高円寺商店街 様
11もの商店街がひとつになり、カシオとともにDX化へ。
- 高円寺キャッシュレスプロジェクトに参加の高円寺11商店街
- 庚申通り商店街・あづま通り商店街・中通り商店街・高円寺駅西商店街・高円寺南商店街・エトアール商店街・ルック商店街・パル商店街・北中商店街・中通り商店街・大場通り商店街
- プロジェクト実施内容
- ①店舗の売上・客層分析 ②キャッシュレス導入 ③デジタルスタンプラリー ④ビーコンによる来街者調査 ⑤商店街向け報告会
駅の南北に多くの商店街が隣接し、さながら巨大な広域商店街を形成している高円寺地区。有名な阿波おどりでは老若男女を問わず100万もの人で賑わい※、一方ではサブカルチャーや古着などで若者層から高い人気を集めています。その高円寺に並ぶ11の商店街が共同でDX化に取り組み始めた折りにカシオとの出会いがあり、パートナーを組んでのプロジェクトがスタートしました。
※コロナ禍により一時休止しています。(2022年6月現在)
高円寺11商店街のひとつ、パル商店街
キャッシュレス決済がDX化の入り口に。
今回お話を伺うのは、本プロジェクトのリーダーである、高円寺パル商店街の理事・上原正氏。高円寺11商店街は合計約1000もの加入店を有しますが、中にはデジタル化に消極的なお店もあったと話されます。
「DX化は商店街の重要なテーマですが、その有用性を広く認識してもらうこと自体が、ひとつの課題となっていました。そんな時に提案を受けたのが、カシオの商店街DX推進プロジェクトです。
上原氏は続けて「私は、キャッシュレスがDX化の入り口になる重要なポイントと考えているのですが、普通はキャッシュレスと現金を併用すると、お店ではお金の管理が2倍になるので非効率化が進んでしまいます。しかしカシオなら、レジを通してその一元管理がスムーズに行える。現金と売掛が明確になって、いつ入金されるのかまでわかるようになる。それがまずお店にとって大切なので、手軽に出来てしまうのを見せてあげたかった。これを経験させることで、興味を持つお店が広がると考えました」
さらに「カシオはキャッシュレスにとどまらず、現金管理やデータ分析などレジにまつわる業務すべてをひとつの窓口でサポートしてくれること、加えて商店街と課題を共有してくれる姿勢も良かった。実は、CMでもよく見るような決済サービスをはじめ多くの企業からお声がけをいただいていたのですが、これらのポイントをトータルで判断し、カシオと連携してDX化を推進しようと決めました」と、スタート時のビジョンと、カシオと組まれた理由についてもお話しくださいました。
商店街DX化推進のリーダ- 上原正氏
店舗が実際に体験することで意義やメリットを共有。
上原氏は本プロジェクトを通し、商店街DX化に向けた初期段階の目標を達成できたと評価されていました。その理由は、キャッシュレスやレジデータ分析の導入を検討する店が増えはじめていること。特にレジデータの集計・分析については、実際のデータでメリットを実感してもらえたことが良かったと、具体的な例をあげてお話しくださいました。
「例えば高円寺に多い古着店の場合、商品がすべて一点もののためデジタル化が難しく思いがちですが、トップス・キャップ・シューズなど大まかに商品登録をしてデータを取り、どんなカテゴリーが動いているかを掴むだけでも参考になることを体験できた。それにレジには顧客情報も入力していますから、男性客と女性客の比率なども明確に見える。こうしてなんとなく感じていたものがデータで裏付けされると自信になりますし、実際の品揃えにも生かせるようになるわけです。何か新しい発見があれば、なお嬉しいですしね」
さらに続けて「そうすると、今度は同じトップスの中でもどんな商品が動くかなど、さらに細かなデータが欲しくなる。簡単ではないですが、こうしてお店側にもいい意味での欲が出てくれば次のステップへも進みやすくなりますから、商店街としても本プロジェクトの意義の的を射たということになります」
この動きについて上原氏は「デジタル化に興味がないわけではないけど、手が出せなかったという店も結構あったのだと思います。POSレジがないと商品別の売上管理ができないと考えている店もあったりして。そういうお店や、そもそもデジタル化の意義に懐疑的だったお店からも、今回のプロジェクトで少しずつでも変わるところが出てきました。間違いなく、商店街として良い方向に進んでいると思います」と判断されていました。
賑わう高円寺地区商店街
約100万人もの人を集める高円寺おどり
客層や回遊が見えるデジタルスタンプラリー。
パル商店街では、カシオ協賛のもと開発されたスマホを利用するデジタルスタンプラリーも導入され、紙の台紙タイプと併用されています。
「デジタルは、何と言っても集計が楽で速い。しかも、参加者の性別や年代、居住地や高円寺を訪れる頻度などの顧客データが取れたり、誰が・いつどこの店舗で何回スタンプを押したかのリアルタイムでわかる。お店にも商店街にもメリットが多く、役員のメンバーも評価しています。それに、若い層の取り込みという観点からも効果的です。ただ、まだ台紙にスタンプすること自体を楽しみにされているお客様もいますので、しばらくは併用しようと思っています」
“人の流れ”が見えた来街者調査。
またビーコンの来街者調査について「今回の結果では、滞在時間の短い目的型の来街者が増えて、逆に遠方からのお客様が減ったなど、コロナの影響が如実に見て取れました。これは、これからも調査を続け、通常時と比較して分析・判断することが大切だと考えています」と話された上原氏。
さらに今後に向けて「大まかにですが、高円寺は駅の北側に地域密着型の店舗が多く、南側には広域からお客様が集まるお店が多い。次はこの南北をエリア分けして、きちんと来街傾向を分析・把握したいですね。それに、現在コロナ禍で休止している阿波おどりを開催できた際には、どの地域からどんな層がいらしているかなども調査してみたいと思っています」と、その意欲を語ってくださいました。
来街者データの分析例(グラフ・数字はイメージです)
AIBeaconを街の27地点に設置
地域やお店に寄り添う密着型DXに高評価。
次に、カシオのサポートに関してもご感想を伺いました。
「導入時はもちろんですが、プロジェクトが動き出してからも、継続してお店をフォローしてくれる体制がいいですね。新しいレジも各店の事情に応じて、もっと便利に使える、こんなデータが取れるなど随時アドバイスをしてくれるので、まるでデジタル化が身につくまでサポートしてくれる印象です。こうしたフォローに対して、お店からも“レジのデータに新たな気づきを与えられた”“データをもとにした売り場の改善案を提示してくれて役に立った”など、良い評判が多く届いています」
さらに商店街向けの報告会も「もっと参加者を集めたかったと思うくらい、お店の反応が良かった。分析データにしても、業種別の売上げやキャッシュレスの利用率など商店街全体の傾向値も示してくれたので、より関心を高められたと思います。それぞれ自店の数字と比較して対策を考えるきっかけにもなったのではないでしょうか」と有難いお言葉をいただきました。
最後に、あらためて本プロジェクトに対する評価を伺うと、上原氏から「とても高く評価しています」と嬉しいお答えが。「もちろん課題もありますが、それを次につなげることが大切。でも、その道筋もなんとなく見えてきたように思います」
上原氏の考えられる商店街DX化は、これからもインボイス対応、さらにEDIへと続いています。その道のりを、カシオはともに歩み続けます。
スタンプラリーをアピールする懸垂幕
商店街向けに開催された報告会