日本では、物やサービスを買う際に「消費税」がかかります。少し前までは5%、今は8%ですが、なんとこの消費税が10%になる予定です。100円のオニギリを買う場合は、少し前までは105円、今は108円、増税後は110円支払わなければならない、ということになりますね。
100円のオニギリを1つだけ買う場合では、今と2円しか消費税が変わらないので、そんなに負担にはならない気がしますが、これが野菜も買って、冷凍食品も買って、お惣菜も買って、お茶も買って・・・となると案外この2%の差がボディブローのように家計を圧迫していきます。買い物は毎日のことですからね。
そこで政府は、「消費税は10%に上げるけど、食料品などについては、今の8%のままでいいよ」という方針を発表しました。これが軽減税率です。特定のものを買う場合のみ税率を軽くするから軽減税率というのですね。一気に全ての消費税を10%に上げてしまうと買い控えが多く発生し、経済が停滞してしまうだろう、ということから、主に低所得層の生活に配慮した政策と言われています。
消費税の軽減税率の対象品目は
となっていますが、ここで問題なのは、「酒類及び外食を除く飲食料品」の定義です。
では、具体的にどんなものが軽減税率の対象になるのでしょうか? お酒は、分かりやすいですね。でも、外食って、どう定義するのでしょうか?外食か否かは、イメージでは、お店の中で食べるか、持ち帰って食べるかの違い、という感じはしますよね。
例えば、レストランで食事をするのは外食でしょう。でも、昔と違って、今はコンビニでも「イートインコーナー」があって、買ったお弁当やパンをその場で食べられますよね?これって外食?移動販売車で売っているランチボックスを買って公園で食べたら?映画館で食べるポップコーンは?そういえば最近の格安航空路線は飛行機内でお金を払って食事や飲み物を買いますよね?これって、外食でしょうか?
さらにややこしいのは、お店の中で食べられるものをお持ち帰りした場合には消費税はどうなっちゃうの?という点です。お父さんがお寿司屋さんで食べた後にお母さんに買って帰るお土産の消費税は、店内で食べた分は10%かかって、お土産分は8%になりそう、という感じなんです。宅配や持ち帰り専門店にとっては、一律8%の税率が適用される可能性が高いため、そんなに混乱は起きないでしょうが、飲食店経営者やスタッフにとっては、はっきり言うと、面倒くさいです。「手間が増える。混乱が起きる。クレームが多数発生する」ことにつながる可能性が大、と言えるでしょう。
例えば、軽減税率を導入している欧米諸国では、
など、「むむむ?」とうなってしまうような線引きがされているようです。
これは、時の政権と支援団体、各地方自治体のルールなど、あらゆる要素が入り混じって「この食品を軽減税率対象とするか」が決定されるために生まれる「妙なルール」なのでしょうが、日本でも「むむむ?」とうなるようなルールが制定される可能性もあります。
2016年6月