カシオ電子楽器1号機「Casiotone 201」が
国立科学博物館の「未来技術遺産」に登録

Casiotone 201(CT-201)

1980年に発売したカシオ電子楽器1号機「Casiotone 201」が、楽器を奏でる喜びを多くの人に提供したとして、国立科学博物館が行う2020年度重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録されました。

「Casiotone 201」は、独自の発音システム「子音・母音システム」※により、それまでの電子鍵盤楽器とは一線を画す自然で味わいのある音色を奏でられるほか、シンプルなインターフェースやコンパクトサイズを実現。当時、楽器に触れる機会のなかった方でも手軽にさまざまな美しい音色を楽しめる電子楽器として、多くの人々に楽器演奏の機会を提供し、市場に大きな影響を与えたことが評価されました。

「全ての人に音楽を奏でる喜びを」という思いから開発された「Casiotone 201」の誕生から40年。
ひとりでも多くの人に音楽の楽しさ、奏でる喜びを届けるため、これからもカシオ電子楽器は進化し続けます。

※ 子音・母音システム:音は立ち上がり部分を「子音」、持続・減衰部分を「母音」との2つに分けることができます。「子音」部分と「母音」部分に相当する別々の音を微妙に変化させながら合成し、1つの音として創りだすシステムです。

9月15日に東京・上野の国立科学博物館にて行われた2020年度重要科学技術史資料(未来技術遺産)登録証授与式の模様

選定理由詳細

音の波形の立ち上がり部分(子音)と減衰部分(母音)を2種類のLSIで発 生させ、各々D/A変換して合成するという当時としては画期的な「子音・母音システム」と呼ばれる音源方式を採用した小型電子キーボードである。楽器専門メーカーが当時、新しいジャンルであるポータブルキーボードの市場投入を図る中、カシオ計算機が楽器分野に新規参入し、脚光を浴びた。49鍵の標準鍵盤でスピーカー内蔵、同時発音数8音、29種類の楽器音を搭載して、当時97,000円という低価格を実現した。手軽に美しい音色を楽しめるという点で音楽人口を拡大した機種として重要である。

「未来技術遺産」とは
独立行政法人国立科学博物館(館長:林 良博)が、「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」及び「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図るため、2008年度から実施している登録制度です。