コラム
鮮度が重要な水産物を取り扱う仲卸・小売業において、受発注業務の効率化は事業を左右する重要な要素です。従来の電話やFAXといったアナログな方法は、受注処理に時間がかかり、ミスが発生しやすいなどの問題がありました。
そこで注目されているのが「受発注システム」です。ここでは、水産業界特有の課題を踏まえ、受発注システム導入のメリットや選定ポイント、実際の導入事例を詳しく解説します。
目次
魚の仲卸・小売業は朝が早く、受注処理を深夜から早朝に行うケースが多くなっています。また、生鮮品を取り扱うためミスをできるだけ減らす必要もあります。水産業において受発注システムが求められる理由を具体的に見ていきましょう。
鮮魚の仲卸業の場合、受注処理は深夜~早朝に行われることになります。明け方に留守電の書き起こしや、たまったFAXを確認する作業が必要になり、事業者にとって負担となっていました。
鮮魚の小売業でも受注処理には時間がかかりがちでした。電話やFAXなどのアナログな受注方法は、長年使われていて実績があるものの、インターネットやデジタル技術が発展した現代において、効率的な受注方法とは言えなくなっています。
受発注システムを導入すると、得意先からの注文はシステムに自動的に蓄積されます。電話のように都度対応する必要がなくなるため、受注を効率的に処理できるようになり、受注処理にかかる時間を短縮できます。
電話や留守電での受注は、気をつけていても、聞き間違いや書き間違いなどのヒューマンエラーが起こります。特に水産業では、魚の種類や数量、状態(生、冷凍、加工など)といった情報を口頭で伝える必要があり、一つでも間違ってしまうと得意先の希望通りにはなりません。
FAXの場合も、文字の判読が難しかったり、用紙の裏表を間違えて白紙が届いたりといったケースがあります。こうした事情で起こったミスがクレームになることもあり、無駄なコストの発生を招きます。
魚の仲卸や小売業では生鮮品を扱います。そのため、以下のような課題があります。
魚介類は生鮮品の中でも特に鮮度が重要です。そのため、得意先からの受注内容を間違え、誤った魚を仕入れてしまうと廃棄ロスに直結します。反対に仕入れが漏れてしまうと、約束通りの納品が難しくなるでしょう。また、魚介類は種類が多いことも受注担当者の負担になりがちです。
しかし、受発注システムを導入すればこうした課題を改善できます。魚の種類や数量に関するミスが減り、鮮度の良い魚を確実に届けられるようになるでしょう。
受発注システムを導入することで業務効率を改善しミスを削減できます。それによって、顧客満足度のアップやコスト削減など多岐にわたるメリットをもたらします。具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。
受発注システムを導入することで、これまで多くの時間と手間を要していた受注業務を大幅に効率化できます。
受発注システムを利用する得意先は、24時間オンラインでの発注が可能になります。受注データは自動的にシステムに蓄積されるため、深夜の電話対応や留守電の書き起こし、たまったFAXの確認も不要になります。
これまで、受注を確認するために使っていた時間は大幅に短くなり、他の業務に時間を使えるでしょう。特に朝が早い仲卸業者にとって、深夜の作業を減らせることは大きいはずです。
電話やFAXでの受注は、どうしても聞き間違いや書き間違い、文字のかすれなどによる読み間違いが起こります。しかし、受発注システムを導入することで、こうしたミスを減らせます。
受発注システムを利用すると、得意先が入力した受注データがそのまま届きます。電話やFAXでの受注を手作業で転記・入力する必要もなくなるため、ヒューマンエラーを大幅に削減できるでしょう。
受発注システムの導入は、顧客満足度の向上にもつながります。得意先は24時間いつでもPCやスマートフォンから発注できるため、時間に縛られず、スキマ時間にも発注業務をこなせます。
また、受注に関するヒューマンエラーが減るため、クレームにつながるような納品ミスを減らすことができ、得意先からの信頼も高まるでしょう。
さらに、発注画面には商品情報や価格をリアルタイムに表示できるため、得意先は必要な情報を簡単に確認できて、問い合わせの手間を削減できます。過去の注文履歴もシステム上で簡単に確認できるため、リピート注文も簡略になり、得意先の利便性が向上します。
受発注システムの導入はコスト削減にも貢献します。受注処理や伝票作成などの業務が効率化されることで、業務時間が短縮され時間外労働時間が減るなど、人件費の削減につながります。
また、受発注業務のペーパーレス化が進むことで、注文書、納品書、請求書などの用紙代やFAX通信費などのコストも削減できるでしょう。
受発注システムを導入する際は、自社に合ったシステムを選定することが重要です。水産業特有のニーズに対応できるシステムを選び、使いやすさやサポート体制も確認することで、導入効果を最大限に引き出せます。
受発注システムを選定する際、水産業特有のニーズに対応していることが重要です。
魚介類は種類、産地、サイズ、状態など、非常に多様な規格で取引され、計量単位も尾、kg、箱など、商品によって異なります。そのため、受発注システムがこうした規格や計量単位、品目ごとの複数単位の扱いに柔軟に対応できることが不可欠です。
また、魚介類の価格は天候や水揚げ量といった要因によって日々変動するため、価格情報を容易に更新できることも求められます。こうした点を意識して選定すると、導入後の失敗を防げるはずです。
受発注システムを導入しても、従業員が使いこなせなければ意味がありません。日々の業務での使いやすさは、システム選定における非常に重要なポイントとなります。
特に、システムの操作画面が直感的で分かりやすく、誰でも簡単に操作できることが重要です。導入前に実際の業務環境で試用できるシステムを優先的に検討するのも一つの方法と言えます。
また、販売管理システムなどを既に導入している場合、それらのシステムと連携できるかも検討材料となります。データ連携ができれば、業務効率が大きく向上します。
受発注システムの導入を成功させるためには、得意先に使ってもらう必要があります。そのためには、発注画面が使いやすいことが重要です。直感的に使える受発注システムであれば、抵抗なく使ってもらえるでしょう。
シンプルな操作画面と分かりやすいインターフェースであれば、PCやスマートフォンの操作に不慣れな得意先にとってもわかりやすく、使い方に関する問い合わせも減らせるはずです。
受発注システムの導入・利用には、初期費用や月額費用がかかります。導入によって得られる効果とコストを比較して、十分な費用対効果を得られるか検討しましょう。
また、導入後のサポート体制も重要な判断基準となります。業務中にトラブルが発生した場合に、迅速に対応してくれるサポート体制が整っているかを確認しましょう。サポート時間や対応範囲を確認しておくことで、導入後の不安を軽減できるはずです。
受発注システムを導入した事例を紹介します。いずれも業務効率化と従業員の負担軽減に成功しています。
札幌市で水産物の卸売業を営む田中水産株式会社様は、ホテルや飲食店、病院など約100件の得意先から毎日120~130件の注文があります。
課題となっていたのは、受注内容の転記に毎日5~6時間を要していたこと。受注方法は得意先指定のシステムが60%、電話・FAXがそれぞれ20%ずつで、ミスを防ぐための二重チェックも行うため、従業員の負担は大きくなっていました。
そこで、カシオの「BC受発注」を導入し、全体の2割程度の得意先が実際に利用しています。難色を示した得意先もありましたが、BC受発注は操作がシンプルなため、操作に関する問い合わせは存外に少なくスムーズに導入できたと言います。
これまで5~6時間かかっていた転機作業は1時間程度まで短縮。営業マン個人の携帯に発注の電話がかかってくることもなくなり、当初の狙い通り従業員の負担軽減につながりました。
田中水産株式会社様の事例はこちら〉
中水青森中央水産株式会社様は、仲卸業者や加工業者、大手水産会社などと取引を行っている水産物の卸売業者。主力商品である生鮮食料品は4,000~5,000品目にもなります。
電話とFAXでの受注に加え、LINEやメール、口頭でも注文を受けていたことから、受注業務が煩雑に。売上明細は1日あたり500明細ほどにもなり、電話の聞き取りミスや「言った言わない」のトラブルも発生していたため、受注業務の改善が急務となっていました。
そこで、カシオの「BC受発注」を導入し、まずは2割程度の得意先がBC受発注の利用を開始しました。電話やFAXでの受注は着実に減り、ミスも削減できたほか、事務員が欠勤しても他の従業員が対応しやすくなりました。将来的には、全ての得意先にBC受発注を利用してほしいと考えています。
中水青森中央水産株式会社様の事例はこちら〉
受発注システムは、業務効率化やミスの削減、顧客満足度向上、さらにはコスト削減など、さまざまなメリットをもたらします。
システムの選定にあたっては、水産業特有のニーズに対応しているか、使いやすいか、費用対効果は十分得られるかなどに加えて、サポート体制も十分に検討しましょう。ここで紹介した事例のように、受発注システムを効果的に活用することで業務の大幅な改善を実現できるはずです。
カシオの受発注システム「BC受発注」は、水産仲卸・小売業など水産業の受発注プロセスを改善します。
得意先がスマートフォンなどから行った発注は一元管理され、受注するとメールやダッシュボード上に通知が届くため、発注の見落としもありません。また、生や冷凍などの状態や、尾、kg、箱の単位など、水産業ならではのニーズにも細やかに対応できます。
受注内容を確認したら、「受注取り込み」機能で販売管理システムへのデータ連携も可能。手入力の機会を減らすことで、業務にかかる時間とヒューマンエラーを大きく減らせます。より確実な納品が可能になり、顧客満足度もアップすることでしょう。
以下のページでは、BC受発注について詳しく紹介しています。検討の参考にぜひご覧ください。
https://web.casio.jp/bc-order/