導入事例
Case Study

プロジェクターを活用した振り返りが
生徒の対話を活性化し、
主体的な学びを深化させる。

奈良県立奈良商工高等学校 和太鼓部

導入機種:CX-F1-NB

奈良県立奈良商工高等学校 和太鼓部

世界文化遺産に登録されている薬師寺から徒歩15分。奈良県立奈良商工高等学校は商業系と工学系の高校であり、ICT機器の活用にも積極的です。伝統のある和太鼓部にICT機器を取り入れることで、生徒の成長を促そうと挑んでいるのが堀山佳則先生。より効果的な練習方法を模索する中で導入したのが、カシオのモバイルプロジェクター「FORESIGHT VIEW」でした。練習の振り返りを通じて生徒たち自身で気付きを深めるツールとして活用いただいています。

FORESIGHT VIEW導入の効果

「振り返り」までに時間がかかっていた

  • 和太鼓部では練習後に「振り返り」をするため、演奏の様子を撮影している。しかし、以前はweb上に映像データをアップロードしPC教室や練習後に共有していたため、「振り返り」まで時間がかかっていた。
  • モバイルプロジェクターを導入したことで練習後すぐに、その場で壁に撮影した映像を投映することで演奏の振り返りができるようになった。

同じ映像を「全員で」見ることで、学びが対話的かつ主体的に深化

  • 以前はweb上にアップロードした映像データを個々で内容を確認していたので、チーム全体での改善点の共通認識を持つことが難しかった。
  • 大きな画面で一つの映像を「全員で」「同時に」見られるようになり、改善点がすぐに共有でき対話が活性化。生徒たちの主体性が向上。

奈良県立奈良商工高等学校

所在地:奈良県奈良市柏木町248

URL:http://www.e-net.nara.jp/hs/narashoko/index.cfm/7,248,21,128,html

奈良県立奈良商工高等学校の和太鼓部で顧問を務める堀山佳則先生。同校は奈良県で数少ない、和太鼓部を擁するそうです。和太鼓は、チームとしての統一性や音の鳴り方が重要な伝統芸能です。部活動として目指す舞台は奈良県の総合文化祭のほか、近畿総合文化祭・全国総合文化祭でよい成績を残すことが最大の目標となっています。しかしながら、部活動を通じて本当に学んでもらいたいことは「生徒が人として成長すること」にあるそうです。和太鼓とは、どんな特徴を持った演奏なのか。部活動を通じて、生徒たちにどんな力を身につけてほしいのか。そのために、FORESIGHT VIEWというプロジェクターがどんな役割を果たすのか。学校にお伺いして、お話を聞きました。

和太鼓部顧問 堀山佳則先生

演奏の振り返りまでのタイムラグが課題

堀山先生にまずお伺いしたのは、和太鼓という演奏の特徴について。「和太鼓には昔は譜面がなく、口伝で曲を受け継いできたものという特徴があります。またオーケストラと違って、和太鼓には指揮者もいません。人としっかり接することがまず大前提にあった上で、チーム全員が仲間のことを理解し、お互いを感じ合いながら一つにまとまって音を出さないといけないわけです。そのプロセスにおいて、集団における自分の個性や役割、みんなで同じ方向に向かっていく方法を身につけていくことができるんです」(堀山先生)

そんな人との関わりを大切にする和太鼓部の指導において、堀山先生は生徒の自主性を尊重しています。 「生徒が成長する上で重要なのは、振り返りと客観視だと考えています。練習の様子は複数のカメラで撮影し、和太鼓部で共有しています。生徒がいつでもどこでも自分たちの演奏を見て振り、改善点を考えることができるため、自主的な学びにつながっています」(堀山先生)

しかし、これまでは振り返りまでにタイムラグがあったという課題に悩んでいたそうです。

「今撮影した演奏を『すぐに』『全員で』見返すことができれば、より密度の濃い練習ができると考えていました。そこで導入したのが、カシオのモバイルプロジェクターです」(堀山先生)

練習後に「すぐに」「全員で」振り返ることで生徒たちの自主性が育まれます。

演奏を「すぐに」「全員」で見返すことで、
主体的で対話的な学びが深化

モバイルプロジェクターを導入したことで、生徒たちの学び方はどのように変わったのでしょうか。

「練習場からPC教室に移動することなく、その場ですぐに演奏を振り返ることができるようになりました。また、全員で同時に映像を振り返ることで、生徒たちが良かった点や悪かった点を話し合い、自分たちで改善策を導き出し、練習をすぐに再開できるようになりました。もともと生徒の自主性を尊重する指導方法ではありましたが、プロジェクターを活用してから、自分たちで振り返り、気づき、改善するという深い学びのサイクルが加速したことは間違いありません。プロジェクターの導入をきっかけに、主体的、対話的に学ぶ姿勢がしっかりと身についたことが、最大の成果だと思っています。

FORESIGHT VIEWはサイズがコンパクトで、遠征での持ち運びもまったく苦になりません。スクリーンがなくても、壁やホワイトボードがあれば映せます。起動も速く、セッティングも不要なのですぐに投映することができ、練習の集中力が途切れることもありません。コードを一本差し込むだけですぐに映せるので、機械が苦手な生徒でも使いこなしていますね」(堀山先生)

生徒たちが自主的に学ぶ術を身に着けることができたことは堀山先生の想いでもある「部活動を通じた、人としての成長」の実現にもつながっています。ICT機器は活用方法次第で教育方法を進化させる可能性を秘めたツールなのです。

※所属、役職は取材時のものです。