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納期とは?リードタイムや納期短縮、輸送期間など納期を守る方法を解説

2025.04.25|最終更新日:2025.04.25

卸売業では、仕入れた商品を取引先へ納品するまでの流れをいかにスムーズにするかが課題となります。その際に重要となるのが「納期」です。今回は、納期の基本から、リードタイムや納期短縮のポイント、納期遅延が招くリスクなどをわかりやすく解説します。

目次

  1. 1.「納期」とは? 似た用語も解説
  2. 1-1. 「納期」とは納品の期限日のこと
  3. 1-2. リードタイムと納期の関係
  4. 1-3. 納期・納入日・納品日・到着日の違い
  5. 2.納期を守ることが大切な理由
  6. 2-1. 顧客からの信頼を維持するため
  7. 2-2. 自社と取引先の業務を円滑に進めるため
  8. 2-3. 余計なコストを抑制するため
  9. 3.納期を守る体制づくりのポイント
  10. 3-1. 在庫計画の見直し
  11. 3-2. プロセスの見える化
  12. 3-3. 人員配置の最適化・社員の教育
  13. 3-4. 出荷業務の効率化
  14. 4.まとめ

1.「納期」とは? 似た用語も解説

まずは「納期」がどのような意味かを解説します。納期と関係の深い「リードタイム」や「納入日」「納品日」「到着日」といった用語についても見ていきましょう。

1-1.「納期」とは納品の期限日のこと

卸売業における「納期」とは、商品を取引先(小売店や企業などの顧客)に届ける期限日のことを指します。

納期は、自社と取引先の業務を円滑に進めるうえで非常に重要。そのため、納期を守れない場合、取引先からの信頼を失いかねず、自社の業務にも影響が出ます。

1-2.リードタイムと納期の関係

「リードタイム」は、注文を受けてから商品を納入するまでに要する期間を指す用語です。卸売業を例に挙げた場合、リードタイムには次のような工程が含まれます。

  • 受注した情報の処理
  • 倉庫からのピッキング・梱包
  • 配送手配と輸送

納期の設定は、受注から商品の出荷・到着までの期間だけでなく、リードタイム全体を考慮する必要があります。リードタイムを正確に把握できれば、無理のない納期を設定できるようになり、納期に間に合わなくなるリスクを低減できます。

1-3.納期・納入日・納品日・到着日の違い

納期と似た用語に「納入日」や「納品日」「到着日」などがあります。それぞれの意味は次の通りです。

納期
納期とは「この日までに商品を届ける」という期限日のことです。期限なので、後述する納入日の指定がなければ、その日より早く納品しても問題ありません。

卸売業の場合、顧客となる小売店や企業がその納期を前提に販売計画を立てるため、納期を守らないと取引先の事業にも影響を及ぼします。納期を厳守することは必須といえます。

納入日
納期と大きな違いのない用語ですが、「この日に納品する」とあらかじめ決まっている場合の「指定日」としてのニュアンスで使われます。

納品日
納品書などの伝票における「納品が完了した日」のことです。例えば、納品が遅れて月をまたぐと請求にも影響が出ます。実務上、重要な日付と言えるでしょう。

到着日
商品が実際に到着する日のことです。納期を商品の出荷日と到着日どちらで考えるかは業界や企業によって異なる傾向があります。

2.納期を守ることが大切な理由

納期を守ることは、取引先からの信頼を維持することや、余計なコストの発生を抑えるために重要です。ここでは、納期を守ることが大切な理由について見ていきましょう。

2-1.顧客からの信頼を維持するため

卸売業など多くの取引相手のいるビジネスでは、取引先からの信頼が特に重要です。

納期を守って商品を納めることで「安定して取引出来る業者」という評価を得られ、長期的な取引関係を築きやすくなります。

反対に、遅延が続いた場合は「この会社は信用できない」という印象を与えてしまい、他社へ発注を切り替えられてしまう可能性があるでしょう。

2-2.自社と取引先の業務を円滑に進めるため

納期を守ることは、業務を円滑に進めるためにも重要です。仮に納期に遅れてしまうと、取引先の販売計画に影響を与え、取引先の顧客に迷惑をかけてしまう可能性があります。

また、自社内でも報告や調整に時間を取られてしまい、場合によっては取引先へ出向いてフォローが必要になるケースもあるでしょう。そうしたイレギュラーが発生すると、やはり業務効率は低下してしまいます。

2-3.余計なコストを抑制するため

納期を守れず遅れが発生すると、卸売業者には次のような追加コストがかかる可能性があります。

  • 急ぎで配送するために人員を割いて対応する
  • 取引先からのクレーム対応、キャンセル対応
  • スケジュール変更に伴う時間外労働

こうしたイレギュラー対応が多くなってしまうと、時間外労働が増えることも考えられ、長期的には従業員のモチベーション低下にもつながります。適切な納期管理は、余計なコストの発生を防ぐうえでも重要です。

3.納期を守る体制作りのポイント

納期を確実に守れる体制を作るためには、在庫管理や人員配置など、様々な要素の見直しが大切です。ここでは、納期を守れる体制作りのために、押さえたいポイントを解説します。

3-1.在庫計画の見直し

卸売業の場合、在庫があれば受注してすぐに納品できます。そのため、安定した在庫を持つことで納期を短縮できます。

在庫を増やしすぎると保管コストがかさみ、不良在庫にもつながるため、在庫数は適切に保つ必要があります。需要変動を見極めながら、必要な在庫数を調整することが大切です。

3-2.プロセスの見える化

受注から出荷、配達完了までの各工程がどのように進んでいるかを全員が把握できる状態にすることで、問題が発生した際にスムーズに対処できるようになり、納期に関するトラブルを最小限に抑えられます。

こうした「見える化」には、システムを導入して受注・在庫・出荷状況を一元管理する方法が一般的です。卸売業では複数の取引先を抱えるため、誤出荷や在庫切れを早期に発見できるメリットは大きいでしょう。

3-3.人員配置の最適化・社員の教育

繁忙期や、季節要因・イベント要因による注文量の増加が生じると、通常時と同じ体制では対応しきれない場合があります。納期を確実に守るためには、受注状況に合わせた柔軟な人数調整や、業務全体を把握した適切な配置が大切になるでしょう。

また、業務に熟練した人材が多ければ、繁忙期でもスピーディーに出荷できる可能性が高まります。そのためには、日頃から社員のスキルアップを適宜行う必要があるでしょう。

3-4.出荷業務の効率化

卸売業では、スピーディーな出荷作業も重要です。検品や梱包作業の効率化を進めるほか、よく出る商品を作業しやすい場所に置くなど、在庫レイアウトを見直すことでも出荷にかかる時間を短縮できます。

また、在庫の先入れ先出しがしやすい環境を整えることも大切です。スムーズな出荷が可能になると同時に、特別な負担なく、古い在庫を抱えることを防げるようになります。

4.まとめ

納期は「いつまでに商品を届けるか」を示す、卸売業において重要な期限です。リードタイムの把握や適切な在庫管理、倉庫内の作業効率化など、複数の観点から対策を講じることで、納期トラブルを大きく減らせるでしょう。

納期を厳守できれば、取引先との信頼関係を強化できるだけでなく、コスト削減や取引規模の拡大にもつながります。これから卸売業のビジネスを伸ばしていくためにも、今回ご紹介したポイントを意識しながら、自社の納期管理体制を見直してみてはいかがでしょうか。

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