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軽減税率、議論になる食品の線引き

軽減税率の対象は酒類と外食を除く食品となっています。そして食品は生鮮食品だけではなく、加工された食品や飲料水が加わることでその対象範囲は大きく広がります。ただ、何をもって食品になるのか?という線引きの議論が議会などで白熱しました。ここでは線引きが難しそうな話題をピックアップしてみました。

ペットボトルの水と水道水という線引き

軽減税率でいう食品とは何かを考える上でよく話題になったのは水。たとえばペットボトルの水は、軽減税率の対象になるけれど、水道水は標準税率が課せられます。最近は水道水の質も上がり、広告などで水道の水は安心して飲めるというキャンペーンもよく見かけますね。

それなら水道水は、食品に入るかといえばそうではありません。なぜならお風呂や洗濯にも使えるからです。生活に欠かせないという意味では水道水も軽減税率対象になりそうですが、水道水を認めてしまうと電気やガスなども加える必要が出てきてしまいます。ただし、ヨーロッパでは上下の水道や光熱費も軽減税率の対象にしている国もあります。

人間が食べることができてもペットフードは食品ではない

少し前になりますが安倍首相の奥さまである昭恵夫人がペットの健康食品をまちがって食べていたということが話題になりました。たしか軽減税率の議論でペットフードは食品に入るか、という質問への首相の答弁で用いられたエピソードだったと記憶しています。

ペットフードの味は人が食べてもそれほど悪くないということがそこから伺えますが、だからといって食品扱い=軽減税率の対象にはなりません。つまり、味がそこそこで食べることができれば食品であるとは定義できないのです。もしそれなら先のペットフードは総理夫人のお墨付きで食品になってしまいます。

観賞用か、食品か

また同じく国会で野党から水槽に入っている魚を鑑賞用として売れば標準税率になるが、それを食用として売れば軽減税率の対象となるのかという質問が出ました。本当にこのようなことが実際に起こるのか、なかなか想像できませんが、食品扱いすることで安売りができるのでそんな業者が出てくる可能性があるというのです。

苗木や植物なども同じことが言えます。ハーブの木などは観賞用として販売していてもその葉をちぎれば料理に使えます。そこで食品扱いにすれば売ればお客は2%得した気持ちになり、お店もそれで客を増やせることになるでしょう。果たしてそういったことができるのでしょうか。

生きた魚介類は食品

実はこういったことを防ぐためにそれが食品であるか、根拠となる法律があります。それが食品表示法です。食品表示法により規定されて初めてそれは食品になります。たとえば牛肉や豚肉、鶏肉は明らかに食品です。では生きている牛や豚、鶏はどうかと言えばもちろん、食品表示法で規定された食品には入りません。ただし生きているものがすべて食品でないわけではありません。魚屋さんで売っている生きた魚介類は生鮮食品になります。たとえば生きているアサリが売られているものはごく普通の光景ですね。もちろんアサリは食品ですので軽減税率対象となります。安心して買ってください。

2016年6月

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