COLUMN

コラム

受発注システムを製造業で扱うメリットとは?
課題・選び方・導入時の注意点などを解説

2024.03.29|最終更新日:2024.03.29

製造業の受発注業務は、電話やFAXを使ったアナログな方式が長らく用いられてきました。しかし、デジタル化が進む現代社会において、こうした従来の受発注方法は非効率となり、業務の質を落とすリスクがあります。

そこで検討したいのが、受発注をデジタルで一元管理できる「受発注システムの導入」です。本記事では、製造業の受発注における課題と、受発注システム導入のメリットについて解説します。

目次

  1. 1.製造業の受発注における課題とは?
  2. 1-1.電話やFAXでのアナログなやりとり
  3. 1-2.手作業が多くミスが起こりやすい
  4. 1-3.業務が属人化しやすい
  5. 2.製造業で受発注システムを導入するメリット
  6. 2-1.受発注業務が効率的になる
  7. 2-2.ヒューマンエラーを減らせる
  8. 2-3.情報共有がしやすくなり業務が標準化できる
  9. 3.受発注システムの選び方と導入時の注意点
  10. 3-1.必要な機能があり操作性に問題がないか
  11. 3-2.保証やサポート体制が充実しているか
  12. 3-3.初期コストと運用コストを確認しよう
  13. まとめ

1.製造業の受発注における課題とは?

製造業の受発注業務は、電話やFAXを使ったアナログな方法がとられてきました。デジタル化された現代では非効率的となっており、多くの問題を引き起こす可能性があります。

1-1.電話やFAXでのアナログなやりとり

これまでの受発注業務では、発注を電話で受け付けるか、発注書をFAXやメールで送る方法が使われてきました。この方法では、業務効率化に限界があります。

例えば、電話を使った受注の場合は、得意先から電話がかかってきたら、他の作業をしていても手を止めて電話に対応しなくてはいけません。他の業務が中断するため効率が落ちますし、聞き間違えないよう神経を使うため、業務負担も大きくなります。

FAXにも固有の問題があり、文字のかすれで発注内容が読みづらいことや、相手が用紙を裏表に送ってしまって白紙が届くことがあります。その場合、送付元である得意先に電話などで連絡を取り、正しい発注内容を確認する手間がかかり、これも業務上の負担となります。

1-2.手作業が多くミスが起こりやすい

電話での受注や、発注書をFAXやメールで送る受注方法では、スタッフが発注内容を確認し、販売管理システムに入力する工程が発生します。この工程では手作業による入力作業が避けられないため、入力ミスが起こることがあります。

初歩的なヒューマンエラーであっても、間違いが起こってしまえば、コストや納期などに多大な影響を与えることがあります。入力ミスをチェックするためには、ダブルチェックを行うなどの工夫が必要ですが、業務が増えてしまい、従業員の負担になってしまいます。

1-3.業務が属人化しやすい

2つ目の課題は、業務が属人化しやすいことです。営業担当者が得意先を1人で担当している場合、得意先とのお付き合いが長くなるほど、営業担当者と得意先の担当者の間での約束事が増えがちになります。

よい言い方をすれば「ツーカーの仲」といえますし、得意先のことをよく知っていれば、先回りして対応できるなどのメリットもあるでしょう。しかし、「あれよろしく」といった簡単なやりとりで業務が進んでしまうことが多くなりがちで、そうなると、思い違いを発端としたミスが起こる可能性が高くなります。

また、担当者が不在だと対応できないことが多くなり、他のスタッフが対応したところ「いつもは大丈夫なのに何でわからないんだ」といったように、得意先の心象を悪くすることもあるかもしれません。

このように業務が属人化してしまうと、担当者の不在時の対応や、異動・退職時の引き継ぎの労力が大きくなります。それにより、組織の柔軟性も失われます。業務効率をアップさせるためにも、業務は属人化せず「標準化」する必要があるのです。

2.製造業で受発注システムを導入するメリット

受発注システムを導入することで、従来のアナログな受発注業務の課題を解決し、さまざまなメリットが期待できます。ここでは代表的な3つのメリットを紹介します。

2-1.受発注業務が効率的になる

受発注システムを導入することで、電話やFAXに頼らない受発注業務が可能になります。電話対応で業務が中断されることが少なくなるほか、販売管理システムに発注データを取り込みやすい受発注システムを導入することで、電話で受注内容をメモした紙や、FAXやメールで届いた発注を手入力する作業も不要になり、業務効率がアップするでしょう。

発注側である得意先にもメリットがあります。パソコンやスマートフォンから24時間いつでも発注ができるため、営業時間内に電話で発注する必要がなくなり、発注書に発注内容を記入してFAXやメールで送る手間もなくなります。業務が効率的になるため、顧客満足度もアップするはずです。

2-2.ヒューマンエラーを減らせる

受発注システムを利用することで、聞き間違いや言い間違い、FAXのかすれなどによるミスをなくせます。さらに、販売管理システムと連携可能な受発注システムを選ぶことで、受注データを取り込めるようになり、手入力につきものの入力ミスも起こりません。

また、電話で受注内容を聞き取りながらメモした紙や、FAXで届いた発注書を紛失してしまったり、メールで届いていた発注書を見落として対応を漏らしてしまったりといったヒューマンエラーもなくせるため、顧客満足の向上にも貢献するでしょう。

2-3.情報共有がしやすくなり業務が標準化できる

受発注システムでは、複数人で同時に受注などのデータを確認できます。デジタル化して一元管理することで、業務を担当する全員が最新の情報を共有できるため、特定の担当者だけに業務やノウハウが集中する「属人化」のリスクを低減することに繋がります。

業務の標準化が図れるようになるため、マニュアル化もしやすくなり、人事異動や新人教育なども効率よく行えるようになるでしょう。

3.受発注システムの選び方と導入時の注意点

製造業で受発注システムを導入する際は、慎重に選定することが大切です。また、導入後の運用面での対策も怠ってはいけません。以下の3点に留意しましょう。

3-1.必要な機能があり操作性に問題がないか

受発注システムにはさまざまな機能があります。そのため、自社の業務要件を洗い出し、必要な機能を利用できる受発注システムを選ぶ必要があります。例えば、請求書の発行機能が必要か、販売管理システムとのデータ連携は必須か、クラウドかオンプレミスかといったものです。

機能面での要件が決まり、受発注システムの選定が進んだら、トライアル期間などを利用して、実際の操作性や使い勝手を確認しましょう。実際に業務に利用するパソコンなどの端末を利用することで、より実践的なシミュレーションができます。

3-2.保証やサポート体制が充実しているか

受発注システムは、顧客からの受注データを管理する非常に重要なシステムです。導入前にメーカーによる保証やトラブル時のサポート体制をチェックし、信頼できるメーカーの受注管理システムを選ぶことが大切です。

また、今まで利用したことのないシステムを導入することになるため、操作についてのアフターフォローが用意されていると、より安心して利用できるでしょう。また、販売管理システムと連携させる場合は、メーカーのフォロー体制が特に重要になります。

3-3.初期コストと運用コストを確認しよう

受発注システムの導入には、初期コストとして、システム導入費用や、利用料がかかるシステムが多いため、毎月の運用コストも必要です。

これらのコストを見積もり、導入による業務効率化の効果と、費用対効果を検討する必要があるでしょう。コスト意識を持って、無理のない導入を進めることが賢明です。

まとめ

製造業における受発注業務は、従来のアナログな方式から、受発注システムを活用したデジタル化への移行が求められています。受発注システムを導入することで、業務効率の大幅な向上とヒューマンエラーの削減、さらには業務の標準化による属人化リスクの低減が期待できるでしょう。

製造業がデジタルトランスフォーメーションを推進する上でも、受発注業務の抜本的な見直しは必須の取り組みと考えられ、競争力の強化にも繋がります。ぜひ、この記事を参考に、受発注システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

カシオの「BC受発注」で受注業務を省力化しよう

カシオのBC受発注システムを導入することで、受発注業務の効率化が可能です。

これまで電話やFAX、メールなどで受注していた得意先からの発注をBC受発注に集約することで、すべての受注を管理画面で一元管理できるようになります。受注すると通知が届くため、作業漏れも防げます。

手書きのメモやFAXの発注書がなくなり、書類が減るため、紛失のリスクもなくなります。発注書を保管する負担も軽減され、ペーパーレス化にも寄与するでしょう。

また、発注内容を確認した後は、「受注データ出力」機能で、販売管理システムにデータを連携することができます。データ入力の手間やヒューマンエラーも大きく減らせます。発注を受けたものを確実に納品できるようになり、顧客満足度も高まることでしょう。

以下のページでは、BC受発注について詳しく紹介しているので、ぜひ導入の参考にご覧ください。

https://web.casio.jp/bc-order/