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ドーナツ、6つなら軽減税率の対象となるカナダ

今後、消費税が10%に引き上げられる日本。その税率と同じ国がカナダです。では軽減税率のほうはどうなのでしょうか。同じ10%の国として気になるところです。そこでこのコラムではカナダの軽減税率事情を探ってみました。

ドーナツに戸惑う外国旅行者

カナダは冒頭で紹介したように標準税率10%で日本と同じです。ただし軽減税率が日本の場合は8%であるのに対し、カナダの場合は0%。基本的な食材、農産品、その他に薬や医療用の機器がその対象となっており、その税率は0%なので正確に言えば軽減税率ではなく、無税ということになります。

この消費税10%に対する0%は全体的に国民の満足度は高いとのこと。海外旅行でカナダを訪れた旅行者にはこの軽減税率を羨ましがる人もいるようです。
ただドーナツを買ったときだけは少々戸惑いの表情を見せてしまうとのことなのですが、それはなぜでしょうか?

「その場で食べられる個数が5個」というルール

カナダも他の国と同じく外食には消費税が掛かります。そしてこの外食か、そうでないかの軽減税率の線引きはどこの国でも難しいようです。ちなみにEU諸国を中心によく海外で見られるのは、ファーストフードは同じものでも店内で食べると「外食」の扱いなので消費税、テイクアウトは「食品」なので軽減税率の対象となる事例。自国でこういった線引きに慣れていても戸惑うのがカナダのドーナツなのです。

実はカナダではドーナツ5個以内は、外食とみなされ標準税率の10%がかかり、6個以上買うと食料品となり税率は0%となります。カナダの人はこのルールに慣れていますが、それを知らない外国人は一瞬理解に苦しむでしょう。5個で線引きする理由はその場で食べられるか、食べられないかということ。6個以上ならその場で食べられないと見なされ、テイクアウトの食品、つまり無税となるそうです。

カナダがドーナツの税率にこだわる理由

なぜそこまでドーナツに執着するのか。これは興味のあるところですね。実はカナダでは、とあるドーナツチェーンがマクドナルドの規模を超えて流行っています。おそらくカナダの大きな町ならどこでもこのチェーン店の看板が見られることでしょう。当然、ドーナツの消費量は増えていきます。結果、ドーナツの扱いに関して何らかの答えを出す必要があったのではないか?・・・という見解もあります。

もちろんドーナツ以外のお菓子にも「その場で食べられる数か、どうか」のルールはカナダで適用されます。しかしこの国の消費税の話題となれば必ずと言っていいほどドーナツが登場するのは、やはりインパクトが強いからでしょう。

軽減税率に関しては、こういったお国ならではの事情を知るとスムーズに理解が深まっていきます。たとえばイギリスではバナナのイートインは軽減税率が適用外。お持ち帰りは適用されます。「なぜバナナなの?」と疑問を持ちませんか?実はイギリスの場合、バナナをランチのときに食べる人が多く、ファーストフード店でもよく販売されています。だからバナナに対しても線引きする必要性が出てくるわけです。

今後、日本が軽減税率を実施していく中で様々な線引きルールもできていくでしょう。カナダのドーナツのように海外の人からすれば不思議に感じるような品目も登場してくるかも知れませんね。

2016年6月

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