店舗運営応援コラム
美容室では「担当スタッフ以外でも、お客様の情報と特徴を理解する」ことが重要
1「私だけ」で顧客満足度UP
美容室に来られるお客様は、「美しくなりたい」という思いを持っていますので、「この美容室は自分を丁寧に扱ってくれるか」という点にかなり敏感になっていらっしゃいます。
もちろん、あなたの美容室でも、お客様への接客・接遇については研修を行ったりしながら、レベルアップに努めていることでしょう。
でも、ここに落とし穴があります。
「ここのサロンスタッフは自分が担当しているお客様には非常に丁寧に接するが、担当でないお客様には非常にそっけない」と多くのお客様が感じられているのです。
具体的には「先ほどまで隣のスタイリングチェアで丁寧にお客様と話をしていた感じの良さそうなスタイリストが、シャンプーから戻ってきた私とすれ違う時には声もかけないどころか、眠たそうな目でこちらをちらっと見ただけで嫌だった」という感じです。
美容室に来られるお客様は、全てのスタッフが自分を「丁寧に」もっと言ってしまえば「特別扱いして欲しい」と感じられているという心をもう少し丁寧に拾っていかなければ、生き残れないのです。では、お客様の満足度とリピート率が高い美容室では、どのような工夫やトレーニングをしているのでしょうか?
ある繁盛店では、朝礼時に本日ご来店予定のお客様の顔写真をランダムにスタッフに見せて、「このお客様のお名前は?」「いつも選ばれる飲み物は?」「ご利用メニューは?」「よく行かれるお店は?」「NGの話題は?」「読まれる雑誌は?」というように、自分が担当でないお客様の情報についてもしっかりとスタッフの頭にすりこむべく、確認をしています。こうすることで、シャンプーやマッサージなどの「ちょっとしたタイミング」で「田中さん、この前おっしゃっていた海外旅行って、もう行かれたんでしたっけ?」というように、担当スタイリスト以外でもお客様が楽しい気持ちになるような話題を振ることが可能となるのです。
また、お客様の満足度を高めるためには、お客様が「実はこうして欲しい」という想いを汲んで対応していくことも非常に大切です。
美容室のお客様にアンケートをとると
「年齢や服装などから好きそうな雑誌を持ってきてくれるが、どれも自分には合わない。でも、替えてくれとは言いづらいので我慢している」
「シャンプーの時に、お湯加減とか、かゆいところが無いかを聞いてくるけど、わざわざ聞かないで。かゆくても言いづらいし」
という本音が聞こえてきます。
多くの美容室では、お飲み物メニューを作成して、お客様に選んでいただくようにしていることでしょう。
でも、お客様の本音は
「飲み物を選ばしてくれるのなら、雑誌だって数冊持ってきて、選ばしてくれたほうがいいのに」
というものなのです。
シャンプーから戻ってきたら雑誌が並べてある、ではなく、シャンプーから戻ってきたら、5冊程度スタッフが雑誌をお持ちして、好きなものを選んでいただく、というオペレーションに変えれば良いのですね。
シャンプー時にお客様に湯温やかゆいところがないかをヒアリングすることも、やめられるべきでしょう。
お客様はお湯が熱ければおっしゃいますし、かゆいところがあっても、なかなか言い出しづらいものです。
湯温は自分で感じて調整する。かゆいところが無いように丁寧にシャンプーをすれば良いのです。
さらに、カット・カラー・パーマなどの複数メニューをオーダーしてくださるお客様は、5時間程度美容室に居続けるケースもあり、「かなりのお疲れ」です。シャンプー時に気持ちが良くなって少し寝たいのに、途中で「おきまりの意味の無い質問」をされるため、その都度答えなければならないのが非常に苦痛だ、という本音を汲むべきなのです。
繁盛している美容室は、お客様の満足度が高いのです。満足度が高いということは、しっかりとお客様に満足していただけるような対応をスタッフが出来ているのです。スタッフのレベルを上げるためには、訓練が必要です。まずは顧客カルテやレジ機能に、お客様の個別の情報をインプットしていき、朝礼などで共有することから始めて見てください。
お客様の満足度が上がり、きっと繁盛店になれるはずです。
2022年9月
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