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掛取引とは?売掛金・買掛金の仕訳例、
会計処理の流れ、相殺処理についても紹介

2024.07.31|最終更新日:2024.07.31

BtoB取引でよく耳にする、売掛金や買掛金などの「掛取引」。その仕組みや会計処理、売掛金・買掛金の仕訳例、相殺処理について、どこまで理解していますか?

この記事では、売掛金と買掛金の基礎知識や、会計処理の流れ、仕訳例などに加え、掛取引のメリット・デメリットなど、実務で役立つ情報を網羅的に解説します。

目次

  1. 1.掛取引(かけとりひき)とは?
  2. 1-1.掛取引はBtoB(企業間)では一般的な後払い方法
  3. 1-2.勘定科目は「売掛金」と「買掛金」
  4. 2.売掛金・買掛金の会計処理の流れ
  5. 2-1.売掛金の会計処理
  6. 2-2.買掛金の会計処理
  7. 2-3.売掛金・買掛金の相殺処理
  8. 3.売掛金・買掛金の仕訳例
  9. 3-1.売掛金の仕訳例
  10. 3-2.買掛金の仕訳例
  11. 4.掛取引のメリット・デメリット
  12. 4-1.掛取引のメリット
  13. 4-2.掛取引のデメリット
  14. 5.掛取引に関するQ&A
  15. 5-1.買掛金と未払金の違いとは?
  16. 5-2.売掛金と未収金の違いとは?
  17. 5-3.売掛金・買掛金には時効がある?
  18. まとめ

1.掛取引(かけとりひき)とは?

1-1.掛取引はBtoB(企業間)では一般的な後払い方法

掛取引とは、まず商品やサービスを提供し、後からその代金の支払いをしてもらう方法です。BtoB(企業間)において一般的な方法で、請求書の送付を行うことから「請求書払い」とも呼ばれます。

BtoB(企業間)では個人間とは比べ物にならないほど多くの取引が行われます。そのため、その都度決済を行うことは効率的ではなく、後日まとめて支払う掛取引が一般的な商習慣となりました。

1-2.勘定科目は「売掛金」と「買掛金」

売掛金(うりかけきん)、買掛金(かいかけきん)は、貸借対照表の勘定科目のことです。

  • 売掛金:取引先に代金を請求できる権利
  • 買掛金:取引先に代金を支払う義務

売掛金は、取引先に商品やサービスを提供した後に、その代金を後払いで請求できる権利のことです。買掛金はその反対となり、取引先から購入した商品やサービスの代金を支払う義務のことをいいます。

2.売掛金・買掛金の会計処理の流れ

2-1.売掛金の会計処理

売掛金の会計処理は、次の流れで行います。

1.取引先に商品・サービスを販売し、売掛金を計上する
借方 貸方
売掛金 100,000円 売上 100,000円

2.入金予定日に、取引先から正しい金額が入金されているか確認

3.入金金額にズレがないことを確認し、次のように仕訳をする
借方 貸方
普通預金 100,000円 売掛金 100,000円

2-2.買掛金の会計処理

買掛金の会計処理は、次の流れで行います。

1.取引先に商品を注文

2.商品を仕入れたら、次のように仕訳をする
借方 貸方
仕入 100,000円 買掛金 100,000円

3.取引先から請求書を受け取り、内容に問題ないか確認

4.期日までに支払い、次のように仕訳をする
借方 貸方
買掛金 100,000円 現金 100,000円

2-3.売掛金・買掛金の相殺処理

同じ取引先に対して売掛金と買掛金が発生している場合、相殺処理を行えます。相殺処理を行うとお金の移動が発生せず、振込の手間や手数料を省けます。

以下は、取引先から10万円の商品を掛取引で仕入れた後、10万円分の商品を掛取引で販売した場合の仕訳です。

借方 貸方
仕入  100,000円 買掛金 100,000円
売掛金 100,000円 売上  100,000円
買掛金 100,000円 売掛金 100,000円

3.売掛金・買掛金の仕訳例

3-1.売掛金の仕訳例

商品やサービスを提供し売掛金が発生したら、経理業務で仕訳作業を行う必要があります。ここでは、売掛金の仕訳の代表例を紹介します。

売掛金を現金で回収したら
10万円の売掛金を現金で回収した場合
借方 貸方
現金 100,000円 売掛金 100,000円

売掛金を銀行振込で回収したら
10万円の売掛金を銀行振込で回収した場合
借方 貸方
普通預金 100,000円 売掛金 100,000円

売掛金の一部を回収したら
10万円の売掛金のうち5万円を現金で回収した場合
借方 貸方
現金 50,000円 売掛金 50,000円

売掛金が回収不可になったら
10万円の売掛金が回収できなくなった場合
借方 貸方
貸倒損失 100,000円 売掛金 100,000円

3-2.買掛金の仕訳例

商品やサービスを購入し買掛金が発生した場合も、経理業務で仕訳作業を行います。ここでは、買掛金の仕訳の代表例を紹介します。

買掛金を現金で支払ったら
10万円の売掛金を現金で支払った場合
借方 貸方
買掛金 100,000円 現金 100,000円

買掛金を銀行振込で支払ったら
10万円の売掛金を当座預金から支払った場合
借方 貸方
買掛金 100,000円 当座預金 100,000円

商品の一部を返品した場合
不良品があり5万円分を返品した場合
借方 貸方
買掛金 50,000円 仕入 50,000円

4.掛取引のメリット・デメリット

4-1.掛取引のメリット

支払う側のメリット
支払う側にとっての掛取引のメリットは、取引ごとに支払う必要がないことです。特に取引が多いケースほど、支払い業務が煩雑にならないメリットを享受できます。

また、支払う前にすぐ商品やサービスを利用できることもメリットです。製造業において、原材料をすぐ入手できることで、生産が止まるリスクを軽減できるでしょう。

支払われる側のメリット
支払われる側にとってのメリットは、得意先に対して柔軟な支払い方法を提案できることから、販売機会が拡大することです。

そして、それを通して得意先との信頼関係も構築しやすくなるでしょう。そこから新たな取引先を紹介してもらえる可能性もあります。

4-2.掛取引のデメリット

支払う側のデメリット
掛取引の場合、支払いを忘れるリスクがあります。複数の取引先がある場合、管理が煩雑になり期限を過ぎてしまうこともありえます。取引先からの信用の低下につながるため、しっかりとした支払い管理が必要です。

支払われる側のデメリット
掛取引の場合、得意先が期日までに支払わない、未回収のリスクがつきまといます。これが最大のリスクです。未回収があると資金繰りに影響を与える場合があるため、特に新規取引先では注意が必要です。

また、掛取引を行うと債務管理業務が発生し、件数が増えるほど管理コストが増大します。そのほかに、取引先の倒産などで回収できなくなるリスクもはらんでいます。

5.掛取引に関するQ&A

5-1.買掛金と未払金の違いとは?

未払金とは、固定資産や有価証券、外注費、消耗品など、仕入に関連しない取引における債務のことです。買掛金とは、仕入に関連しているか否かの点で異なります。

例えば、業務で使用するパソコンの購入費、コピー用紙などの消耗品の購入費用などが該当します。

5-2.売掛金と未収金の違いとは?

未収金は、自社の商品やサービスではないものを売却し、その代金を後から受け取る場合に使う勘定科目です。本業に関連した収入か否かの点で異なります。

例えば、固定資産や有価証券などの売却で得た収入などが該当します。

5-3.売掛金・買掛金には時効がある?

売掛金と買掛金には時効があります。売掛金、買掛金ともに時効は5年です。5年以上請求をしないと請求できなくなります。

しかし、買掛金の支払請求、もしくは一部支払が行われていた場合は、この限りではありません。

まとめ

この記事では、BtoB取引で欠かせない「掛取引」について、基本的な仕組みから具体的な会計処理、メリット・デメリット、そして未回収リスクへの対策まで網羅的に解説しました。

掛取引の導入を検討している企業や、取引における不安を抱えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

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