コラム
企業間取引をオンライン化するBtoB EC(BtoBコマース)は、業務効率化やコスト削減を実現する強力なツールとして注目されています。デジタル化が進む現代において、BtoB ECは単なる販売チャネルではなく、ビジネスの成長を加速させる戦略的な要素とも言えるでしょう。
このコラムでは、BtoB ECの基本から導入メリット、サービス選びの注意点まで詳しく紹介します。
目次
BtoB EC(BtoBコマース)とは、企業間取引(BtoB = Business to Business)を電子商取引(EC = Electronic Commerce)で行うことを指します。
BtoB ECには、主にEDIとECサイトの2つの形態があります。まずは、EDIとECサイトについて、それぞれ詳しく説明しましょう。
EDI(Electronic Data Interchange)は、主に大企業間の取引で使用され、受発注データ、請求書、納品書などを、あらかじめ決められたフォーマットにてコンピュータ間で自動的に交換するものです。元々は電話回線を使用していましたが、1990年代からはISDNを使用するインターネットEDIに移行し、近年は光回線などを利用したWeb-EDIに進化しています。
インターネットEDIまでは、専用回線を必要とするシステムでしたが、Web-EDIは一般のインターネット回線が使用できるようになり導入コストが低くなりました。
EDIを利用すると、発注書や請求書などの書類を印刷して送付する手間がなくなり、コスト削減とペーパーレス化を実現できます。また、従来の電話、FAX、対面などでのやり取りの一部を置き換えられるため、業務効率の向上やコスト削減、得意先満足度の向上など、さまざまなメリットが期待できます。
ECサイトは、Webサイト上で商品カタログの閲覧、注文、決済などを行う形態をとります。1990年代後半から法人向け製品をECサイトで販売しはじめた「アスクル」や「モノタロウ」などが有名です。
これらは「ネット通販型」であり、インターネット上で誰もがアクセスできるオープンな状態になっています。この方法の場合、卸価格はすべてオープンになりますが、既存得意先との取引だけでなく、新規顧客の開拓も可能です。
一方で、既存得意先など会員となった人や企業のみが利用できるのが「クローズ型」です。複数の卸業者の製品を出品するマーケットプレイスを利用する方法と、自社サイトで販売する方法の2種類があります。これらは新規顧客の開拓は難しいものの、卸価格を得意先のみに公開する従来の商習慣を変えずに済みます。
ここまで説明したように、BtoB ECにはEDIとECサイトがありますが、近年、注目されているのはECサイトです。その理由はいくつかありますが、大きな理由のひとつにWeb-EDIの規格の問題があります。
従来のEDIは専用回線が必要な反面、通信規格が標準化されているため他社との取引がスムーズでした。しかし、一般的なインターネット回線を利用するWeb-EDIは企業ごとに規格が異なり、利用するシステムを複数用意して切り替えて対応しなくてはならない可能性があります。その場合、業務効率が低下してしまうのです。
ECサイト化することで、これらの問題は根本から解決でき、得意先は24時間365日いつでもインターネットから発注可能なため利便性も向上します。実際、日本のBtoB ECサイトの市場規模は年々伸びています。経済産業省が2022年に行った調査では、420兆円規模にまで成長(前年比12.8%増)しており、今後も成長が予想されます。
BtoB ECサイトは、企業に様々なメリットをもたらします。ここでは、BtoB EC導入のメリットと注意すべきデメリットを解説します。
従来の受発注業務は、電話やFAX、メールなどを利用するものでした。また、在庫の問い合わせや納期の回答なども必要なほか、発注書の処理や保管、請求業務なども行う必要があります。
ECサイトを導入すると、こうした受発注業務の工数が大幅に削減できます。商品の内容はECサイト上で得意先が確認できるようになり、在庫も販売可能数として表示されるため、問い合わせが大幅に減るでしょう。また、受注したデータは保管され、過去の発注情報の照会も簡単にできるようになります。
ECサイト化することで、発注に関する入力作業はすべて発注側に任せられるようになります。そのため、電話での受注における聞き間違いや、FAXで受注した際の読み間違い、さらに販売管理システムなどへの誤入力で発生していたヒューマンエラーを削減できるでしょう。
併せて、ペーパーレス化も可能になるため、FAX・コピー用紙代や、トナー代、発注側に渡していた発注書などの印刷代などが削減できるようになり、発注書などの書類の保管コストも削減できます。
ECサイト化することは、新規顧客の開拓にも貢献します。これはオープン型のECサイトに限りますが、新たな顧客層へのリーチを拡大し、従来の営業活動ではアプローチが難しかった顧客にもオンラインで商品やサービスを提供できる可能性があります。
また、地理的な制約を受けないため、海外を含めた遠方まで顧客を広げることも可能です。ECサイトの開設は、自社の製品やサービスをより多くの人々に知ってもらう機会になるでしょう。
ECサイトの開設にはコストがかかります。特に、すべてをゼロから構築すると開発費用が高額になるため、既存サービスを利用するなどの検討が必要です。自社の規模や予算に合わせて適切なサービスを選択しましょう。
また、自社サイトの場合は、システムの保守・運用費用、サーバー費用、セキュリティ対策費用が必要になります。また、従業員へのトレーニングやシステムの運用サポートも必要になるでしょう。これらの費用を事前に見積もり、導入後の運用計画をしっかりと立てることが不可欠になります。
自社にとって最適なECサイトをつくるためには、ECサービスを選ぶための注意点を押さえる必要があります。ここでは、重要な注意点について解説します。
BtoB ECサイトの構築方法は、「パッケージシステム」「ASPカート」「フルスクラッチ」の3つにわかれます。それぞれの構築方法にはメリットとデメリットがあるため、コストと機能のバランスを考慮し、自社にとって最適な方法を選ぶことが必要です。
・パッケージシステム
ECサイト運営に必要な機能がパッケージされており、比較的安価に導入できるシステムです。自社の要件に合わせてある程度カスタマイズすることが可能ですが、柔軟性や拡張性はサービスごとに異なります。利用するサービスは十分に検討する必要があるでしょう。
・ASPカート
クラウド上で提供されるサービスで、月額料金で利用できます。初期費用もリーズナブルで、有名なものとして「Shopify」があります。スモールスタートでECサイトを立ち上げたい場合に適している一方、カスタマイズ性や機能の拡張性には限界があります。
・フルスクラッチ
ゼロからオーダーメイドで自社ECサイトを構築する方法です。自社の要件に合わせて自由にカスタマイズできることがメリットですが、開発には時間とコストがかかります。大規模なECサイトや、独自の機能を必要とする場合に適した方法です。
BtoB ECサービスを選ぶ際は、自社の業務フローに合った機能が搭載されているかを入念に確認しましょう。在庫管理や受発注管理、決済機能、得意先管理などをどのように行えるか、カスタマイズが可能かも確認する必要があります。
また、すでに基幹システムを導入している企業は、連携機能も重要な検討事項となります。システム連携が可能であれば、データを二重で入力する手間がなくなり、業務効率をさらに向上させることができます。
ECサイトをつくっても、得意先が利用してくれなければ意味がありません。そのため、電話やFAXでのやり取りに慣れている得意先にもメリットを感じてもらえるECサイトをつくることが重要です。
商品が検索しやすく、詳細もわかりやすければ、これまでの手段以上にメリットを感じてもらえるでしょう。また、「在庫数や納期の確認」「過去の注文履歴の確認」などの基本的な機能が直感的に使えることも大切です。導入前に得意先の意見をヒアリングし、ECサイトづくりに役立てることもおすすめです。
BtoB ECサイトでは、得意先情報や取引情報などの機密性の高い情報を扱います。万が一情報が漏えいすると、得意先からの信頼を失うばかりでなく、莫大な賠償が発生するケースもあるため、セキュリティ対策がしっかり施されているサービスを選ぶことが大切です。
また、ECサイトが停止すると受注業務に支障をきたし、売上に直接的な影響を与えます。そのため、システムエラーやトラブルに迅速に対応できるサポート体制を整えたサービスを選ぶことも重要になります。
BtoB ECは、企業の競争力を高めるための重要なツールです。ECサイトの導入にはコストや手間がかかりますが、長期的な視点で見れば、業務効率化やコスト削減、売上拡大など、多くのメリットが期待できます。このコラムで紹介したポイントを参考に、自社に最適なBtoB ECサービスを選び、導入を進めていきましょう。
カシオのBC受発注は、受発注業務の効率化に最適です。得意先から発注が来るとメールや画面上のアラートでお知らせするので、うっかり忘れることがなくなり、内容を確認したら「受注取り込み」をクリックするだけで販売管理システムに発注データを自動連携できます。
電話やFAX、メールなどバラバラな手段で発注を受ける必要がなくなり、入力にかかる手間も大幅に削減できます。さらに、受注した後の入力ミスも起こらなくなるため、得意先からの信頼もアップするでしょう。
発注を行う得意先は、パソコンやタブレット、スマートフォンから専用ページにアクセスして発注すればよく、得意先ごとの商品マスタも用意できるため、操作は難しくありません。従来の発注方法からの切り替えをお願いしやすくするツールも揃っており、スムーズに受発注業務のDX化を進められるはずです。
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