軽減税率の対象外となる外食。総務庁が行った家計調査データを見ると市町村によって外食の内容が様々にちがうことが伺えます。ここではどんな外食の品目が地域によってどう変わってくるのかを見てみました。
まず品目ではなく、外食すべての食事代に年間どれだけのお金を掛けているかを市町村別に見てみました。
第1位は東京都区部で196,104円、続いて名古屋市、川崎市と続きますが。このデータで意外なのは食道楽と言われている大阪市は7位であること。その隣の市である堺市も14位です。
食道楽、あるいは食い倒れの名前から考えれば美味しいものは目がなく、お金を惜しまずに使うようなイメージがありますが、数字を見る限りは堅実派のようです。ただ負けず嫌いの浪速っ子は「安くて美味しいものを探すのが上手なだけや!」と主張するかも知れませんね。消費税10%と軽減税率が導入されればさらに変化が見られるかも知れません。
ちなみに外食代で東京都区が1位なのはなぜでしょうか。その理由は農業や漁業ではなく、サラリーマンに従事する人の割合や東京に出てくる若者の数が多く、自然と外食の機会が増えてくることが考えられそうです。
食道楽の大阪が1位でない意外性と同じように注目したいのは、寿司屋で使う金額です。お寿司といえばやはり江戸前。東京都区部が上位に来そうですが1位はなんと宇都宮市。東京都区部は10位までに入っていません。
宇都宮市といえばギョーザの消費量日本1を浜松市と争っていることで有名ですが、実は電話帳を見ると市内のギョーザ店よりも寿司店の方が多いという情報もあります。それでも宇都宮市内の寿司店は開店と同時に人が殺到し、あっと言う間にどの店も行列ができるとのことです。
ではなぜ宇都宮市がこれほど寿司に対して熱いのか、と言えば海のない都市だからこそ、海への憧れがあるのではないかと言う説が有力になっています。ただ残念ながら、軽減税率の対象となっている持ち帰りの寿司の場合はどうなのかというデータはありません。その場で握ってもらう方が美味しいお寿司ですが、軽減税率の導入で宇都宮市民のお寿司に寄せる思いはどう変化していくか、興味のもてるところです。
意外な事例ばかりを2つ先に紹介しましたが、たとえばうどん・そば部門では高松市が1位と大健闘。これは讃岐うどんの名所のプライドをしっかり守っています。喫茶代の1位は名古屋市。これもこの街が喫茶店のメニューや多さを誇っていることからも十分に理解できます。若者からお年寄りまでお酒が好きな市としてテレビでもよく取り上げられる高知市もやはり1位です。
軽減税率の導入によって高知市のうどんは出前が増え、名古屋市の喫茶店はコーヒーのテイクアウト、高知市のお酒好きはつまみが軽減税率の対象となる家飲みに変わっていくかどうか・・・。こればかりは想像ができません。
出典:総務省統計局ホームページ
2016年6月