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軽減税率スタート後、安易な値下げは要注意

消費税の増税と軽減税率のスタート後に注意をしなければいけないのが安易な値下げキャンペーン。それは消費税転嫁対策特別措置法で禁止される行為となるからです。ではどんな値下げ行為がこの法律では禁止されているのでしょうか。調べてみました。

消費税転嫁対策特別措置法で禁止されていること

軽減税率が導入されればやはり目立ってくるのが、対象外の商品。それならいっそ軽減税率と同じく、消費税増税の据え置きキャンペーンをお店で実施すればいいのでは?と思う人もいるかも知れません。ところがこういった行為は先に述べた消費税転嫁対策特別措置法で禁止されているのです。この法律は平成25年から施行され、平成30年9月30日まで効力があります。つまりこの法律で定められた内容は、軽減税率のスタート時には十分に注意しなければなりません。

ではこの法律ではどんなことが禁止されているのでしょうか。まず知っておきたいのは「消費税は当店が負担します」「消費税上昇分、値引きします」「消費税相当分、次のお買い物に利用できるポイントを付与します」といった消費税分安くなることを感じさせる表示です。

お店のわかりやすい表示もこの法律が反映

そういった禁止項目以外でも消費税転嫁対策特別措置法は活躍しています。今、ほとんどのお店では、値段表示を見れば税抜き価格や本体価格、税込み価格などが明記され、いくら払えばいいかがすぐにわかるようになっています。ところがこの法律が施行される以前はレジで計算してもらうまで、いくら払えばいいかわからないこともしばしばありました。もちろん、軽減税率実施後も、値段表示において、本体価格と税額などを分かりやすく消費者に伝えていくことが大切です。

違反者には厳しい処置

禁止項目の話題に戻りますが、なぜ消費税分安くなることを感じさせる表示やキャンペーンがいけないのでしょうか。それは資金(体力)のないお店を保護していくためです。

規模が大きく、資金的にも余裕のある大手量販店なら増税分を据え置きした価格で販売しても一定期間はお店を維持できるかも知れません。しかし同じ商圏にある中小のお店にはその真似はできません。大手が資金に任せて消費税分を安くするキャンペーンを行うことでお客様は大きなお店に流れてしまうことの無いように、この法律は施行されているのです。

同じく、この法律では材料などを仕入れる取引先に対しての増税分の値下げ強要や消費税の上乗せ分を受け入れる代わりにこちら側が販売するディナーショーのチケットなどを強制的に買わせる行為なども禁止しています。

また仮にこの法律に違反があった場合は公正取引委員会から勧告を受けるだけではなく、その名前が公表されると言った厳しい処置が行われます。消費税増税、そして軽減税率のスタートを機に多くの施策に取り組むことはビジネスチャンスをつかむ上では大事ですが、法律に則った活動が求められているのです。

2016年6月

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