軽減税率の導入で争点になったのは線引きの問題。「こんな場合はどうなるの?」というのは軽減税率に関してはよく話題になります。ここでは思わず悩んでしまいそうな気になる線引きのケースをピックアップしてみました。
お菓子を買えばおまけにミニカーがついてくる。こういった場合も明確な線引きがしにくくなります。例えばミニカーがおまけだった場合。仮にお菓子とそのミニカーを別々のお店で買えばミニカーには標準税率、お菓子には軽減税率が課せられるでしょう。しかしお菓子のおまけとして買った場合には、あくまで買ったのはお菓子なのでミニカーがついていても軽減税率の対象のみとなります。中にはおまけのミニカーがほしいから、お菓子を買うという子どもきっといるはずですが、だからといってそういった子どもだけ消費税10%を取ることなんてありえません。このおまけの線引きをどうするか、お子様のいるご家庭や食玩が好きな方は気になるところですね。
おまけ付きのお菓子から別の食品に話題を移しましょう。そこで線引きが曖昧になりそうなのがお弁当です。お弁当といっても通常のものであればまったく問題はありません。しかし中には豪華な陶器に入っているようなお弁当もあります。その代表的なものがおせち。買って帰ればもちろんテイクアウトですから軽減税率の対象になるでしょう。しかしお正月の食卓を飾るおせちだけあって当然、その容器も豪華なものもあります。ではそれが本物の漆器のお重になればどうでしょうか。軽減税率決定事項の中には値段の上限や食品部分が主体であることが定められてはいますが、導入後最初の年末には少々混乱が起こりそうです。
線引きの問題でたびたび議論になったのは品目だけではなく、それを「どこで食べるか」です。その中でよく例に出されるのがフードコート。これはラーメン屋や牛丼などをそこにあるお店で買って食べれば外食となり、軽減税率の対象外となります。でも持ち帰ってお家や外のベンチで食べれば軽減税率の対象です。ではフードコート内で食べるつもりが、満席だったので外のベンチで食べた場合は当然標準税率を払ったお客様は損した気分になり、中には余計に払った分の返却を求めてくる人も出てくるでしょう。逆に持ち帰るつもりで軽減税率分しか払わなかったお客様の気が変わり、フードコート内で食べ始めたらどうでしょうか。お店側はお客様を追いかけていき、差額分の2%を求めることはなかなかできないでしょう。そうなると正しく10%を払ってフードコートで食べているお客様には不公平感が生まれます。そういった「どこで食べるか」が気になる線引きですが、税率によって器を変えるなど第三者から見てもそれとわかるにしておけば、違反している人は食べにくくなるかも知れませんね。これは今後の検討課題です。
2016年6月