CASIO×MAU産学共同プロジェクト
WORKS

チュニジアから来た私がハッピーでいれる場所

スラマ・ソニアさん(すらま・そにあ 多文化ひろば あいあい 外国語教師)

ソニアさんはチュニジア出身で、夫の転勤で2001年に来日。「多文化ひろば あいあい」のメンバーで、外国語(英語、フランス語、アラブ語)の先生。

Member

担当:柳 廷和(ゆ・じょんふぁ)
取材チーム:rhythm-mix
柳 廷和(視覚伝達デザインコース・修士課程2年)
田中 椋平(デザイン情報学科・1年)
王 鑫(芸術文化学科・3年)
松本 貴美子(カシオ計算機)


Synopsis

ソニアさんは来日してから三ヶ月後、娘さんを妊娠、今は3人家族で過ごしています。初めて日本に来た時は言葉も違うし、知り合いも誰もいないので情報を得られなく、とても大変でした。特に彼女は日本で出産と子育ての経験をしたのでなおさらでした。出産の時は、お医者さんの言葉やボディランゲージの意味がチュニジアと違うのでわからなくて、赤ちゃんの状態が心配になってしまいました。またお子さんが小学生の時には、遠足の時学校から来た日本語の案内文が読めなくて、お弁当を持たせることが出来ずとても悲しかった経験もあります。

しかし、日野市にある外国人のお母さんと日本人のお母さんのコミュニティ、「多文化ひろば あいあい」のメンバーとして参加してから、人生がずっと幸せになったと彼女は言っています。そこで色々な人々と繋がりながら言葉や文化を学んだり、仕事も得られたりしました。彼女にとってあいあいは 「いろんな人々と繋がりを作ってくれたネットワーク」です。これから日本語が上手になって、日本とチュニジアについて、自分の人生について本を書きたい夢を持っているソニアさんの話を聞いて見ませんか?


Session

参加者: お子さんがいらっしゃって、お子さんが小さい頃に学校で持ってきたプリントを読めなくて大変だったとおっしゃいましたよね。学校で日本人のお母さんの友達はいたりはしましたか?

ソニア: その時はいなかったです。だから大変でした。

参加者: なんで日本人のお母さんたちはソニアさんに声をかけなかったと思いますか?

ソニア: 多分その時は私が日本語を全然しゃべれなかったからと思います。

参加者: でも「あいあい」では日本の人たちと話せることになったんじゃないですか。

ソニア: 「あいあい」に入った時は全て英語で話せて、少しずつ日本語を勉強しました。

参加者: 子どもの学校の先生は何か心配で話しかけたりはしましたか?

ソニア : はい、しました。娘が私と先生を通訳してくれました。私はアラビア語で、先生は日本語で。


From Student

共感のコミュニケーション
柳 廷和
(ゆ・じょんふぁ 視覚伝達デザインコース修士2年)

長い準備期間でしたが、先生の方々とカシオの皆様と生徒たちがみんなで頑張って協力してきたので、プロセスが安定に進めることができたと思いました。その頑張りがイベントの当日にも現れて各セッションにも参加者たちが安心して話し合えたり、質問を交わすことができたと思いました。

個人的にはこの授業を通じて多様な文化圏の中でのコミュニケーションについて丁寧に考えながインタビューをしたり、他の人々に伝えようと努力することになったので、そのような経験は共感能力を高める貴重な体験だったと思います。

私に多文化共生は、私が外国人の立場になってそしてこのような考える機会を得られたので意識できた言葉だと思います。私は普段ただ他の人の違いについて知ることが楽しいとの気持ちで他人を接してきましたが、多文化についてとか他人の違いを深く知れば知るほどデリケートな部分が感じられました。他の国に旅行したり、住むことになったときには私の言葉や行動が意図したことと違う風に受け入れられたりとかして、それは母国でも良くあることですが、外国人として長期間住むほど難しく感じられたと思います。しかしここでもっと私が理解されているところは何だろうとか、相手はどう理解しているのだろうとかをもっと意識してみることで、母国で理解できなかった人々の行動を外国での人々との関係で理解できたりする不思議な経験もしました。そのような経験から人々はそれぞれ他人の言葉や行動を理解することは生きてきた経験によってそれぞれ違うけど、伝える意思さえ確実ならいずれ伝えることができると信じることになりました。そこで私が思う多文化共生は、他の人々を自分の解釈で判断することなく、そして自分が違う風に判断されたと気にすることなく、ただそのままを受け入れる姿勢だと思いました。