です。

出典:事業承継・引継ぎ支援センター

まとめ

親から子供への事業継承は、一緒に働いて仕事を覚えたり、他の従業員や取引先との関係を早くから築けたりといったM&Aにはないメリットがあります。一方で、子供の適正を冷静に見極めたり、親族間トラブルを防ぐために譲渡・相続に関する整理を行ったりする時間が必要なので、早め早めに準備をはじめるとよいでしょう。

また、事業を継承するさいは、事業用資金を少しでも多く確保できるよう税制をよく確認することをおすすめします。必要に応じて、事業承継・引継ぎ支援センターに相談するのもよいでしょう。さらに補助金を活用できれば、継承を契機に事業を拡大することもできるかもしれません。ぜひ、ここで紹介したことを参考に、事業継承の準備を進めてください。

このコラムに掲載している情報は2023年11月5日時点でのものです。また、このコラムで紹介した各制度の詳細については、担当の各省庁、機関、自治体までご確認ください。

2023年11月

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