コラム
多種多様な野菜や果物を取り扱い、季節や天候によって品揃えや価格が変動する青果業において、受発注業務の効率化は非常に重要です。青果卸売業の場合、早朝に行われることの多い受注処理を効率化することは、業務負担の軽減にもつながります。
そこで注目されているのが「受発注システム」の導入です。ここでは、青果業における受発注システム導入のメリットや、選定のポイント、そして実際の導入事例を詳しく解説します。
目次
青果業は取り扱う野菜・果物の種類が多く、季節ごとに品揃えも変化します。また、価格は天候に左右されるため一定ではありません。ここでは、青果業で受発注システムが必要とされる理由を詳しく見ていきましょう。
青果市場の競りは、下見も含めると朝5時頃から始まります。そのため、青果卸売業者は受注処理を深夜から早朝にかけて行うケースが多くなっています。
電話やFAXなどのアナログな受注方法の場合、留守電の書き起こしも含め、手作業で受注内容をまとめる必要があります。しかし、インターネットやデジタル技術が発展した現代において、こうした受注方法は効率的とは言えません。
受発注システムを利用すると、得意先が発注したデータはシステムに自動的に蓄積されます。受注した側は任意のタイミングでまとめて受注処理できるため、処理が効率的になります。深夜から早朝にかけての業務時間を短縮でき、業務負担が大きく軽減するでしょう。
留守電を含む電話での受注は、受注内容を書き起こす必要があります。
特に青果は、卸売業・小売業共に商品数が多く、同じ野菜でも箱単位、kg単位、バラ売りなどがあるため複雑になりがちです。これらの情報を口頭で伝えようとすると、聞き間違いや書き間違いなどのミスがどうしても発生します。
また、FAXの場合は文字のかすれから判読が難しいことや、用紙の裏表を間違えて白紙が届くこともあります。こうしたミスはクレームにつながるため電話での確認が必要となり、無駄な時間とコストが発生します。
青果は卸売業、小売業共に生鮮品を扱います。そのため、以下のような課題があります。
青果は鮮度が重要です。特に、トウモロコシやオクラ、エンドウや枝豆などの鮮度が重要な野菜は、ミスが発生して納品が遅れると味に影響を与えます。得意先に状態の良い野菜を届けられず、廃棄ロスが発生することもあるでしょう。
また、野菜や果物は種類が多い上に、季節ごとに取り扱うものが大きく変わります。さらに、天候によって価格も大きく変わります。こうした変化も受注業務の負担になりがちです。
受発注システムを導入することで、これらの課題を改善できます。発注画面の商品・価格は柔軟に変更できるほか、野菜の種類や数量に関するミスも減らせます。ミスが減ることで得意先からの信頼が向上し、廃棄ロスも減らせるでしょう。
受発注システムを導入することで、従来の受発注方法が抱える課題を解決し、業務効率の大幅な向上や販売促進への活用、そしてコスト削減などのメリットが得られます。
受発注システムを利用することで、電話やFAX、メールへの個別対応が不要になります。電話の内容を書き起こす作業がなくなるほか、FAXやメールの内容を確認して販売管理システムなどに手入力する作業もカットできます。受注処理にかかる時間は大幅に短くなるでしょう。
また、受発注システムを利用した注文は24時間受け付け可能です。受注データは自動的に蓄積されるため、得意先から連絡がある度に手を止めて作業する必要もなくなります。任意のタイミングでまとめて処理できるので、受注業務効率が大幅にアップするでしょう。
受発注システムの利用は、ミスの削減にも有効です。例えば、電話での受注は相手の話や留守電を聞いて受注内容を書き起こす作業が必要です。しかし、聞き間違いや書き間違いが起こる可能性があります。
FAXで受注する場合は、印刷がかすれていて読み間違える場合があるほか、白紙で届いた場合の取引先へのフォローも必要になります。また、データを販売管理システムなどに入力する際に打ち間違えることもあるでしょう。
しかし、受発注システムでは得意先が発注画面に入力したデータをそのまま受信できます。聞き間違いや、文字のかすれによる読み間違いが起こらず、「言った言わない」のトラブルも防げます。
受発注システムを利用すると、得意先はインターネットを通じて24時間いつでも発注が可能になります。業務のスキマ時間にPCやスマートフォンで発注できるため、営業時間内を気にして電話をする必要や、注文書を手書きしてFAXを送る必要がなくなります。
また、過去の注文履歴をシステム内で確認できるためリピート注文が簡単になるほか、注文画面に商品の詳細を掲載できるため、問い合わせの手間も省けます。こうした利便性の向上は、得意先にも喜ばれるでしょう。
さらに、受発注システムによっては季節商品の情報をタイムリーに伝える機能を備えています。この機能を有効活用することで、営業マンが説明したりチラシを配ったりしなくても商品の存在を知ってもらえますし、旬の商品の販売促進にもつながるでしょう。
受発注システムを導入することで、電話対応や書き起こしなど、受注業務にかかっていた作業を大幅にカットできます。これまで早出や残業で補ってきたケースでは、時間外労働時間を減らし人件費も削減できる可能性があるでしょう。
また、ペーパーレス化が進めば、注文用紙やFAX用紙にかかっていた費用を抑えられるほか、過去の注文用紙を保管するファイルや保管のための棚なども不要になります。あらゆる経費を減らし、利益を増やせるでしょう。
青果業に最適な受発注システムを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。
青果業は商品数が多いことに加え、季節によって取り扱う野菜・果物が変わります。また、天候などによっても価格が変動するため、これらのニーズに柔軟に対応できるかを確認する必要があります。
システムを選定する際には、商品を簡単に入れ替えられることや、登録した価格を少ない手間で細かく変更できることをチェックしましょう。
受発注システムは使いやすさが重要です。操作がシンプルで分かりやすく、マニュアルをあまり見なくても直感的に操作できるシステムであれば、操作を覚えるためのレクチャーが短時間で済み、導入しやすくなります。
できれば、導入前に実際の業務環境で試用できるシステムを選び、操作に問題ないことを確認してから導入することをおすすめします。商品の登録や価格の変更などが簡単にできるかも確認しましょう。
また、販売管理システムや在庫管理システムなどを既に導入している場合は、それらのシステムとスムーズに連携できるかも合わせて確認しましょう。
受発注システムを導入するには得意先の理解が必要です。これまで電話やFAXでの発注を行ってきた得意先は、「今のままで困らないのに…」と受発注システムの導入を躊躇するかもしれません。
そんな時は、受発注システムの使いやすさが説得の材料になります。得意先が発注に使うための画面がわかりやすく直感的に使えれば、「よし、やってみるよ」と切り替えに挑戦してくれる得意先は増えるはずです。
発注画面が分かりやすければ、操作に迷うこともなくなり、「使い方がわからない」といった問い合わせも減らせます。得意先にとっての使いやすさは、業務効率をアップさせるために不可欠な要素です。
受発注システムの導入・利用には、初期費用や月額費用がかかります。システムの提供事業者によって料金体系は異なりますが、自社の業務にどのくらいの利用料がかかるかは必ず確認する必要があります。その上で、その金額に見合うだけの効率化が可能かを見極めることが大切です。
導入後のサポート体制も必ず確認しましょう。業務中にトラブルが発生した場合、サポート体制が不十分だと困ってしまうでしょう。サポートは電話なのかメール・チャットなのか、対応時間は何時から何時までなのかなどを確認し、導入後の不安を減らしましょう。
受発注システムを導入した事例を紹介します。いずれも業務効率化と従業員の負担軽減に成功しています。
野菜・果物の卸売・小売業を営む有限会社三金様は、卸売が全体の80~90%を占め、得意先は小中学校や保育園、老人ホーム、飲食店など80社に及びます。これまでFAXやLINEで受注を行っており、データの手入力に時間がかかることや、転記のミス、FAXの読みにくさから来るトラブルが悩みの種でした。
そこでカシオの「BCBC受発注」を導入したところ、課題となっていた事務作業の負担を大幅に軽減。導入前は「得意先から利用を断られるかも…」と考えていましたが、飲食店の得意先のほとんどがBC受発注の利用を承諾してくれました。どこからでも発注できるため、自宅からスマートフォンを使って注文する得意先もあるそうです。
さらに、カシオの販売管理システム「楽一」との連携も行い、結果的に1日あたり30分程度の業務短縮を実現。浮いた時間を活かして、個人のお客様向けの新しい事業を展開したいと考えていると言います。
有限会社三金様の事例はこちら〉
熊本にある有限会社武川商店様は刺身の「つま」をメインに扱う青果加工販売の会社。熊本県内の食品スーパーだけでなく、九州各地の鮮魚卸売市場や食品小売事業者など、約100件の得意先があります。
これまで、100件の得意先のうち90件は電話での受注、残りの10件はFAXでの受注でした。「つま」は鮮度が重要なため基本的に毎日受注があります。留守電に注文を残す得意先もあり、毎日午前2時から朝9時までの間に、約100件の入力作業を行っていました。
そこでカシオの「BCBC受発注」を導入。事前に取引先に導入に関するアンケートを行ったことで、予想以上にスムーズな滑り出しに。得意先からは「早くこういうのにしてほしかった」というポジティブな声も聞こえてくるとのことです。
1件あたり10分かかっていた受注作業は7分短縮され3分ほどに。電話が聞き取りにくいなどのトラブルもなくなり、お客様が注文した商品をより正確に出荷できるようになりました。
有限会社武川商店様の事例はこちら〉
受発注システムを導入することで、受注業務の効率化やミスの削減、顧客満足度の向上、さらにコスト削減などが見込まれます。特に、季節や天候によって商品や価格が変動する青果業においては、受発注システムの導入は業務効率化に大きく貢献するはずです。
受発注システムを選定する際は、商品・価格の更新のしやすさ、従業員と得意先双方の使いやすさ、費用対効果やサポート体制などを十分に検討しましょう。事例で紹介した二つの事業者のように、受発注システムを効果的に活用することで、業務の大幅な改善が可能になるでしょう。
カシオの受発注システム「BC受発注」は、青果卸売業・小売業などの受発注プロセスを改善します。
得意先はスマートフォンなどから24時間発注可能。データは一元管理され、受注するとメール通知、もしくはダッシュボード上へ通知が届きます。FAXのようにうっかり発注を見落とすこともありません。
受注内容を確認したら、「受注取り込み」機能を使って販売管理システムへデータを連携することも可能です。手入力の機会を減らすことで、業務にかかる時間とヒューマンエラーを削減できます。
また、季節ごとに変わる野菜・果物の種類や、天候によって変動する価格など、青果業ならではのニーズにも細やかに対応。わかりやすい発注画面で、顧客満足度もアップすることでしょう。
以下のページでは、BC受発注について詳しく紹介しています。検討の参考にぜひご覧ください。
https://web.casio.jp/bc-order/