コラム
企業経営において、仕入債務(買掛債務)の管理は重要です。適切な仕入債務の管理は、健全な資金繰りと安定した事業運営につながります。
ここでは、仕入債務とはどのようなもので、何が含まれるかを説明するとともに、仕入債務回転期間についても詳しく解説します。財務分析の重要指標である仕入債務回転期間の計算方法や業界平均値も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
仕入債務(買掛債務)とは、企業が商品や原材料を購入したものの、未払いとなっている債務のことです。
仕入債務は、商品やサービスの代金を決済するまで「債務」となります。しかし、多くの企業では、後から振込や手形で決済する「掛取引」が基本となっており、仕入債務が発生するのが一般的です。
会計帳簿上は、次の3つの勘定科目が仕入債務に該当します。
仕入債務に含まれるもの | 概要 |
---|---|
買掛金 | 商品や原材料を掛取引で仕入れた際に使用する勘定科目 |
支払手形 | 商品や原材料を手形取引で仕入れた際に使用する勘定科目 |
受取手形譲渡高(貸借対照表上では脚注表示) | 支払期日が来ていない裏書手形の額面合計額 |
仕入(買掛)債務回転期間とは、商品や原材料を購入してから、実際に代金を決済するまでの期間のことです。
企業の財務状態を分析するためには、売上債権、棚卸資産、そして仕入債務のチェックが必要です。そして「仕入債務回転期間」は、その企業の資金繰りが適正かを判断する重要な指標となります。
仕入債務は負債です。そのため、増えすぎると資金繰りが苦しくなります。例え業績が順調であっても、手元のキャッシュに対して仕入債務が増えすぎて、黒字倒産する可能性があります。
事業の規模が大きくなればなるほど、売上と負債の規模は大きくなっていきます。仕入債務が増えすぎないようにチェックすることはとても大切で、そのために仕入債務回転期間は必要な指標なのです。
また、仕入債務回転期間は、一般的に40~60日程度が目安です。これよりも長ければ、自社目線では資金繰りが楽である一方、金融機関などからは、経営状態が悪化していて資金繰り支払いを先延ばしにしているのではないか…と捉えられる可能性があります。
反対に、これよりも仕入債務回転期間が短い場合、仕入先との契約において、自社にとって不利な支払いサイト条件になっている可能性があります。
財務省によれば、全産業・全規模の仕入債務回転期間は「1.37月」となっています(42日程度)。さらに、製造業と非製造業、さらに資本金別では以下のようになります。
資本金 1,000万円未満 |
資本金 1,000万円~1億円 |
資本金 1億円~10億円 |
資本金 10億円以上 |
|
---|---|---|---|---|
製造業 | 0.76月 | 1.43月 | 1.78月 | 1.70月 |
非製造業 | 0.62月 | 1.22月 | 1.55月 | 1.37月 |
出典:法人企業統計調査からみる日本企業の特徴(資料2)|財務省
仕入債務回転期間は、次の計算式で求められます。
月単位の場合
年単位の場合
※仕入債務は一般的に期首と期末それぞれの残高の平均値を用いる
なお、月単位、年単位どちらで計算しても結果は変わらないため、どちらで計算しても構いません。
しかし、支払いサイトや入金サイクルは月単位のことが多いため、仕入債務回転期間も月単位で計算したほうが理解しやすいでしょう。
仕入(買掛)債務回転期間の計算には、仕入高を調べる必要があります。
仕入高は決算書には記載されていないので、有価証券報告書の「第一部>第2事業の状況>2生産、受注及び販売の状況(販売及び仕入の状況)」を確認します。
しかし、業種にもよりますが、仕入実績が掲載されていないことはしばしばあります。その場合は、仕入高とほとんど等しい関係となる売上原価で代用します。正確ではありませんが、大まかな傾向を計算できるはずです。
売上債権回転期間とは、商品を販売してから、代金の回収が完了するまでの期間のことです。企業間の取引は掛売りが主流のため、販売してから代金を回収するまでにタイムラグができます。
このタイムラグ(売上債権回転期間)が仕入債務回転期間よりも短ければ、売上代金を先に回収し、そのお金で支払ができるため、キャッシュフローに余裕ができます。これが反対だと、売上は十分あったとしても、資金繰りが苦しくなる場合があります。
仕入債務回転期間は、企業の資金繰り状況を把握するための重要な指標です。適切に管理することで、企業の財務健全性を維持し、安定した事業運営が可能になります。
企業は、自社の仕入債務回転期間を定期的に把握し、資金繰りの健全性を評価・適切な経営判断を行うことが大切です。売上債権回転期間とのバランスにも注意しながら、健全な資金繰りの実現を目指しましょう。
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