■所在地:福島県福島市 ■業種:教育 ■Webサイト
教育、研究、診療の分野で、地域医療の中核を担う福島県立医科大学。東日本大震災以降は、復興に向けた医療の最重要拠点として、健康調査の着実な実施、早期診断と最先端医療の提供など、様々な取り組みを行いながら、地域医療を支える医療人の教育と育成に力を注いできた。そんな本学で、医学部医学科 神経解剖・発生学講座を受け持つのが橋本光広助教。医学教育・研究の現場における、XJ-V1の活用法について伺った。
「ひとのいのちを尊び倫理性豊かな医療人を教育・育成する」という理念のもと、県や県民、そして地域の医療機関と協力し、良き医師の育成に取り組む福島県立医科大学。近年は、震災・原発事故からの復興を健康面から支えるため「ふくしま国際医療科学センター」を発足し、国際的な協力を得ながら、長期にわたる事業を推進しているのも大きな特長のひとつだ。
橋本光広助教は、医学部医学科のなかで生命科学・社会医学系の講座のひとつ「神経解剖・発生学講座」に所属。小脳が発生する際のメカニズムの解明など、神経発生や再生に関する様々な研究テーマを扱っているという。
「当大学には、2015年4月に赴任したばかりですが、ここは医療に対する使命感というか意識が高い。教員や学生はもちろんのこと、地域住民の方々も含め、みんなが一緒になってよりよい医療のあり方を目指しているという印象が強いですね。毎日の暮らしも、新聞やニュースで報じられるものと、実際に体験してみるのとでは大きな違いがあります。厳しい現実の中で黙々と生活を送っている人の姿を見ると、わたしも自分にできることをしっかりとやらなくてはという気持ちにさせられます。」
こうした思いを胸に、研究、講義、実習などに忙しい毎日を送っている橋本氏。学内での仕事はもちろん、学外の学会やシンポジウムに参加することも度々で、自らプレゼンテーションを行う機会も多いという。そうした発表の場で活躍しているのがXJ-V1だ。
「学内学外を問わず、会議、報告会、打ち合わせなど、プロジェクターを使用するシーンは多々あります。しかし、備品のプロジェクターが古く、新しいものを探していたところでした。そこで出会ったのが、カシオのXJ-V1。バナー広告で見つけたのが、そもそものきっかけです。はじめて投映したときは、その起動スピードに驚きました。」
XJ-V1最大の特長のひとつである起動速度。その秘密は、搭載されている光源にある。レーザーとLEDを組み合わせたカシオ独自の半導体光源を採用することで、電源ONから最短5秒で最大輝度での投映が可能。さらに、光源寿命約20,000時間を実現し、ランニングコスト削減にも大きな効果を発揮する。また、水銀を使用していないので、環境負荷低減に貢献するという特性も持つ。
「電源を切るときクールダウンが不要な点も便利ですね。従来のプロジェクターでは、水銀ランプの故障や劣化を避けるため、コンセントを抜くタイミングに気をつかっていましたが、XJ-V1なら使い終わったらすぐに片付けることができる。これを一度体験すると、いままでのプロジェクターには戻れませんね。」
実際の投映環境を伺うと、テーブルに設置したXJ-V1とノートPCをRGBケーブルで接続し、自立式のスクリーンに投映することが多いという。音声が必要な場合は、PCの内蔵スピーカーで代用。学外でプレゼンテーションを行う際は、持ち運びの必要があるが、XJ-V1は大きさ、重さともに許容範囲だということだ。
「PCは、WindowsとMacの両方を使いますが、どちらもトラブルなく投映できます。明るさや解像度も充分で、部屋の明かりをつけたまま使用できます。また、固定設置はせず使用のたびにセッティングを行っていますが、ズーム、フォーカス、台形補正など、操作に手間取ったことはないですね。できることがシンプルなぶん、気軽に使えるという印象です。取扱説明書もほとんど見ていません。」
コンテンツは、論文やレジュメ、会議の議事録、実験報告の資料など多岐にわたる。パワーポイントで作成したドキュメントや実験を記録した動画など、ファイル形式も様々だ。数人がかわるがわる発表することも多く、その際はそれぞれのノートPCをプロジェクターに接続し直して使用する。
「上位機種には、Wi-Fi経由で複数のPCを同時接続できるモデルもあるようですが、XJ-V1でも普段の使用に関してはまったく問題ないレベルです。導入してから教員など、たくさんの人が使っていますが、不満の声はとくにありません。それよりも起動の速さの方に、大きな魅力を感じているようですね。」
「また、プロジェクターを大勢で使っていると、座る場所によって熱が気になったり、ファンノイズが気になったりするものですが、XJ-V1にはそういったこともないですね。高圧水銀ランプが熱を持つのは、それだけエネルギーを出しているということですので、そのぶん消費電力も大きくなる。その点、XJ-V1は半導体光源を使用しており、高圧水銀ランプに比べて熱が発生しにくくファンも静か。もちろん消費電力も少なくて済むのではないでしょうか。」
橋本氏自身、マウスの動きを無線で制御するLED光刺激装置など、実験に用いる機器を自作してしまうほど、デジタル機器や機械工作に対して造詣が深い。そのため、XJ-V1に搭載された光源の特性も、こちらで説明する以上の理解を示してくれた。
「XJ-V1のレーザー&LEDハイブリッド光源もそうですが、G-SHOCKの耐衝撃構造、OCEANUSの電波ソーラー、EXILIMの高速度撮影技術など、カシオには、独自の発想でほかにはない味付けをした製品がたくさんあります。時代に先駆けてユニークな技術を開発するというイメージがあり、個人的にはとても好感を持っています。これからも注目していきたいですね。」
地域の中核的役割はもちろん、震災および原発事故によって新たな歴史的使命を担い、その取り組みを世界に向けて発信する福島県立医科大学。そんな医学教育・研究の最前線に、XJ-V1が少しでも貢献してくれることを期待したい。