共生社会の実現とは何か?私たちはそのヒントを得るため、障がい者福祉施設「ひまわりばたけ」を訪れました。そこには個性を尊重し障がいに寄り添い、互いに信頼関係を築いていく姿がありました。それぞれにあった活動、やりがいが実現できる環境が理想のインクルーシブ社会ではないでしょうか?施設長と利用者の方々を招いて、どんな共生社会をめざすか考えたいと思います。
施設の特徴でもあるアトリエは、利用者さんのストレスの発散や自由の場になっています。また陶芸やパンの販売は、社会への窓口になっていることが分かりました。「障がい者という枠組み外すことで、インクルーシブな社会につながる」と國武さんは仰っていました。そのような想いをもつ「ひまわりばたけ」の取り組みを社会に発信したいと私たちは感じました。
インタビューの際、利用者の方からも美大の制作や表現について私たちに質問があり、お互いに知りたがっていることが分かりました。障がいは一つの個性であり、彼らは私たちと同じように日々の暮らしを送っています。私たちは、「知らない」を無くすことで、初めてインクルーシブな社会へと変化するのだと気づきました。
私たちはこれまでの取材を通じて、まず「知ること」が最も重要であると考えました。「ひまわりばたけ」を社会のロールモデルとして捉え、施設の紹介をイベントの主軸にすることにしました。アートを入り口にして、そこでの取り組みを発信することで、「ひまわりばたけ」の取り組みを社会に活かすことができると考えました。
当日は、ゲストとして「ひまわりばたけ」の施設長と職員、利用者の方を大学にお招きし、陶芸作品の紹介やインタビューを行いました。また、施設の運営について語っていただいた後、ディスカッションでは、共生社会を実現するためのキーワードを参加者の皆さんに出してもらい、皆で共有することで新たな気づきやきっかけが生まれました。
チーム|COCRE
ニン エイエイ(工業工芸デザイン学科、2年)
吉田 七生(デザイン情報学科、3年)
イ ミンス(芸術文化学科、3年)
丸山 和花(芸術文化学科、3年)
西本 浩二(カシオ計算機)
吉田 七生
(よしだ ななお デザイン情報学科・3年)
イベントでは、参加者の方から貴重な意見をたくさんいただきました。時間の都合上、全員の意見を伺うことができなかったのが残念です。共生社会、インクルーシブの実現の第一歩は、知ることであるということを、今回の取材を通して私たちは気づくことができました。それぞれの選択肢、すなわち個性を尊重し伸ばしていくような環境は、全ての人に必要であると考えています。今回のイベントがその第1歩であったり、何か気づきのきっかけになっていれば幸いです。