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三大珍味で軽減税率の線引きがちがうフランス

フランスは、1954年に世界ではじめて消費税が導入された国。
芸術の国、ファッションの国、グルメの国に加えて「消費税の国」と呼ばれるほど消費税と関係の深いことで有名です。ではそんなフランスの軽減税率事情はどのようになっているのでしょうか?ちょっと調べてみました。

消費税引き上げで反対意見が少なかったフランス

フランスでは税率が19.6%から21.2%へ引き上げられたときにほとんど反対の声が上がらなかったそうです。優雅なファッションやアートの国だけあって生活の細かいことには関心を示さないのでしょうか。

答えはそうではありません。実際は税率が高い分、税金が手厚い社会保障に回され医療や失業保険、老後の社会福祉などが充実しているので、反対意見が少なかったという見方が多いようです。そんなフランスですが、消費税とともに早くから軽減税率が導入され、食料品の他、医薬品や新聞の他、電気料金などにも適用されています。

EU加盟国では導入している軽減税率ですがフランスはやはり先輩格のようです。ところがこのフランス、軽減税率の線引きでは独特のものがあります。次のブロックでそれを紹介してみましょう。

キャビアだけがなぜ特別?

フランスといえばフランス料理。そしてそこで主役クラスのポジションにあるのはご存知トリュフやフォアグラ、キャビアの三大スターです。この3種の食材、日本では高額商品として知られていますが、それはフランスでも同じ。ところが面白いことにキャビアだけが軽減税率の対象から除外されています。

贅沢な品目に対しては軽減税率から外されるのがフランスのルール。当然この3品目はともに贅沢品であり、どれも軽減税率の対象外となりそうなのですが、キャビアだけというのはそこにフランスの事情があります。実はキャビアが輸入に頼っているのに対し、フォアグラやトリュフは国内での生産が多く、その産業を守るために軽減税率の対象品目となっているのです。

バターとマーガリン。これもマーガリンが軽減税率の対象外となっています。フランス料理にバターをつかうメニューが多いから?と考える方もいるかも知れませんが、ちがいます。マーガリンが工場で生産、バターは酪農家つくるのでその保護のために軽減税率の対象となっています。これもキャビアの線引きに近いですね。

板チョコは食材で軽減税率の対象

フランスの軽減税率の線引きでは、チョコレートも微妙な位置にいます。
板チョコは家庭で料理の材料として使われることが多いとのことで軽減税率の対象。それ以外のおしゃれなチョコは通常の消費税が課せられます。

またチョコレートのカカオの含有量が50%以上のものは標準税率、50%未満のチョコは軽減税率の対象となっています。その理由はカカオが多いほうが贅沢とされているからなのだそうです。さすがフランスはグルメ大国、チョコレートの軽減税率一つとってもお国柄が反映されているようですね。

軽減税率はこのフランスに限らず、その国ではない人が、おやっと思うような線引きがたくさんあります。また機会を見て紹介していきますね。

2016年6月

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