好奇心旺盛な子どもたちへ
映像による新たな体験を。
FORESIGHT VIEWで実践する
「新しい保育」のカタチ。
京都市立上賀茂幼稚園
導入機種:CX-E1
世界遺産の上賀茂神社や、天然記念物のカキツバタで有名な大田神社、生活圏内にオオサンショウウオが生息する賀茂川が近くに流れるなど、自然豊かで歴史や文化の宝庫である上賀茂に位置する京都市立上賀茂幼稚園。広い園庭で子どもたちは毎日元気に走り回っています。同園では、2021年7月にカシオの小型軽量プロジェクターFORESIGHT VIEW(CX-E1)を導入。未来を担う子どもたちのために、映像を通じたこれまでにない体験を提供することで、豊かな想像力を育む「新しい保育」のあり方を実践しています。
❶軽量・コンパクトで準備が楽に
- 従来の大きくて重いプロジェクターでは、「今使いたい」と思っても準備に時間がかかる。
- セッティングが簡単で起動も速いので、子どもたちを待たせることなくすぐ使えるようになった。
❷プロジェクターによる新たな保育活動を創出できた
- 保育活動にICT機器を取り入れたいと思っていたが、どのように活用したらいいのか試行錯誤していた。
- 映像を見るだけでなく体験する機会を作ることができ、機器に苦手意識のある人でも誰でも気軽に使うことができるので使用する機会が増えた。
京都市立上賀茂幼稚園
事業内容:幼児を対象とした教育事業
事務所所在地:京都市北区上賀茂烏帽子ヶ垣内町1
URL:http://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?id=500104
プロジェクターを使った
新しい保育とは?
京都市立上賀茂幼稚園は、「遊びを通して学ぶ」「実体験を重視し豊かな体験から数多くの経験を積む」ということを大切にし、日々の保育を行っています。今年度、同園では京都市教育委員会から「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた実践研究事業」として研究指定を受け、ICT機器を活用して子どもの体験をより豊かに彩るための取り組みをスタートしました。
保育のICT化というと難しく聞こえるかもしれませんが、プロジェクターを使って映像を投映する「プロジェクションAR(拡張現実)」や、離れた場所にいる人と「オンラインでコミュニケーションをとる」こともICTのひとつ。
保育者向けWebメディア「ほいくis」のInstagram公式アカウントでのアンケート調査によると、「園でプロジェクターを使っている」という保育園や幼稚園は4割ほどという結果になっています。
- 調査期間:
- 2021年12月21日(1日)
- 調査方法:
- 「ほいくis」Instagram公式アカウントでアンケートを実施
- 調査対象:
- Instagramユーザー
- 有効回答数:
- Q1.保育園・幼稚園・こども園で「プロジェクター」を使っていますか?/879件、
Q2.どんなときに使っていますか?/152件
「入園式・卒園式」「園内研修」「説明会」など、式典や会議で使うことが多いようですが、実は最近「プロジェクターを使った保育」という新しい分野が注目され始めています。そうした傾向をいち早く体現しているのが、今回ご紹介する上賀茂幼稚園なのです。
同園では、カシオの小型軽量プロジェクター「FORESIGHT VIEW」を活用して、新たな学びの機会を創出するなど、保育のICT化を積極的に進めています。
軽量・コンパクトで明るい
「FORESIGHT VIEW」を導入
上賀茂幼稚園の下村園長によると、園には大きなプロジェクターがすでにあったといいます。それではなぜカシオのFORESIGHT VIEWを新たに導入したのでしょう。その理由を下村園長はこう答えます。
「保育では、子どもたちの反応、興味に応じて適時に子どもたちの心が動く学びの場を作る必要があります。しかし、従来の大きくて重いプロジェクターはセッティングするまでが大変で時間がかかるため、すぐに投映したいと思ってもタイミングを逃してしまいます。その点、小型で軽量な上、機器には苦手意識がある人でも簡単に操作できるFORESIGHT VIEWなら、誰でも素早く準備できるので子どもたちを待たせることもありません。」(下村園長)
FORESIGHT VIEWを実際に初めて見たときは、そのコンパクトなサイズ感と軽さに驚いたと下村園長。さらに、2000ルーメンという明るさも導入を決めた大きな要素になったそうです。
「カメラの三脚に取り付けできるので、置き場所に困ることなく、壁など投映する場所の自由度が上がりました。また、子どもの座っている目線の高さに簡単に合わせられるので、活用の幅が広がり、使用する機会も多くなりました。」(下村園長)
FORESIGHT VIEWを活用して
新しい体験を
現在、上賀茂幼稚園ではFORESIGHT VIEWをどのように利用されているのでしょう。代表的な取り組みについてお話をお聞きしました。
取り組み1「おしえて!はかせ」
「おしえて!はかせ」は、賀茂川に住む様々な水の生き物たちに対する疑問について、「博士に聞きたい、教えてほしい」という子どもたちの思いから生まれた取り組みです。当日は、オンラインでつないだ青少年科学センターの博士(職員の方)が大画面に登場し、子どもたちの質問に答えました。
上賀茂幼稚園では、近くの賀茂川から連れてきた生き物たちを飼育しています。園で飼っている生き物についての「なぜ?」「どうして?」を、担任の先生がパソコンで生き物の様子を映しながら‟博士“に質問。生き物の豆知識を教えてもらった子どもたちはとても感心した様子だったといいます。
子どもたちの思いを実現するために、この取り組みを計画した年長組担任の小川先生に聞くと、
「私たちは『実体験を通して心を動かし、子どもたちの学びに繋げていくこと』を大切に、保育を進めていきたいと考えています。子どもたちは生き物が大好きで、実際に飼育する中で多くの疑問を持っています。そこで『好奇心いっぱいになった子どもたちの気持ちを大切にしたい』と、京都市青少年科学センターにお願いをしました。そして、生物の先生という本物の博士を紹介していただき、子どもたちの前に実際に登場していただきました。」(小川先生)
大画面を通じて聞いた博士の話はとても分かりやすかったようで、やりとりが終わった後に自分がどう思ったかを話してくれる子もいたとか。コロナ禍でも「人とつながる素晴らしさ」を子どもたちが実感した体験になったようです。
取り組み2「賀茂川にワープ」
壁や天井いっぱいに賀茂川の映像を投映するのが、「賀茂川にワープ」です。照明を暗くすると、遊戯室の空間が賀茂川の中に早変わり。子どもたちからは大歓声が上がり、「魚がこっちを見ているよ」「こっちに泳いできたよ」など、思わず驚きや感動の声が上がったそう。川に飛び込んで、泳ぐような仕草を見せる子もいたといいます。
この企画は、プロジェクターをスクリーンではなく壁や天井にも投映することで、ただ映像を見るだけでなく、プロジェクションマッピング的な効果による”映像体験”を狙ったもの。
「大人にとってはバーチャルの世界でも、小さい子どもたちは映像の中に入り込みますからね。大人と違って実体験に近いものになると思います」と下村園長は話します。
FORESIGHT VIEWで大きく投映した映像は、魚などが実物よりも大きく映るという楽しさも演出。小型で軽量だから、準備も簡単に行えたといいます。さらに、2000ルーメンの明るさは、部屋を暗くしなくても映像を鮮明に投映できるため、プロジェクターを使おうと思ったときにいちいち照明を消す必要がなくなります。
「コロナ禍でなかなか遊びに行くことができない」「そうでなくても大人数での川遊びは難しい…」「だけど自然と触れ合う機会を大切にしたい」など、「賀茂川にワープ」は先生方のそんな想いから生まれた取り組みなのです。
「普段見られない世界」を覗いた瞬間の子どもたちは、たくさんの発見や想像に溢れていました。
取り組み3「オンライン歯磨き指導」
コロナ禍で、歯医者さんに来園していただいての歯磨き指導が難しいことから企画した取り組みです。歯医者さんとZoomでつなぎ、その画面をプロジェクターで大きなスクリーンに映してやり取りをしたそう。
「歯医者さんの先生に来園してもらったときと違ったのは、歯についての質問をたくさんやりとりすることができたという点です」と話すのは保健職員の中野先生です。
「なぜ歯は生え変わるんだろうとか、子どもたちからは素朴な疑問がたくさん出てきて、それに先生が答えてくださるというやりとりを行うことができたのは、もしかしたら大きい画面越しだからこそ、ちょうど映画館のように子供たちが話に集中できたという面があったのかもしれません。」(中野先生)
さらに、FORESIGHT VIEWなら大画面で教えることができるため、子供たちにとってより見やすく分かりやすい歯磨き指導になったといいます。
取り組み4「電子紙芝居」
誕生会のお楽しみで、絵本をプロジェクターでスクリーンに投映し、読み聞かせを行いました。
「コロナ禍で椅子の間を開けているため、いつものように絵本を広げても端の方の子には見えていなのではという心配もありました。そのため、プロジェクターで大きく投映し、どこからでも見えるようにできたのは良かったですね」と年長担当の川口先生。FORESIGHT VIEWで大きなスクリーンに映すことにより、子どもたちはいつも以上にお話の世界にひたることができたそうです。
FORESIGHT VIEWで
保育現場をもっと豊かに
今回ご紹介した「川の中を見る」「専門家の話を聞く」という活動は、テレビやタブレットでただ映像を見たり、話を聞いたりするだけでも実践できるものです。しかし、あえてプロジェクターを使って大きく投映することにより、ただ「見る」だけではない、まるで本当にその場所にいるかのような体験を子どもたちにしてもらいたいというのが、上賀茂幼稚園の先生方の思い。それにより受けた刺激を原動力にして、さらに想像力を働かせ、子どもたちが主体的に活動できるきっかけ作りになればと考えているそうです。
園内LANも整備され、Web環境が充実する中、保育の現場でICT機器をどのように有効活用したらいいのかを模索していたという下村園長。そうした問いに答えを与えてくれたのがFORESIGHT VIEWだったといいます。コロナ禍ゆえにできないことが体験できるようになり、普段は目にすることのできないものも見られるようになるなど、保育の可能性を広げることができたそう。
「これまでに私たちが行ってきた取り組みの数々は、軽量で操作が簡単なFORESIGHT VIEWだからこそ可能になったといえるでしょう。」(下村園長)
想像力や好奇心が旺盛な子どもたちに、園で飼っているザリガニやドンコ、カメなどの生き物を、大画面でより鮮明に詳しく見せるといった取り組みで、子どもたちがさらに興味関心を深め、様々な発見や気付きから実体験に繋がり、遊びの広がりが期待できるのではないかと現在も取り組みを進めています。
カシオのFORESIGHT VIEWがこれからも、保育の世界をより豊かに、さらに楽しく彩ってくれそうです。