年間一人8,000円、それが軽減税率の実施による負担軽減効果額であることが先日の国会で政府から説明されました。この数字に対する是非は国会でも議論されていますので実際はどうなるかは今後わかりませんが、ある程度の目安にはなりそうです。ではこの8,000円という軽減税率の恩恵を、どのようにすれば自分たちのビジネスに引き寄せていけるのでしょうか。
一人当たり8,000円。3人家族なら単純計算で24,000円。これが軽減税率実施で軽減される金額です。ただし、これは商品券のように年末にまとまって手元に戻ってくるわけではないため、国民は負担軽減をなかなか実感できないのではないかと言われています。
ではどんなときにこの恩恵を実感するのでしょうか。まず考えられるのは、スーパー等でお金を支払ったタイミングです。「増税になったのである程度高くつくことを覚悟してレジで並んでいたら、思ったよりも高くなかった」と感じてもらうために軽減税率があるとされています。
いわゆる「痛税感」を和らげるためなのですが、それを実感できるのが毎回、レジで支払った後です。この瞬間を逃す手はありません。お店によってはレジで会計が終了し、お釣りや買い物袋を手渡すときにキャンペーンチラシなどをいっしょに手渡すところもありますが、軽減税率の実施後はここを新たなビジネチャンスとしてぜひ強化していきたいものです。
例えば、「軽減税率対象の商品を1万円分お買い物された場合、200円分の消費税負担が少なくなります。財布に残った200円でチョコッと買い物をしませんか?」というキャッチと共に、自店で売っている100円~500円程度の少額商品を並べたレジ横POPやチラシを作成して訴求すれば、お客様は反応してくださるでしょう。
8,000円という恩恵。先ほど触れたとおり、金額としてまとまって入金されるものではないため、日々実感しづらいものですが、逆にここを逆手に取って販促をしてしまいましょう。ずばり、軽減税率により浮いた金額をそのままアピール材料に使ってしまいます。
「軽減税率により1人あたり年間約8,000円分、税負担が軽くなっていると言われています。普段頑張っている女性が年に1度くらい、贅沢してもバチは当たりません。そこで、当美容室では年に1回贅沢セットを用意しました。炭酸シャンプー+ヘッドスパ+オーガニックトリートメント+パラフィンパック+眉カットにプラスして、当店利用のシャンプーとコンディショナーのミニボトルをセットにした豪華贅沢セットです。通常1.2万円以上のセットを特別に8,000円でご提供します。普段節約を頑張っている自分へのご褒美にどうぞ」などのような特別セットを提供してしまうのです。お客様も、「お金があれば私もオーガニックトリートメントくらいしてみたいわよ」と心の底では思われています。その心を自分へのご褒美という言葉でくすぐれば財布の紐は一気に緩くなるのではないでしょうか。
2016年6月