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軽減税率の逆をいくユニークな税制度

軽減税率が品目を食品などに規定して税率を軽くするものであるのに対し、同じように品目を指定し、そこに新たな税をかけて負担を重くする税金もあります。いわば軽減税率の逆をいくと言う意味で「重増税率」と名付けられそうですが、世界にはそんなユニークな税がたくさんあります。

窓に税金をかけたイギリス

最初に紹介するのは窓に税が掛かるというもの。ウイリアム3世が統治していた17世紀のイギリスでは窓に税金が掛けられていたという記録が残っています。窓といえば今でもガラスを使用しますが、当時、ガラスは貴重品。そこで6つ以上、窓のある家は贅沢で裕福とのことで課税対象となっていたのです。

軽減税率を導入しているイギリスでは、贅沢品に対しては軽減税率の対象外にするルールがありますが、当時からそういった考え方はあったようです。当然、この税が施行されると窓を減らす動きが出てきました。実際、そのことで課税は免れたが、その分、風通しが悪くなり、健康を害する家庭も増えていったとのことです。

羊のおならに税金

一方ニュージ―ランドでは、羊のおならが大気を汚染するとのことで「おなら税」が浮上してきたことがあります。実際の名称は「廃気税」ですが羊の頭数が人口よりも多く、羊に対して特別な感情を持つこの国の国民は猛反発し、実施にはいたらなかったそうです。同じ理由で家畜げっぷ税というものも検討されましたが、これも幻の税制度となりました。中世のフランスではカエルの鳴き声がうるさいと感じた領主が住民にカエル税を課したという事例も残っています。軽減税率を含め、税の分野では様々なもの対象となりますが、世界に目を向けてみると、びっくりするような事例が多数ありますね。

健康推進のために脂肪税

デンマークでは脂肪分を多く含むバターやチーズ、肉類に特別な税金を課す脂肪税が施行されました。これは国民の健康増進を目指したもので新聞やニュースでも話題になりました。日本の軽減税率の線引きでは「健康」という視点がないのでこの脂肪税は新鮮な感じがします。ただし、この税は施行してわすか1年で廃止。その短命さも再び世界を騒がせました。ブルガリアでは独身者に課する独身税も実施されたことがあります。この税によって未婚率は減りましたが、出生率は上がることはなかった ようです。節税対策のためにとりあえず結婚したことにしたカップルなども多くいたのではないでしょうか。

日本でもつい最近まであった犬税

世界各地のユニークな税金の事例を紹介してきましたが、実は日本にも一風変わった税制度が昭和の終わりまで存在していました。それが犬税。犬を一匹飼うごとに年間300円程度の税金を取る市町村が日本の各地で見られたそうです。今から見れば「ユニークな税」として扱われそうですが、当時としてはさして珍しいものでもなかったとその頃を知る人は語っています。ペットブームの現代ですが、ペットフードは軽減税率の対象外。10%の消費税を払うことでかつての犬税よりも多い税収は見込めそうです。

2016年8月

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