Vol.12
オンライン採用のメリット・デメリット、導入にあたっての課題や注意点
新型コロナウイルス感染が拡大していくにつれ、対面型の採用活動が難しくなってきました。代わりに登場したのが「オンライン採用」です。
オンライン採用と聞くと難しいと感じる方がいるかもしれません。確かに応募者がパソコンなどのモニタ上に表示されているわけですから、どうアプローチしたらよいか迷ってしまうでしょう。
しかし、オンライン採用とは何か? をしっかり理解した上で実施すれば、それほど難しいものではありません。
今回は、オンラインで採用活動を行うメリット・デメリット、導入にあたっての注意点等を解説します。
オンライン採用とは?
オンライン採用とは、対面で行っていた採用活動を「オンライン」で行うことをいいます。採用活動には、会社説明会や書類選考、筆記試験、面接などがありますが、それらのすべてまたは一部をオンラインで実施することです。
新型コロナウイルス感染防止の観点から、オンライン採用を進める企業が増えています。
オンライン採用のスタイルは企業によって様々です。「会社説明会」から「役員面接」まですべてのプロセスをオンラインで行う企業もあれば、「役員面接」だけは「対面」で実施するという企業もあります。さらに細かく、「二次面接」までがオンラインで、それ以降は「対面」で行うなど、企業によってオンラインの使い方は様々です。
こうあるべきという定石はなく、企業側が自社のニーズによって決定してよい、ということになります。
オンライン採用のメリット
オンライン採用を行うと、どのようなメリットがあるでしょうか?3つの視点で見ていきましょう。
1.時間と場所に左右されず採用活動ができる
オンラインで採用活動を行えば、時間と場所に左右されません。企業が遠方や海外の応募者を採用したいと考えても、対面では時間や場所がネックとなります。しかしオンライン採用なら、お互いに面接時間を設定するだけで面接できるのです。
また、時間と場所に左右されないため、採用担当者は1日に複数の応募者を面接することができます。それも、様々な場所にいる応募者を面接できます。
2.応募者の金銭的・時間的コストを削減できる
オンライン採用は応募者の金銭的・時間的コストを削減します。例えば九州地方の応募者が東京の企業への就職を考えたとします。対面での面接では、東京に行くための飛行機代や電車賃がかかります。また、九州から東京に行くだけで1日がかりです。面接を何度も受けると、それだけお金も時間もかかってしまいます。ですから、遠方に住む応募者は、なかなか遠い場所にある企業を受けたいと思いません。
しかしオンライン採用なら、応募者はお金と時間を気にせずに応募できるため、「働いてみたい企業」に応募することができます。しかもコストや移動の労力を考慮して、無理やり対象企業を絞り込む必要もなく、複数の企業を受けることができます。
3.選考スピードが速まる
オンライン採用では選考スピードが速まります。対面の面接では、複数の面接官の時間と場所を押さえる必要がありました。本社で面接を行うなら、本社に面接官がいる日程を選ばなくてはならず、多忙な面接官がいれば日程を決めるだけでも苦労していました。
一方、オンライン採用なら、面接官が遠方に出張していたとしても面接が可能になります。面接官の移動時間を考慮する必要がないため、応募者との日程を決めやすくなるでしょう。さらに、1次選考から最終選考までの時間を短縮することができるのです。内定を早く出せれば、応募者から企業への印象は良くなります。
オンライン採用のデメリット
オンライン採用にもデメリットがあります。どのようなデメリットがあるかを見ていきましょう。以下の3点に注意です。
1.対面よりも読み取れる情報が少ない
オンライン採用は、パソコンやタブレットなどのデバイスを使った採用になります。つまり応募者の顔はデバイスのモニタ上に表示されるのです。対面なら、応募者を間近で観察することができるので、「どれくらい緊張しているのか」「志望動機や自己アピールを行った時の態度はどうか」など、表情やジェスチャー、視線などの非言語的な情報から観察できます。対面であれば、応募者の微妙な表情から相手が考えていることを読み取れます。
しかしオンライン採用では応募者からの非言語的な情報が少ないので、相手の考えを読み取りにくいのです。たとえ相手がウソをいっても、ウソだと認識しづらくなります。
2.応募者の通信が不安定になる
オンライン採用は、応募者の通信環境に左右されます。企業側の通信環境がよくても応募者の通信環境が不安定であれば、「声が聞こえない」といったトラブルもありえます。応募者の通信環境は企業側ではコントロールできないため、せっかく面接をしたのに通信環境が不安定でうまくいかなかったということも起こりえます。
3.社内の雰囲気を味わってもらえない
オンライン採用では、社内の雰囲気を味わってもらえないことが課題です。対面なら、応募者も面接官を間近に見ることができるので、「会社の雰囲気が分かった」「人間関係が分かった」などの感想を得られます。
また、応募者が来社してくれれば、社内を案内することも可能です。
しかし、オンライン採用では、社内の雰囲気を味わってもらうことが難しくなります。通信環境や表情の読み取りにくさなどから、オンライン採用は一回の面接にかかる時間が対面より長くなる傾向にあります。そのため面接官も質問することで手一杯になり、社内の雰囲気を応募者に感じ取ってもらうことができなくなるのです。
オンライン採用導入にあたっての注意ポイント
オンライン採用のメリット・デメリットを紹介してきました。デメリットや課題はあるものの、新型コロナウイルス感染防止の観点から、オンライン採用の検討は不可避。応募者もオンライン採用に期待していますので、以下3つの注意点を読んで導入を検討してみてください。
1.オンライン採用について社内の理解を得ておく
コロナ前の採用活動では対面が当たり前でした。役員や人事部の責任者も「当社はまだまだ対面の採用活動を行う」と考えている場合があります。採用担当者の思い込みでオンライン採用を進めることにならないよう、オンライン採用について社内の理解を得ておきましょう。
2.どの選考をオンライン化するか決めておく
社内の理解を得られた後は、どの選考をオンラインにするか決めてください。筆記試験から最終選考まですべてオンラインにすることも、一次・二次面接だけをオンラインにすることも可能です。メリット・デメリットを踏まえ、会社としてどんなスタイルが適切か考えてください。
3.応募者には選考プロセスのどこかで「対面」を実施する
採用選考のどのプロセスをオンラインにするかは、会社の方針やスタイルで決定すればよいことです。ただし、社員を採用する上で最も重要なことは、応募者が社風に合うか、必要な人材要件を満たしているかしっかり見極めることです。導入初期はいきなりすべてのプロセスをオンラインにするのではなく、選考のどこかで「対面」を実施するとよいでしょう。
オンライン採用・面接のポイント
オンライン採用で重要な「3つの面接のポイント」を確認します。面接を制することがオンライン採用を成功させるコツともいえますので、チェックしてみてください。
1.面接環境を整える
オンライン面接では、企業側の面接環境を整えることが大切です。例えば以下の注意点を網羅しているか確認しましょう。
- 静かな場所であること
- 通信環境は万全であること
- 音声や動画に乱れがないこと
- オンライン会議システムを面接官が使い慣れていること
2.応募者の非言語情報を読み解く工夫
パソコンなどのモニタでは、表示される応募者の顔も小さく表情などもわかりづらくなります。表情は、応募者の緊張状態や人柄等、コメントに勝る情報を得ることができるので軽視できません。
オンライン面接だからしょうがないと諦める前にひと工夫をしてみましょう。
この問題をクリアする方法としておすすめなのが、オンライン面接にプロジェクターを導入することです。
プロジェクターを使ってモニタ画面を大型スクリーン(または壁)に投映できれば、応募者の表情を格段に把握できるようになります。この場合は、目線の移動などで応募者を不安にさせないためにも、複数の面接官で対応するのがよいでしょう。一対一の緊張感を緩和し、自然な雰囲気をつくることができるので複数面接官がおすすめです(同じ空間にいないため、複数でも威圧的にはなりません)。
また、室内を暗くする必要がない明るく投映できるプロジェクターを利用すれば、より自然な雰囲気を保つことができるでしょう。
もちろん、対面でもプロジェクターは有効です。面接時に説明資料などを大画面で投映すれば、応募者にわかりやすく内容を提示できます。持ち運びができるタイプなら、合同企業説明会などにも活用できるのでおすすめです。
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表情がはっきりわかる。オンライン採用(面接)の強い味方
●小型で軽量、携帯可
持ち運びできるので(A5サイズで約1.1kg)、決められた場所だけでなく自由にオンライン面接を実施できます。
●明るい室内でもOK
2000ルーメンの明るさ。室内を暗くすることなく大画面で応募者の表情など非言語的な情報を最大限に読み取れます。
●約5秒で投映開始
最短2ステップで自動電源ON、約5秒で投映開始できます。準備に手間取ることはありません。
●専用バッテリー駆動
バッテリーで駆動するので、コンセント接続不要です。すぐにオンライン面接を開始できます。
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3.応募者のアピールポイントは多方面から尋ねる
オンライン面接では、メモを見ながら受け答えができるといった利点もあり、応募者は対面よりも緊張しない傾向があります。アピールポイントや課題を克服したことなどについても、事前に準備しておくことが可能なわけです。
そこで実施していただきたいのが「応募者のアピールポイントについては多方面から尋ねる」です。多方面から質問することで、応募者が回答を用意していた範囲以外にも踏み込んで、応募者の本音を引き出すようにします。うまく回答できない場合は、本当のアピールポイントかどうか怪しくなります。本当のアピールポイントなら、多方面から唐突に質問しても、平然と答えられるはずですから。
まとめ
新型コロナウイルス感染防止のため、オンライン採用を耳にする機会が増えてきました。オンライン採用にはメリットもデメリットもあります。オンライン採用ありきではなく、メリット・デメリット、導入時の注意点を踏まえて、検討するとよいでしょう。
想定外の事態にやむをえず合わせる、といった考えではなく、オンライン採用のよいところを活かし、自社の事情にあわせてカスタマイズし、実施するのが一番良い方法だと思われます。
未曾有の危機であるコロナ禍を乗り越え、自社に合った人材を獲得していきましょう。