Vol.11
営業機会を最大限に活かす 成功するためのMR営業のコツ
一般的な営業職とは異なり、少し特殊な仕事だといわれているMR。
医薬品という命に関わる製品を扱っているからこそ、営業として自社医薬品のことだけでなく、疾病や薬学などの専門的な医療知識も必要とされる職業です。そんなMR営業の活動も、新型コロナウイルスの影響により変化を余儀なくされています。
今もっとも進化を求められる医療業界の中で、どうすればこの先もMRとして生き抜くことができるのでしょうか?
今回は、MR営業の特徴を改めて説明しながら、これからのMRに求められる姿勢や営業方法についてご紹介します。
- ■
- 多くのMRを悩ませる問題
- ■
- 成功するMRになるために
- ■
- コロナ禍で変化するMR営業
- ■
- 一回の営業機会を最大限に活かす
- ■
- まとめ
多くのMRを悩ませる問題
MRとして成功するためには、今抱えている問題を解決する必要があります。担当エリアや施設によって状況が異なるため一概にはいえませんが、MRであれば一度は以下の壁にぶつかるのではないでしょうか?
1.キードクターと面会できない
売上規模や患者数が多い病院・クリニックには、絶対に関係を作っておきたい医師がいるはずです。しかし、訪問規制や医師の性格上、なかなか面会できないというのはMRの代表的な悩みです。
2.面会時のネタに困る
こちらもMRに共通する悩みではないでしょうか。比較的会いやすい医師との面会で起こりやすい問題ですが、製品情報も最新情報もすでにあらかた話してしまい、どんな話をしたら処方アップに繋がるか分からないというケースです。
また、医師のニーズを正確に把握できず、どんな話をすれば相手が自社の薬を処方したいと思ってくれるのか、わからなくて困ってしまうというのもよくある話です。こうした悩みは、医師との信頼関係が構築できていない場合に見られます。
3.他社と差別化できない
医薬品は革新的な発見により開発されたものというイメージが強いですが、唯一無二の薬を扱っている製薬会社はかなり限られます。ほとんどの場合、類似薬やジェネリック医薬品が存在するため、効果や効能が大きく変わりません。そんな中でも、自社の医薬品を提案し処方してもらわなくてはなりません。
価格交渉もできないので、MR自身の提案力が問われるところであり、多くのMRが頭を抱える問題といえるでしょう。
4.なぜ売れるのか、売れないのかが分からない
MRの悩みとして意外と多いのが「売れている/売れていない理由が分からない」というものです。特に苦労しなくても処方してもらえるケースもあれば、毎日施設に訪問しているのに処方が伸びないなんてこともあり、「どうすれば成功するのか」が分からなくて悩むMRは多いはずです。
人それぞれ事情は異なるのでひと括りにはできませんが、これらの悩みを解決しないことには、MRとして成功を手に入れることはできません。
では、上記のような悩みを解消し、成功するMRになるためにはどうすればよいのでしょうか?
成功するMRになるために
訪問規制や前例にとらわれないで
MRが担当の医師に面会したい場合は、施設の訪問規制を順守し、決められた時間と場所で待機するのが基本です。しかし、中には忙しくてなかなか会えない医師や、他社MRや他の医師などの人目がある場所では話すのが苦手といった医師もいます。また、会えるけれど歩きながらでは適当に流されてしまうというケースも少なくないでしょう。
そんな難しいターゲットこそ、訪問規制や前任者の引継ぎ情報にとらわれるのではなく、思い切ってメールでやり取りする方法が効果的です。いきなりメールアドレスを聞くのは難しいかもしれませんが、例えば「講演会の演者をお願いしたい」「頼まれていた資料をメールで送りたい」といった申し出であれば自然にメールアドレスを教えてもらうことができるはずです。一度メールでやり取りできれば、訪問規制外の時間にアポイント面会することも可能です。
アポイントであれば、医師の方も精神的にゆっくりできるので、いつもより落ち着いて話を聞いてもらうことができるでしょう。
「話す」のではなく「聴く」ことに専念する
医師に会っても話題がない、提供できる情報がないと悩むMRは多いですが、「医師が話してくれた内容」をしっかりと掘り下げているでしょうか?
例えば、
MR:「先生、今お時間よろしいですか?」
医師:「今日は忙しいので、また今度」
といったやり取りがあったとします。きっと、多くのMRは「今日は無理そうだな、また今度にすればいい」と諦めてしまうでしょう。
しかし、もし医師の話(または状況)を掘り下げることができれば、“なぜ今日は忙しかったのだろうか?” “本当は体調が悪かったではないか?” “いつもと違う様子はないか?”と色々な視点からアプローチを検証し、次の営業に活かすことができるはずです。
こうした検証が多ければ多いほど、自分の中に情報が蓄積され、面会時に話す内容が増えていきます。つまり、話すことよりも、相手の話を全力で「聴く」ことが成功するMRに必要な姿勢といえるでしょう。
説明会や講演会で他社と差別化を
他社と差別化を図るには、医師との信頼を勝ち得ることが必要になりますが、強固な信頼関係を構築するには年月がかかります。
そんな時におすすめしたいのが、「説明会」や「講演会」です。特に、説明会は講演会に比べて準備期間が少なくて済みますし、すぐに実践できるのでおすすめです。
説明会は普段の面会と違って自社の医薬品について深く紹介できる機会ですし、質疑応答の時間なども使えば、医師とゆっくり会話できるチャンスでもあります。もちろん、説明会自体は他社もやっているので、同じように実施するのでは印象に残りません。
例えば、
- 医師の貴重な時間を意識した上で、他社よりも効率的にスマートな説明会を実施する
- 見やすくわかりやすいスライドを作成し、自社医薬品の利点を的確に伝える
- 施設状況に合った資料や処方例を紹介する
このような工夫をすることで、より良い印象を残すことができるでしょう。
コロナ禍で変化するMR営業
規制される従来の営業方法とオンラインへのシフト
ここまでは、従来のMR営業における悩みとその解決策について紹介してきました。しかし、新型コロナウイルスの出現により、MR営業の在り方やそれに付随する悩みも変化しているのではないでしょうか。
というのも、MRの活動場所である医療施設は、新型コロナウイルスの感染拡大にともない最も影響を受けた場所といっても過言ではありません。当然のことながら、コロナ患者を受け入れる総合病院を筆頭に、MRの訪問は規制を受けることになりました。
今までのように大勢のMRが医局前に待機し、医師が通るのを待って声をかけるといった営業方法は禁止となり、MRが個別にターゲットの医師にアポイントを取得し、「オンラインで説明する」という方法にシフトしつつあります。
医師への説明の時間を取れるか取れないかあやふやだった状況が、事前のアポイントが必須となる「オンライン」になったことで、確実に営業機会を得ることができるようになった反面、以前のように複数回面会をすることで関係性を深めながら自社薬品を紹介するという営業ができなくなったともいえます。
求められるのは、従来よりも確実に、そして効果的に製品情報を訴求できる質の高いプレゼンテーションです。
一回の営業機会を最大限に活かす
前述の状況から、コロナ禍で変わったMR営業のポイントをひとことでいえば、〈1回の営業機会の重要度がアップした〉ということでしょう。もっとわかりやすくいえば、より効率的で的確なプレゼンテーションを行う必要が出てきたということです。
例えば、プレゼンテーション時にプロジェクターを活用すると大画面で資料を投映することができ、医師の理解がより深まります。
他にも効果的な営業手法はいろいろ考えられます。その一つが「講演会」の実施。プロセスを上手に利用して医師とのコミュニケーションを図りましょう。
現在のコロナ禍においては「講演会」も「WEB講演会」にシフトしています。WEB講演会の視聴方法は、医師が単独でオンライン視聴する方法と、MRが同席の上、講演内容をプロジェクター等で投映し、一緒に視聴するケースがあると思います。
後者の場合は医師と落ち着いて話をする時間を確保できるチャンスですので、せっかくですから貴社のWEB講演会用のプレゼンテーションを活用して、自身が一番、紹介したい製剤をプッシュする時間も取らせてもらいましょう。
質疑応答がしづらく、情報伝達がどうしても希薄になる「オンライン」という環境に物足りなさを感じて、補足的な説明を望む医師は少なからずいます。そういう医師にとっては、非常にありがたく思える申し出なはずです。当然ながらコロナ禍ですから、限られた時間で手際よく速やかに説明する必要があるでしょう。
さらなる工夫のひとつとしておすすめしたいのが、持ち運びできる小型プロジェクター等を利用することです。
プロジェクターを使えば、わかりやすくインパクトのある製品説明ができるのは周知の事実ですが、訪問先でプロジェクターをお借りする場合は、その手配やセットアップが課題でした。これに対し、自社から持ち運べるプロジェクターであれば、使い慣れた機種であるため、接続や操作の問題もなく、訪問先から充てがわれた一室でもスムーズにセットアップできます。医師を待たせることなく、限られた時間でも納得のいくプレゼンテーションを行うことができるでしょう。
このような工夫もあくまで一例です。すべては「一回の営業機会を最大限に活かす」をポイントとして考え、想像力を働かせて、よりよい手段を講じてみましょう。
FORESIGHT VIEW
携行楽々。医師を待たせず大画面で製品説明。
●5秒で投映開始
最短2ステップで自動電源ON、約5秒で投映開始。医師を待たせません。
●訪問先環境に依存しない
使い慣れたツールを自分で持ち込むことで、訪問先の環境がわからなくても、安心してプレゼンテーションが行えます。
●明るい環境でも十分な明るさ
JIS規格の2000ルーメンの明るさ。明るい室内でも電気を消さずにプレゼンテーションできます。
●専用バッテリー駆動
バッテリーで駆動するので、コンセント接続不要ですぐにプレゼンテーションを開始できます。
MRの皆様にFORESIGHT VIEWがどうお役に立てるのか、こちらでもご紹介しています。
(参照:製薬会社の営業(MR)の皆様にご提案する3つのコト)
新しいドクターアプローチを実現するカシオFORESIGHT VIEW!
体感プログラムもご用意しています。ご興味のある方はこちらをご覧ください。
まとめ
不透明さを受け入れることこそ、MR営業成功のコツ
コロナ禍という不透明な状況の中で、MR営業は変化を問われています。ただでさえ接触が難しかった医師との距離が一段と広がったと思われる反面、「ピンチはチャンス」との考えから、新しいことが生まれる可能性はあります。
面会がしづらくなったコロナ禍ゆえに消失した機会もあれば、これまでになかった営業の「時間」や「タイミング」が生まれているのも事実です。一見、不利だと思える状況でも、見方を変えればチャンスということがいえるかもしれません。
なかなか難しいことではありますが、目先だけにとらわれず、不透明な中も、よりよい営業手法を模索し実践していくことが、大きな転換期を迎えたこれからのMR営業が成功するためのコツといえるでしょう。