前田鎌利
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FORESIGHT VIEW

プレゼンテーションの達人が語る!
予測不能な時代における
これからの“伝わる”プレゼンテーションとは

第1回

コロナ禍で浮き彫りになった
コミュニケーションの重要性

プレゼンテーションクリエイターであり、書家としても活躍されている前田鎌利さんと、持ち運べる大画面プロジェクター カシオのFORESIGHT VIEWが、これからの時代に求められるプレゼンテーションをお伝えする全3回連載企画。第1回のテーマは、プレゼンのベースにある”コミュニケーション”について。コロナ禍で対面の機会が減った今、オンライン会議などを通じて前田さんが再認識した懸念点とは。日本人特有の課題にも触れつつ、コミュニケーションの重要性について語っていただきます。

「思い」ではない。
「念い」が伝わるプレゼンを

不確実性が高くなり、過去の答えが通用しない現代。その中で成功を掴むためには、限りある情報を元に思考を構築・整理し、他者にわかりやすく伝える自己表現力が必要となります。前田さんは、プレゼンテーションを自己表現の重要なツールとして位置づけ、企業や個人を問わずプレゼンのスキルを多くの方に広めるべく、さまざまな活動を展開されています。

前田さんは大学卒業後、光通信、ソフトバンクなど通信業界に従事。2010年、ソフトバンクの孫正義社長(現創業者取締役)が後継者育成を目的に立ち上げた「ソフトバンクアカデミア」一期生に選考され、さまざまな経営課題の解決をテーマにプレゼン。参加者300人の中で、プレゼンテーション評価初年度総合1位を勝ち取ります。その実力を孫社長に買われ、孫社長が行うプレゼンテーションのスライド作成や演出などに携わりました。

前田さんがスライドの作成に携わった ソフトバンクアカデミア特別講義 「危機克服の極意」の風景

プレゼンを行う上で、前田さんが常に意識しているのが「念」に「い」の送り仮名を振った「念い(おもい)」という概念です。

「ただ思うのではなく、伝えたいという気持ちにしっかりと向き合うことが大切です。人一人ができることには限界があります。ときには他者に承認や協力を仰がなければいけない。自分が何をしたいのか? 実行することでどのようなメリットがあるのか? 自分の気持ちを伝え、納得してもらわないと同意してもらえません。相手の視点になって突き詰めて考えることで『念い』は生まれます。」

「念い」は、一方通行ではなく、双方向的な深い理解を伴うもの。つまり、プレゼンとはコミュニケーションなのです。

前田さんのプレゼンには相手の心を動かす「念い」が込められています。

オンライン会議だと圧倒的に情報の量が不足する

そのコミュニケーションの取り方が、コロナ禍において180度変化しました。対面での接触を避け、オンラインによる会議やプレゼンが増加。前田さんも2021年3月現在、打ち合わせの約9割をオンラインで実施しています。しかし、情報が伝わる深度はリアルほど深くない、と前田さんは語ります。

「オンライン会議だとリアルに比べて圧倒的に情報量が足りません。皆さん画面を凝視してしまうので、例えば横顔など、まさにその人の側面的な情報はカメラに映りません。バストアップだと体の動きも見えにくい。空気感が伝わりにくいですね。」

最大限伝わる努力をしてオンライン会議に臨んでいるとのことですが、受け取る情報の量は不足してしまいます。

オンライン会議の盲点として、休憩中の過ごし方についても前田さんは指摘。対面での会議であれば、小休止の合間に参加者同士で雑談をしたり、その雑談を周囲の参加者が耳にすることもできます。オンラインだとそれぞれが自分の空間に戻ってしまい、雑談の余地はなくなってしまいます。

日頃のコミュニケーションが良好な信頼関係をつくる

コミュニケーションしやすい対面での打ち合わせは貴重となっています。

「意思疎通を図る上で、このようなちょっとしたコミュニケーションが実は重要。会議に行くまでのエレベーターでも『そういえばあの件、どうなりました?』と気軽に聞けますよね。オンラインで聞くまでもないことでも、その場で回答がもらえます。オンラインベースでコミュニケーションを取ると、報連相が不足するんです。」

常日頃のコミュニケーションは、相手との関係を良好にします。前田さんはその積み重ねを、“信頼貯金”という言葉で表現。「”信頼貯金”があると、決裁者に自分の意見を汲み取ってもらいやすくなります。信頼が厚い人の意見は通りやすい。プレゼンの勝率に関わってくるというわけです。」

もちろん、コロナ禍における感染拡大防止の観点から、オンラインコミュニケーションは必要ですが、リアルでの打ち合わせがなくなることはないでしょう。限りある対面のチャンスを逃してはいけません。

コミュニケーションが
不足しがちな日本人

「そもそも、日本人は海外のビジネスパーソンと異なり、双方向のコミュニケーションが苦手だと感じています」と前田さん。

「外国人は日常的にパーティーを開くなど社交性が高く、プレゼンも相手の反応や質問をキャッチしながら進めます。対して日本人は学校で『発表』を学びます。発表はプレゼンとは全く別物で、一方通行です。自分の主張をただ通すことに慣れすぎていて、コミュニケーションになっていない。その慣習が、プレゼンに限らずコミュニケーション不足を招いているのだと思います。」

一方的に主張するのではなく、相互理解を生み出すのが前田さんのプレゼン。また、一度限りの刹那的な手段ではなく、組織や人間関係の中で信頼を積み重ね、自分が想い描くキャリアを築くための武器にもなります。次回より2回にわたり、その鎌利式プレゼン術をカシオ・スマートスタイル・プロジェクターFORESIHGT VIEWの利便性とともにお伝えしていきます。今を生きるプレゼンター必見の内容です。

第2回 “念い”が伝わる鎌利式プレゼン術(前編)

前田鎌利MAEDA KAMARI

プレゼンテーションクリエイター/書家
株式会社 固 代表取締役/一般社団法人 継未 代表理事 一般社団法人 プレゼンテーション協会 代表理事

1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、17年にわたり通信業界に従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、初年度第1位を獲得。孫社長のプレゼン資料づくりも担当。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。
2013年12月にソフトバンクを退社、独立。
ソフトバンク、ベネッセ、ジャパネットホールディングス、松竹、Jリーグ、KDDI、日立システムズ、キヤノンなど年間200社を超える企業にて講演・研修を行う。著書「社内プレゼンの資料作成術」「社外プレゼンの資料作成術」「プレゼン資料のデザイン図鑑」(ダイヤモンド社)などは累計30万部を超える。(2021年3月時点)
2018年12月、一般社団法人プレゼンテーション協会を設立、代表理事に就任。
また、書家としてJAXA「こうのとり」、Jリーグ「絶対突破」、Softbank「志高く」、羽田空港 パワーラウンジの常設展示など多くの作品を制作。国内外での書のパフォーマンスを精力的に行い評価も高い。全国に書道塾「継未-TUGUMI-」を展開する。

プレゼンテーション協会HP: https://presen.or.jp/
固HP: https://katamari.co.jp/
継未HP: https://tugumi.or.jp/
書家 前田鎌利HP: https://maeda-kamari.com/

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