店舗運営応援コラム
ハッピーアワーの効果とは? 居酒屋など飲食店の集客アップに
ハッピーアワーは、夕方から夜の早い時間にかけて、居酒屋やレストランなどの飲食店が酒類を割引する時間のこと。お店によっては酒類が半額になることから、夕食前や仕事帰りのお得な一杯として近頃人気を集めています。
このハッピーアワー、飲食店にとってはランチとディナーの間の稼働率の低さをカバーする効果が期待でき、居酒屋であればより早い時間から集客できるなどのメリットがあります。一方で利益率が下がる可能性もあり、メニュー構成や価格設定には十分な検討が必要です。
ここでは、ハッピーアワーとはなにか、そのメリットやデメリットを交えつつ、成功させるコツについて紹介します。
1ハッピーアワーとは?
ハッピーアワーとは、レストランやバーなどの飲食店が酒類の割引を行う時間のことです。一般的に、利用者が少ないアイドルタイムに利用客を取り込むことを目的としており、平日の16時から19時頃に実施されます。
元々は、1910年代のアメリカ海軍で、航海中の娯楽時間のことをハッピーアワーと呼んでいたことに由来し、飲食店に登場したのは1960年代からといわれています。日本では酒類の割引を行いますが、ヨーロッパの一部では酒類の割引規制があるため、値段はそのままでおつまみをつけたり、量を倍にしたりといったケースもあります。
2ハッピーアワーのメリット・デメリット
ここでは、ハッピーアワーのメリットとデメリットをみていきます。
2-1.アイドルタイムの集客アップ・業務量の安定
居酒屋やレストランなど、ティータイムをメインにしていない飲食店にとって、ランチ営業とディナー営業の間にあたるアイドルタイムはもっとも来客が少ない時間です。休憩時間に当てるにしても、14時から18時という時間は少々長く、仕込みを行うにしても必要な人数は限られるため、従業員のシフト調整に悩んでいるオーナーもいらっしゃることでしょう。
しかし、お酒が安く飲めるハッピーアワーを導入することで、アイドルタイムにもお客様が入るようになります。売上が増えることはもちろん、全時間を通して客足が安定し、来客数の波が小さくなれば、従業員のシフト調整もしやすくなるでしょう。
2-2.新規顧客の獲得・リピーター増加
ハッピーアワーは、酒類を割引することで新規の顧客をつかみやすくなります。それまで、ランチ営業やディナー営業では訪れなかったタイプのお客様が来店されることも期待され、いろいろな人にお店を知ってもらうよい機会となるでしょう。
このとき、店の外に看板を立てたり、インスタグラムなどのSNSで宣伝したりなどの工夫をすることも大切です。利益率の高い酒類を割引するわけですから、収益率は当然下がってしまいます。しかし、それを一種のプロモーション費用と捉えることで、他の時間帯に近い集客を実現しながら、お店をいろいろな人に知ってもらう施策となるのです。
新しいお客様に来てもらう機会が増えれば、リピーターになってくれる人もそのぶん多くなります。最初はお得なハッピーアワーにだけ訪れていたお客様の中からも、ランチ営業やディナー営業に立ち寄ってくれる人が出てくる期待がもてます。
2-3.客単価が減ってしまう恐れがある
ハッピーアワーにはデメリットもあります。もっとも大きいのは客単価の減少です。単純に酒類を割引するので、その分利益が少なくなります。つまみなどを頼まず、割引された酒類だけをひたすら飲むお客様は多くないと思われますが、注文する料理と酒類の数はお客様によってさまざまですから否定できません。
また、ハッピーアワーに訪れたお客様が、そのまま通常営業の時間になっても食事や飲酒を続けてくれる可能性がある一方で、来店するのはあくまでハッピーアワーだけで、それ以外の時間には来ない人も一定数いると考える必要もあります。
3ハッピーアワーを成功させるコツ
ここでは、ハッピーアワーを成功させるコツについてみていきます。
3-1.対象メニューと価格設定をよく検討しよう
ハッピーアワーを導入すると、先述の通り客単価が減少する恐れがあります。ハッピーアワーに酒類をたくさん飲み、料理もたくさん頼むお客様ばかりではなく、つまみなしで酒類を1~2杯だけ飲んで帰る…という人がいてもおかしくはないのです。
そのため、ハッピーアワーの価格設定はよく検討する必要があります。例えば、酒類の価格を一律に設定するときは注意が必要でしょう。なぜなら、同じグラスのサイズでも原価が大きく異なるからです。ビールであれば200円程度、ハイボールであれば80円前後と考えられるため、ビールの価格を変えるかグラスビールにして量を減らすなどの工夫が必要になります。
ハッピーアワーには、酒類の金額を一律引き下げる以外の方法もあります。例えば、「1杯目だけ200円」といったように最初の1杯だけ安くする方法や、「お酒+おつまみ3点セット」を安く提供するといった方法であれば、お客様にも満足いただけるでしょう。
ハッピーアワーの対象となるメニューの選定も重要です。全品値引きであれば反響は大きく集客も見込めますが、メニューによっては利益が確保できなくなるケースがあるため、全品値引きを行えるのは、料理類にも乾き物などが多く、原価率の低い店に限られるでしょう。ほとんどのお店の場合、どのメニューをハッピアワーの対象にするかを慎重に検討する必要になります。
3-2.宣伝の一環であることを理解して集客に徹底する
ハッピーアワーは、お店が暇になってしまう時間に、安いメニューを用意してお客様に来てもらう施策です。ハッピーアワーの利益率は多少なりとも減り、商売としての効率も落ちます。それでもなぜハッピーアワーを行うかといえば、暇な時間をなくして、新しいお客様をつかむために他なりません。
まず、ハッピーアワーを行っていても、お客様に気づいてもらえなければ意味がありません。お店の前に看板を出したり、SNSやGoogleビジネスプロフィールを利用したりして、積極的にハッピーアワーをアピールすることが大切です。
SNSを使ったアピールにはいくつかの方法がありますが、新規のお客様にはGoogleマップやGoogle検索に表示されるGoogleビジネスプロフィールを利用するとよいでしょう。近隣で、少し早めの時間からお酒が飲める飲食店を探している人に見つけてもらえる可能性があります。
既存顧客へのアプローチに関しては、ランチ営業やディナー営業の時間に、インスタグラムのフォローやLINEの友達登録による割引、もしくは1品サービスなどを行い、こちらからお客様へアプローチする手段を作っておくとよいでしょう。そこにハッピーアワーのお知らせを送れば、会社帰りなどに立ち寄ってくれる可能性があります。
ハッピーアワーはお店の回転率をあげるだけでなく、お店の宣伝の一環でもあります。損して得取れの精神で、お店をしっかり宣伝して新しい顧客をつかみましょう。
3-3.「グラスはそのまま」など業務量を減らす工夫を
ハッピーアワーの反響が大きく、たくさんのお客様がいらした場合、従業員の業務量が増えます。特に酒類の注文ペースが早くなると、グラスを片付けるペースが早くなり、グラスの洗浄が間に合わなくなるケースもあるでしょう。
そんなとき、「ハッピーアワーに限っては同じグラスをご利用ください」といったルールを設けて、お客様に協力いただくのもひとつの方法です。もちろん、飲み物の種類が変わればグラスは取り替えますが、例えばハイボールを続けて数杯飲むお客様に、そのままのグラスで提供できれば洗い物の量をかなり減らせるでしょう。お店の業種や雰囲気、方針などによりますが、気軽な雰囲気の居酒屋などであればお客様に受け入れてもらえる可能性は低くないはずです。
また、ハッピーアワーの対象となるメニューを、例えばウイスキーを使ったハイボール系(ハイボールやコークハイ、ジンジャーハイなど)に絞るなどの工夫をすることで、提供スピードをアップできます。こうした方法であれば、割材などの在庫管理の面でも業務量を減らせるでしょう。
4まとめ
ハッピーアワーには、来客数と売上高のアップ、暇な時間をなくすことでの業務効率の向上など、見逃せないメリットがあります。一方、利益率が減ってしまう可能性が高いものの、対象のメニューと価格設定をよく練ることで、デメリットは最小限に抑えられるはずです。
ハッピーアワーは、お店の稼働率をあげ、お店の宣伝にもなります。集客に悩んでいる飲食店のオーナーは、このコラムをきっかけにぜひハッピーアワーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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