コラム
卸売・製造業では、特定の時期に業務が集中する「繁忙期」が付きものです。繁忙期は稼ぎ時である一方、従業員の負担増加や、それに伴う品質の低下など、様々な課題を抱えています。
この記事では、繁忙期における具体的な問題点と、その対策について解説します。また、DX化が進む中で議論される「卸売業はなくなるの?」という疑問についても触れていきます。
目次
卸売業や製造業では、季節要因や市場の需要変動、キャンペーンやイベントの影響により、業務量が増える時期があります。これを「繁忙期(はんぼうき)」と呼びます。
繁忙期には、普段の業務量では考えられない大量の注文が集中します。いわゆる「稼ぎ時」ではあるものの、従業員が通常勤務時間内に処理しきれない状況が発生し、残業や休日出勤が発生するため、トラブルが起きやすくなるデメリットもあります。
なお、数日だけ忙しくなる場合は繁忙期とは呼ばず、数週間から数ヶ月間にわたって業務量が増加する場合に使われます。また、反対語として「閑散期(かんさんき)」があります。
繁忙期は事業における稼ぎ時です。売り上げがアップすることはメリットですが、注意すべき課題や注意点もあります。
繁忙期は、受注量の急激な増加に対応するため、従業員が時間外勤務を行うケースが増えます。長時間に及ぶ残業や休日出勤は、従業員の心身に大きな負担をかけ、体調不良やストレスの蓄積を招きかねません。
その結果、作業効率の低下やミスの増加が起こり、業務への不満から従業員のモチベーションにも影響が出るなどの悪影響を及ぼす可能性があります。
急ピッチで業務を進める中では、確認作業やダブルチェックが十分に行われず、入力ミスや伝達ミスが発生しやすくなります。このようなミスは、受注内容の誤りや納期の遅延、さらには顧客からのクレームにつながることがあります。
ミスが多発すると、そのリカバリーや再確認に余分な時間がかかり、結果として業務全体の効率がさらに低下することになります。
繁忙期における長時間労働は、従業員の精神的・肉体的な疲労を招きます。特に、連日の休日出勤や過度の残業は、従業員の健康状態を悪化させ、離職や病欠の原因になることが懸念されます。
離職が進むと、現場の熟練した人材が失われ、新たな人材の採用や育成にかかるコストが増大します。結果として、企業の競争力が低下する恐れがあります。
繁忙期に残業や休日出勤を行う従業員が増えると、人件費がアップします。また、派遣スタッフやアルバイトなどの臨時採用を行うと、人件費は大幅に増加します。
短期的には業務のカバーが可能になるものの、全体のコスト構造が悪化し、売り上げが伸びたとしても利益率の低下につながるケースが多くなります。そのため、効率的に業務を行い、人件費を増やしすぎないことも重要になります。
繁忙期を乗り切るためには、準備と対策が不可欠です。ここでは、業務効率の向上と従業員の負担軽減を実現するための4つの具体的な対策をご紹介します。
繁忙期における業務の混乱を防ぐためには、まず現状の業務フローを見直すことが大切です。受注から納品までの一連のプロセスに、無駄な工程や重複する作業がないかをチェックし、あれば排除して繁忙期に備えましょう。
例えば、紙ベースの管理や手入力の作業は、デジタルツールを活用することで大幅に効率化できます。また、業務プロセスの標準化とルールの明確化を進めることで、業務量の増加にも柔軟に対応できる体制を整えることができるはずです。
業務の進捗状況や問題点を迅速に共有するためには、社内での円滑なコミュニケーションが大切です。社内コミュニケーションツールの活用や、定期的なミーティングなどの対策を検討しましょう。
現場で発生したトラブルや改善提案を速やかに共有し、適切な対応策を講じることで、繁忙期における混乱を最小限に抑えることができるはずです。
情報共有の強化は、各工程の進捗状況の可視化にもつながるため、管理者が全体の状況を把握しやすくなることも期待できます。
近年、受発注システムなどのITシステムが多く登場し、FAXや電話による注文処理から、Web上での受注・発注管理へと移行する企業が増えています。こうしたシステムを導入することで、受注にかかる労力が大幅に削減でき、入力ミスの削減や業務の迅速化も実現できます。
また、受発注システム上で受注データを一元管理することで、基幹システムとの連携も容易になります。リアルタイムで状況を把握できるようになれば、急な受注増にも迅速に対応できる環境が整うでしょう。
これらの対策を行うことで、従業員の時間外労働時間は最小限にできるようになり、臨時の派遣スタッフやアルバイトスタッフの採用も少なく済むはずです。
しかし、それでもやはり繁忙期は忙しいもの。人的リソースの最適な配置は不可欠といえるでしょう。シフトを再検討したり、各部署間の連携を強化したりすることで、従業員一人ひとりにとって無理のない業務割り当てを行いましょう。
また、業務の優先順位を明確にし、緊急性の高いタスクとそうでないタスクを区別することで、業務はさらに効率化できるはずです。
一部では、「卸売業がなくなるのではないか」という議論が広がっています。なぜそのような懸念があるのか、背景にある要因と、受発注業務の改革について解説します。
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、卸売業界でも従来のアナログな受発注方式からの見直しが進んでいます。
卸売業の受発注プロセスは、これまでFAXや電話、手入力に頼ることが多く、スピードと正確性の面で大きな弱点となっていました。しかし、従来の手法に固執していると、競争に取り残されるリスクが高まると考えられます。
また、DXの進展により、業界によっては従来の仲介業務が不要となりつつあり、メーカーと小売業者や顧客が直接取引できる環境も整いつつあります。この流れが、「卸売業がなくなる」とささやかれる一因になっているのです。
受発注業務の自動化や、システム連携による効率化は、企業全体のコスト削減や顧客対応力の向上につながります。
自動化が進むことでヒューマンエラーが減り、受注処理のスピードや正確性が大幅に改善されるでしょう。これにより、顧客からの信頼が高まり、長期的な取引関係が構築しやすくなります。また、業務効率の向上は従業員の働き方の改善にも寄与するはずです。
これらの業務改善は競争力を高めるために欠かせません。卸売業界が存続するための重要な要素になるはずです。
卸売業界を取り巻く環境は、今後も変化すると予測されます。DX化だけでなく、消費者の購買行動の変化や、グローバル化の進展も影響するでしょう。
そうした中で従来の卸売業界は、国内外の新興勢力との競争にさらされるかもしれません。企業は業務フローの見直しに加え、デジタル技術を活用したスマートなビジネスモデルの構築に取り組む必要があるでしょう。
時代にあった業務フローを構築し、基礎体力を固めることで、小売店への商品の安定供給を始めとする、卸売業者ならではの良さが活きてくるはずです。
繁忙期対策は、卸売・製造業の成長のために避けては通れない課題です。業務フローの見直しや、ITシステムの導入、適切な人員配置など、様々な対策を行うことで、業務効率の向上と従業員の負担軽減を実現できるはずです。
また、卸売業界を取り巻く環境が大きく変化する中、デジタル技術を活用した業務改革は、業界の存続と発展においてこれまで以上に重要になるでしょう。従来の強みを活かしながら、時代に合わせて改善を進めることが、今後の成長への道筋となるはずです。
カシオの受発注システム「BC受発注」は、卸売業・製造業の受発注業務を効率化します。
得意先はスマートフォンなどから24時間発注可能。データは一元管理され、受注するとメール通知、もしくはダッシュボード上へ通知が届きます。FAXやメールのように発注を見落とすミスを防げます。
受注内容を確認したら、「受注取り込み」機能を使って販売管理システムへデータを連携。手入力を減らすことで、業務にかかる時間を減らし、ヒューマンエラーの抑制に寄与します。
以下のページでは、BC受発注について詳しく紹介しています。検討の参考にぜひご覧ください。
https://web.casio.jp/bc-order/