ビジネスコラム

Vol.3
withコロナ時代の新しい商談スタイルとは?
「オンライン商談」の実態とコツを徹底解析

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ビジネスの世界で在宅勤務・テレワークが推奨される中、営業活動においては「オンライン商談」の重要性が高まっています。

そこで今回のコラムでは、導入企業が急増していると言われるオンライン商談を徹底検証。ビジネスシーンにおける実態をアンケート調査などのデータを交えてご紹介するとともに、そのメリットとデメリットにも言及し、withコロナ時代にふさわしいこれからの商談スタイルについて考察します。

オンライン商談の現状は?

コロナ禍で多くの企業に、オンライン商談の導入が急拡大したと言われていますが、実際のところはどうなのでしょう。
ビジネスパーソンのうち、外勤営業職を対象に実施したオンライン商談に関するアンケート調査の結果から読み解いてみると…。

調査① 「対面商談・オンライン商談の実態」

商談・プレゼンテーションについて、対面で実施した頻度とオンラインで実施した頻度の割合について聞いたアンケート調査から分かったのは、約4割のビジネスパーソンがオンライン商談をすでに実施しているものの、メインの手段(オンライン頻度≥対面頻度)としているのは2割のみと少数派だということ。

一方で、70.2%が今でも対面をメイン手段として選択。そのニーズはいまだに高く、オンライン商談はサブ的な手法として活用されることが多いようです。

(Vol.1参照:あなたは対面派? 非対面派?―コロナ禍のビジネスコミュニケーションについて考える―)

対面商談とオンライン商談の実施頻度 (n=103)

調査方法:インターネットリサーチ/調査時期:2020年12月/
調査対象:ビジネスパーソン(外勤営業職)/回答者数n=551

調査②「オンライン商談導入のきっかけ」

調査①で、オンライン商談を実施していると答えたビジネスパーソン全体の約4割)に導入タイミングについて質問したところ、コロナ流行を機に実施頻度が増えた(23.7%)、コロナが流行してから行うようになった(63.4%)という結果になりました。 つまり、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにオンライン商談を頻繁に活用し始めた企業が、全体の87.1%にまでのぼるということ。 オンライン商談の広がりは、新型コロナウイルスに多大な影響を受けていることは確実だといえるでしょう。

オンライン商談導入のきっかけ(n=224)

調査方法:インターネットリサーチ/調査時期:2020年12月/
調査対象:ビジネスパーソン(外勤営業職)/回答者数n=224

オンライン商談のメリットとデメリット

オンライン商談のメリット

「オンライン商談への満足点&不満点」の調査によると、満足点では「手軽さ(56.2%)」、「効率性の良さ(50.6%)」が特に高いポイントを獲得しています。 移動時間や交通費がなくなる、時間を効率的に使えるので実施できる商談数が増える、ペーパーレス商談が可能になるといった特長から、オンライン商談では「手軽さ」、「効率性の良さ」が最も大きなメリットとして多くの人に認識されています。

そのためオンライン商談は、本コラムVol.2でも述べたとおり、対面商談のデメリット解消の解決策として活用可能。商談時の目的が非対面で済むような内容なら、効率性の高いオンラインで済ませることがビジネスの世界における常識になりつつあります。

(Vol.2参照:コロナ禍だからこそ少ない訪問のチャンスをものにしたい!「成果につながる対面商談を目指して」)

オンライン商談のデメリット

一方、オンライン商談の不満点はというと、「相手とのコミュニケーションが深さ(41.6%)」、「説明のしやすさ(36.0%)」、[「説明の伝わりやすさ(50.6%)」の3点に集中しています。 これら3つの不満点は、本コラムVol.1でも述べたとおり、ちょうど対面コミュニケーションにおける満足点のトップ3に当たります。

(Vol.1参照:あなたは対面派? 非対面派?―コロナ禍のビジネスコミュニケーションについて考える―)


調査委託先:マクロミル/調査方法:インタネットリサーチ/調査時期:2020年8月末/調査対象者:ビジネスパーソン(外勤営業職)/回答者数n=89

長所を活かし、短所を補う

対面・オンライン商談は、お互いのメリットとデメリットがちょうど鏡像関係にあります。そのため、それぞれが補完し合うことでビジネスをよりスムーズに進めることができるはず。

対面・オンライン商談の得意な点と不得意な点を正しく理解し、商談の目的、営業フェーズ、期待する効果に合わせて、両手段を柔軟に活用することが大切です。

オンライン商談を上手に活用するコツ

既存顧客のフォローや情報収集に積極的に活用する

対面・オンライン商談をともに実施しているビジネスパーソンに、オンライン商談での機会が多い営業フェーズについてお聞きしたところ、「既存顧客への定期フォロー」が最多(62.1%)となりました。次点はヒヤリング・情報収集のための面談時(55.5%)と、既存顧客への新製品ご提案時(51.7%)です。
この結果から、オンライン商談はすでにつながりのある顧客への対応や情報収集に対して活用しやすい=効果が期待できることが推察できます。

一方、 謝罪(77%)・挨拶(62%)はもちろん、新規顧客への初回訪問(73%)やご提案(70%)、自社商品を詳しく説明する場面(58.3%)、機密性高い内容の商談(67%)、決裁者との商談(63%)、最終的なご提案(64%)などの場合は、対面手段をメインとして取り組んでいる営業者が多く、コラムVol.1における「大事な商談は対面で!」という主張の正しさを確認できる結果となりました。

(Vol.1参照:あなたは対面派? 非対面派?―コロナ禍のビジネスコミュニケーションについて考える―)

すでにつながりのある顧客との商談や情報収集の場合はオンライン商談、大事な商談は対面商談というスタイルが、これからの商談手段におけるスタンダードになりつつあるようです。

対面・オンライン商談での機会が多い営業フェーズ(n=211)

対面
オンライン
この営業フェーズは該当しない

調査方法:インターネットリサーチ/調査時期:2020年12月/調査対象:ビジネスパーソン(外勤営業職)/回答者数n=211

顧客との信頼関係を築く場面では利用を避ける

オンライン商談の導入効果を対面商談との比較で調査した結果、「上がった」と「変わらない」の合計が60%以上に達する項目が数多くありました。つまり、オンライン商談の導入効果を実感しているビジネスパーソンは相当数いるということ。中でも、特に成果が出ているとする回答の上位項目は、「移動の時間やコストの削減(68.7%)」「業務の効率化(40.3%)」です。

一方で、「成約までリードタイムの短縮」「成約率の向上」「売上拡大」「新規顧客拡大」「新たなビジネスチャンスの機会創出」といった営業活動における重要な項目に関しては、対面と比べて成果が上がったと感じている割合が1割前後~2割未満に限られるという集計結果が出ています。これらの項目では対面と比べて成果が下がったとする回答の割合も高くみられました。

さらに、「顧客との信頼関係の構築」、「顧客満足度アップ」、「人脈作り」に関する項目についても、オンライン商談により効果が下がったとする回答の割合が2~4割前後となりました。人との感情的なつながりが重要となる項目に関するオンライン商談の効果は低く、満足のいく成果を得られないことが明確になっています

<本調査で分かったこと>

オンライン商談は業務効率化に関して成果が出やすい。
「営業実績における重要な項目(成約率/売上/新規顧客拡大/新ビジネスチャンス創出など)」と「人との感情的なつながりが重要となる項目」に関しては、対面商談の方が効果的である。

対面・オンライン商談の導入効果との比較(n=211)

オンライン化によって効果が上がった
効果が変わらない
効果が下がった
答えられない/わからない

調査方法:インターネットリサーチ/調査時期:2020年12月/調査対象:ビジネスパーソン(外勤営業職)/回答者数n=211

これからの商談は、対面とオンラインの合わせ技

今後、オンラインを主な手段として営業活動を行いたいと回答したビジネスパーソンは2割未満に留まったものの、6割以上の人が対面商談とオンライン商談をともに実施したいと回答しています。この事実は、どちらのスタイルにもメリットとデメリットがあることがビジネスの世界で認知されつつある証といえるでしょう。

例えば、対面商談をメインで取り組んできたいとの回答は7割以上に上りました。このことから分かるのは、営業活動における重要な項目に関しては対談での商談に限ると考えるビジネスパーソンが多いということ。 ただし、現代は無駄な訪問は嫌われる傾向にあるのも事実です。不必要な商材の売り込みはもちろん、コロナ禍においては訪問自体を敬遠する企業も存在します。

こうした現状から、今後は対面とオンラインとをいかに上手く活用できるかが、商談の成否を決める重要なポイントとなりそうです。

今後メインで取り組んできたい商談・プレゼン形態(n=440)

調査方法:インターネットリサーチ/調査時期:2020年12月/
調査対象:ビジネスパーソン(外勤営業職)/回答者数n=440

まとめ

コロナウイルスの感染拡大の影響で、オンライン商談を今後も活用する企業がさらに増加することが予想されます。

オンライン商談は、移動時間や交通費がなくなるなど、営業活動の効率化が図れるため、すでにつながりのある顧客との商談や情報収集といった営業活動において優れた効果を発揮します。しかし、深いコミュニケーションが取りにくいというデメリットがあり、営業実績に直結する、人との感情的なつながりが重要となる活動に関しては、訪問と比べて成果が出にくいという深刻な課題も内包しています。

そのため、どちらか一方だけを採用するのではなく、それぞれを上手に組み合わせることが重要です。営業活動の質を上げるために、対面・オンラインという手段を柔軟に活用し、自社にとって最適なwithコロナ時代ならではの商談スタイルを創造してください。

次回コラムでは、オンライン商談の効果を最大化するための施策についてご紹介します。

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